経常収支は4カ月連続黒字、予想は下回る-所得収支が黒字幅拡大 (1)
7月8日(ブルームバーグ): 5月の日本の経常収支 は4カ月連続の黒字となった。額は予想を下回った。貿易収支が輸入額の増加で、5月としては過去最大の赤字となったものの、海外投資からの収益を示す所得収支の黒字が引き続き増加した。円安などを背景に先行きも経常収支は黒字基調が続くとの見方が出ている。
財務省が8日発表した国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支の黒字額は5407億円だった。うち所得収支は配当金や利子の受け取り増加で、前年同月比8.6%増の1兆5228億円の黒字となった。サービス収支も、円安を受け、訪日外国人旅行者が約3割増えたことなどから、441億円の黒字に転換した。
一方、貿易収支は9067億円の赤字。鉱物性燃料や有機化合物などを中心に輸出が3カ月連続で増加したものの、輸入もスマートフォンや原粗油などの需要で7カ月続いて拡大し、輸出を上回った。
ブルームバーグ・ニュースが集計した経常収支のエコノミスト予想中央値は6000億円の黒字だった。
第一生命経済研究所の大塚祟広エコノミストは統計発表前のリポートで「基調としては黒字拡大局面入りを示唆する内容」になると予想。先行きも、円安効果などで貿易赤字が徐々に縮小するとともに、所得収支も高水準の黒字を維持する公算が大きいと述べ、「総じて経常収支の黒字は緩やかな拡大基調になる」との見通しを示した。
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更新日時: 2013/07/08 10:00 JST