Updated: Tokyo  2013/07/08 19:01  |  New York  2013/07/08 06:01  |  London  2013/07/08 11:01
 

日本株は午後崩れ反落、ソフバンク売り-過熱感、中国警戒も

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  7月8日(ブルームバーグ):東京株式相場は反落。米格付け会社による格下げを受けたソフトバンクが売られ、業種別では不動産や建設、鉄鋼などが安かった。直近の急上昇で一部テクニカル指標が短期過熱を示す中、中国をはじめアジア各国の株式相場が下げた影響も加わり、日本株も午後の取引で崩れた。

TOPIX の終値は前週末比16.00ポイント(1.3%)安の1172.58、日経平均株価 は200円63銭(1.4%)安の1万4109円34銭と両指数ともきょうの安値引け。

ちばぎんアセットマネジメントの斉藤秀一運用部長は、米国株高と円安が追い風になると見ていただけに、「きょう日本株が下げたのは予想外。アジア株が軒並み売りに押されたことが、市場参加者の心理を冷やしてしまった」と言う。

きょうの日本株は、前週末に発表された米国雇用統計の良好な結果や為替の円安基調を受けて買いが先行、TOPIXは5月24日以来、一時1200ポイントを回復した。ただ、その円安の勢いが徐々に一服したほか、中国上海総合指数 が一時2.7%安まで下げるなどアジア株全般がさえない展開だったことが響き、午前中ごろから日本株の上値の重さが鮮明になった。TOPIX、日経平均とも午後1時半前から、明確に下落傾向を強めた。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、米量的金融緩和第3弾(QE3)の縮小観測が高まる中、「中国をはじめ新興国から資金が流出することへの懸念がある」と話していた。また、マネックス証券の金山敏之シニア・マーケット・アナリストは、日本株について「このところの急ピッチな上げに対する警戒感がある」と指摘する。

25日線乖離は5%超

日経平均は先週まで3週連続高で、この間に1623円(13%)上昇。日経平均の25日移動平均線からの上方かい離率は5日時点で7.6%と、目先買われ過ぎを示す5%を超えていた。

東証1部33業種では不動産、建設、情報・通信、空運、鉄鋼、倉庫・運輸関連、金属製品、化学、その他製品、陸運など32業種が下落。個別ではトヨタ自動車、ソフバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループ、マツダ、三菱地所、日立製作所、ホンダ、コマツが安い。ソフバンクについては、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、長期会社格付けを従来の「BBB」から「BBプラス」に2段階引き下げる材料があった。公募増資実施による1株価値の希薄化懸念で大和ハウス工業は急落した。

半面、パルプ・ガスの1業種のみ上昇。個別では東京電力、アイフル、ケネディクス、KLab、群栄化学工業が高い。

東証1部の売買高は概算で32億6427万株、売買代金は2兆5155億円。騰落銘柄数は下落が1285、上昇325。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 河野敏 skawano1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/08 15:35 JST

 
 
 
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