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2013/7/7 日曜日 -
windowsserver2012のDHCPサーバー機能について
2013/7/6 土曜日
Windows Server 2012 R2、ココに注目!!更新日: 2013 年 7 月 8 日 Windows Server 2012 R2 は、"クラウド OS (the Cloud OS)" として開発された Windows Server 2012 の後継バージョンです。現在、既に膨大な数の Windows Server 2012 ベースのサーバーが、世界規模のパブリック クラウド、サービス プロバイダーのクラウド、そしてプライベート クラウドの基盤として、あるいは仮想マシンのゲスト OS として稼働中です。Windows Server 2012 R2 では何が変わるのか、どんな新機能があるのか、容易にアップグレードできるのか、次期バージョンの注目ポイントを、仮想化、ストレージ、クラウド機能の 3 つの視点からピック アップして紹介します。 進化を続ける Hyper-VWindows Server 2012 R2 は、サーバー仮想化テクノロジとして最新の Hyper-V ハイパーバイザーが搭載されます。Hyper-V の基本機能の強化点から、仮想マシンのコンソール操作のうれしい新機能までを紹介します。 ストレージのさらなる強化Windows Server 2012 R2 のファイル サービスと記憶域サービスを使用すると、コスト効率の高い標準的なディスクを使用して、エンタープライズ グレードの機能とパフォーマンス、可用性、そして管理性を備えるストレージ ソリューションを提供できます。 System Center 2012 R2 で真のクラウド OS にWindows Server 2012 R2 および System Center 2012 R2 は、プライベート クラウド、サービス プロバイダー、パブリック クラウドに対して一貫性のある管理環境と、ハイブリッドな相互接続を可能にします。Windows Azure のあの管理ポータルを、自社のクラウドに簡単に導入することもできます。 進化を続ける Hyper-V仮想化プラットフォームのコモディティ化が進む中、Hyper-V は 2012 年初めに仮想化プラットフォームのシェア No.1 を達成しました。*1 その理由は、OS の標準の役割であることからくる導入の容易さ、シンプルな管理、標準的なハードウェアで構築できるコスト効率にあったことは容易に想像できるでしょう。その後、Windows Server 2012 で Hyper-V は大幅な進化を遂げ、競合他社の先を行くスケールとパフォーマンスを得、クラウドに必要なさまざまな機能を追加しました。Hyper-V は Windows Server 2012 R2 で新しい次元へとさらに進化します。 *1 IDC Worldwide Quarterly Server Virtualization Tracker CY2013 Q1 業界最高クラスのスケールとパフォーマンスWindows Server 2012 R2 の Hyper-V は、Windows Server 2012 の Hyper-V と同じ、業界最高クラスのスケーラビリティを提供します。Hyper-V を実行する仮想化ホストは、最大 320 の論理プロセッサと最大 4 TB の物理メモリをサポートし、仮想化ホストあたり最大 1,024 の仮想マシンを同時実行できます。フェールオーバー クラスター (Hyper-V ホスト クラスター) の場合は、最大 64 ノードの構成で最大 8,000 の仮想マシンを同時実行でき、仮想マシンと仮想マシン内で実行されるアプリケーションに対して高可用性を提供します。また、Hyper-V ホスト クラスターでは、高速なライブ マイグレーションを複数の仮想マシンに対して同時実行できます。 1 つの仮想マシンに対しても、最大 64 の仮想プロセッサ、最大 1 TB のメモリ、最大 64 TB の仮想ハード ディスク (1 つの VHDX ファイルあたり) を割り当てることができます。また、仮想マシン キュー (VMQ) やシングル ルート I/O 仮想化 (SR-IOV) などのハードウェア オフロード機能と組み合わせることで、ネットワークを高速化できます。Hyper-V は高パフォーマンス、高可用性サーバーを仮想マシンで提供できるため、従来は仮想化に不適と考えられていた、大量のリソースを必要とするサーバーやミッション クリティカルなサーバーでも、現在では仮想化が有効な選択肢となりました。 Windows Server 2012 R2 では、ライブ マイグレーションのパフォーマンスが大幅に改善されます。ライブ マイグレーションを実行すると、ネットワークを介してメモリ ページのコピーと同期が行われますが、Windows Server 2012 R2 では、メモリ ページの圧縮転送によって転送速度が約 2 倍に改善されます。また、RDMA (Remote Direct Memory Access) を利用できる 10 Gbit ネットワーク接続がある場合、SMB ダイレクト (SMB 3.0 の機能) により最大 56 GB/s の高速転送を実現できます。これにより、大容量のメモリが割り当てられた仮想マシンの動的な配置の機敏性が向上します。 ストレージ QoS による I/O パフォーマンスの保証Windows Server 2012 では、Hyper-V 仮想スイッチに対する仮想マシンのネットワーク アダプターに対して帯域幅制御を行うネットワーク QoS (Quality of Service: サービス品質) が提供されました。Windows Server 2012 R2 では、ストレージに対する最小/最大 IOPS (Input/Output Per Second) を仮想マシンごとに制御するストレージ QoS が追加されます。 高密度のプライベート クラウドや仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) など、1 台の仮想化ホストで大量の仮想マシンを同時実行する場合、ストレージ I/O の集中がボトルネックになることがあります。Hyper-V の評価環境において、1 つのローカル ディスクにすべての仮想マシンの仮想ハード ディスクを配置した状態で仮想マシンを同時実行すると、思うようにパフォーマンスが出ないという経験はないでしょうか。おそらくそれは、ストレージ I/O がボトルネックになった結果です。このようなボトルネックが発生しないために、実運用環境では、同時実行する仮想マシンの数に対して十分な数のディスク スピンドル数を確保し、RAID (ストライプ) を使用して、ディスクやコントローラーに対する I/O を分散するようにストレージ設計をすることが重要になります。適切なストレージ設計とともにストレージ QoS を適用することで、ストレージ I/O パフォーマンスの SLA を保証できます。また、後述する記憶域スペースを使用すると、プライベート クラウドや VDI に使用できるストレージを低コストで準備できます。 仮想マシンの SLA のさらなる向上Hyper-V ホスト クラスターによる仮想マシンの可用性の向上、高速なライブ マイグレーションによる計画的なダウンタイムの縮小、ネットワーク QoS、およびストレージ QoS は、仮想マシンのアップタイムとパフォーマンスの SLA を向上するのに役立ちます。Windows Server 2012 R2 の Hyper-V ではこの他、オンラインの仮想マシンの仮想ハード ディスク (VHDX) のサイズをリサイズ (拡大または縮小) する機能、 オンラインの仮想マシンをエクスポート/クローンする機能がサポートされ、仮想マシンをオフラインにする必要性が減少し、さらに SLA の向上を図れます。 Windows Server 2012 から利用可能になったクラスター対応更新は、クラスターのノードのパッチ更新やメンテナンスを容易にしました。クラスター対応更新を使用すると、クラスター上で稼働する仮想マシン、アプリケーション、クラスター化されたファイル サーバーの SLA に影響を与えることなく、更新パッチのインストール作業を自動化できます。一方で、クラスター上に仮想マシンを展開するテナントの利用者は、自分の管理する仮想マシンのパッチ管理をどうするか課題として残ります。 仮想マシンのアプリケーション レベルでの可用性を高める方法の 1 つは、ゲスト クラスターの作成です。Windows Server 2012 R2 では、ゲスト クラスターの構成オプションとしてシェアード VHDX が追加されます。これまで Hyper-V 上でゲスト クラスターを構成するには、iSCSI 接続または仮想ファイバ チャネル接続の SAN ストレージ、またはファイル サーバーを共有ストレージとして利用する必要がありました。新たにサポートされるシェアード VHDX は、クラスターの共有ボリューム (CSV) またはスケール アウト ファイル サーバー上の SMB 共有に配置した 1 つの VHDX ファイルを複数の仮想マシンに同時接続し、クラスターの共有ストレージとして利用可能にするものです。仮想マシンのゲスト OS は、シェアード VHDX を共有 SAS ディスクとして認識します。 Linux ゲストのフル サポートHyper-V は、仮想マシンのゲスト OS として主要な Linux ディストリビューションを正式にサポートし、Hyper-V に最適化するための Linux 統合サービスを提供しています。Linux 統合サービスは現在、Linux カーネルの標準のドライバー ツリーに収録されているため、サポート対象の Linux の多くは Linux 統合サービスを利用するために、マニュアルでコンポーネントをインストールする必要がありません。Hyper-V 仮想マシンに OS をインストールするだけで、Linux 統合サービスが自動的に有効になります。 現在の Linux 統合サービスは、仮想マシン バス (VMBus)、ストレージ ドライバー、ネットワーク ドライバー、SMP (Symmetric Multi-Processing) サポート、時刻同期、シャットダウン連携、ハートビート、KVP (Key-Value Pair) データ交換サービス、マウス統合、ストレージのホット アド/リムーブの機能を提供しています。Windows Server 2012 R2 では、これまで未実装であったダイナミック (動的) メモリおよびボリューム スナップショット バックアップのサポートが追加されます。 Hyper-V における Linux ゲストのフル サポートは、Linux をあまり得意としていない Windows の技術者、管理者にとって待望の改善点でしょう。Linux にあまり詳しく無くても、例えば tar コマンドの使い方を知らなくても、Windows 標準のバックアップ ツールや Hyper-V 対応のバックアップ製品を使用して、Windows 仮想マシンと同時に Linux 仮想マシンをオンライン バックアップできるのです。 加えて、System Center 2012 SP1 以降、マイクロソフトが提供する管理製品においても Linux のサポートが強化されています。例えば、Operation Manager や Configuration Manager は Linux マシンを Windows マシンと同様にエージェントで詳細に管理できます。Endpoint Protection は Linux (および Mac OS X) のマルウェア対策エージェントを提供します。 もうレガシとは言わせない、世代 2 仮想マシンHyper-V の仮想マシンの仮想プロセッサは、Hyper-V ホストに搭載されたプロセッサ モデルと一致します。Windows Server 2012 の Hyper-V では、NUMA トポロジをゲスト OS に認識させ、複数のプロセッサと大容量のメモリを適切に割り当てることもできます。Hyper-V の仮想マシンは最新のプロセッサを搭載した NUMA システムと言えるでしょう。しかし、別の視点から見ると、極めてレガシな PC とも言えます。Intel 440BX マザーボードに、BIOS、PCI-ISA バス、IDE コントローラー、PS/2 マウス、PS/2 キーボード、S3 ビデオ、COM ポート、Intel (DEC) 21140 10/100TX Ethernet (レガシ ネットワーク アダプターの場合) を持つ、言ってみれば 1990 年代の PC です。USB ポートなんてありません。 Windows Server 2012 R2 の Hyper-V は、レガシなハードウェア要素を排除した世代 2 (Generation 2) の仮想マシンを提供します。互換性のために提供される従来タイプの仮想マシンは、世代 1 (Generation 1) と呼ばれ、仮想マシン作成時にどちらかを選択できます。世代 2 仮想マシンは、UEFI ベースのファームウェアを持ち、IDE コントローラーや PS/2、COM ポート、レガシ ネットワーク アダプターといったエミュレートされたデバイスを持ちません。主要なデバイスは仮想マシン バス (VMBus) に直接接続され、SCSI コントローラーまたはネットワーク アダプターから起動できます。また、Windows 8 以降の UEFI セキュア ブートをサポートします。なお、世代 2 仮想マシンは、64 ビット版の Windows 8 以降または Windows Server 2012 以降のみをゲスト OS としてサポートします。
仮想マシン接続のエクスペリエンス改善仮想マシン接続 (vmconnect.exe) は、Hyper-V の仮想マシンのコンソールに接続する標準のツールですが、このツールに機能不足を感じたことはないでしょうか。例えば、ホストとゲスト間でファイルをドラッグ アンド ドロップするという直感的な操作がなぜできないのかとは、誰もが思うことでしょう。大きなファイルをやり取りするために Hyper-V ホストに接続した USB メモリを仮想マシンに認識させることができれば便利ですが、これもできません。ちなみに、統合サービスには KVP データ交換サービスというものがありますが、これはホストとゲスト間で OS やネットワークの情報をやり取りするサービスであり、ホストとゲスト間のファイル転送やクリップ ボード共有をサポートするものではありません。 Windows Server 2012 R2 の仮想マシン接続では、クリップボードの共有がサポートされます。もっと言えば、スマート カードやオーディオ、フォルダー、USB デバイスのリダイレクトも可能になります。実は、これらの機能はリモート デスクトップ サービス (RDS) が実現するものです。新しい仮想マシン接続は、ゲスト OS のリモート デスクトップ サービスのコンポーネントと連携して、リモート デスクトップ サービスが備えるエクスペリエンス機能をサポートします。なお、リモート デスクトップ サービスを使用するといっても、仮想マシン バス (VMBus) を介して通信するため、仮想マシン側でネットワーク接続が有効である必要はありません。 ストレージのさらなる強化増え続けるデータを効率的に格納し、そのデータを障害やセキュリティ リスクから確実に保護することは、多くの企業や組織に共通の課題です。ストレージ ソリューションは、現代の企業や組織において、極めて重要なインフラストラクチャになりました。 Windows Server 2012 R2 のファイル サービスと記憶域サービスを使用すると、業界標準のハードウェアを使用して、エンタープライズ グレードの機能、パフォーマンス、可用性、そして管理性を兼ね備えたストレージ ソリューションを低コストで提供できます。 記憶域階層とライトバック キャッシュによる高速化記憶域スペースは、Windows Server 2012 に初めて実装されたディスク リソースのプール化機能です。記憶域スペースを使用すると、種類や容量の異なる複数の物理ディスクをまとめてプール化することができ、そのプールから領域を切り出して、仮想ディスク (仮想マシンの VHD や VHDX とは異なります) を作成できます。仮想ディスクはミラーまたはパリティ (シングル パリティ) のディスク レイアウトを構成することで可用性を高めることができ、シン プロビジョニングやデータ重複除去に対応しています。また、プールにはいつでも新しい物理ディスクを追加して容量を拡張でき、障害に備えてホット スペア用のディスクを確保しておくこともできます。 Windows Server 2012 R2 の記憶域スペースでは、従来のミラー、シングル パリティに加えて、デュアル パリティのオプションが追加されます。デュアル パリティは、パフォーマンスを維持しながら、耐障害性を高めます。また、記憶域スペースにライトバック キャッシュ (Write-Back Cache) と記憶域階層 (Storage Tier) の機能が追加されます。ライトバック キャッシュは、物理メモリを I/O キャッシュとして利用することで、読み取りと書き込みの両方の I/O を高速化します。記憶域階層は、頻繁にアクセスのあるデータ領域 (ホット領域) をプール内の高速な SSD (Solid State Disk) に、そうでないデータ領域 (コールド領域) をプール内のハード ディスクに自動的に再配置することで I/O を高速化します。これらの I/O パフォーマンス向上機能は同時に使用することができます。
スケールアウト ファイル サーバーの改善された負荷分散スケールアウト ファイル サーバーは、Windows Server 2012 からサポートされる、クラスター化されたファイル サーバーの新しい種類です。従来のクラスター化されたファイル サーバー (汎用ファイル サーバー) は、クラスターの 1 つのノードがファイル サービスを提供します。これに対して、スケールアウト ファイル サーバーはすべてのノードがファイル サービスを提供し、クライアント アクセスを負荷分散します。また、ノードに障害が発生しても、SMB 透過フェールオーバーの機能により、クライアントは SMB セッションを切断されることがなく別のノードを使用してアクセスを継続できます。スケールアウト ファイル サーバーは継続的なアクセスを必要とするアプリケーションのためのファイル サーバーであり、Hyper-V 仮想マシンのファイルの配置 (Hyper-V over SMB) や SQL Server データベースのファイルの配置 (SQL Server over SMB) に使用できます。 スケールアウト ファイル サーバーに対するクライアント アクセスの負荷分散は、DNS ラウンド ロビンによりノード単位で行われ、各ノードの実際の負荷に基づいた負荷分散やノード復旧時の自動フェールバックは考慮されていませんでした。Windows Server 2012 R2 のスケールアウト ファイル サーバーでは、クライアント アクセスの負荷分散がノード単位から共有ごとに変更され、さらに各ノードの負荷に基づいた、きめ細やかな負荷分散が行われるようになります。 負荷分散と可用性に優れたスケールアウト ファイル サーバーは、Hyper-V ベースのプライベート クラウドや VDI のストレージを低コストで構築するのに最適です。System Center 2012 R2 の Virtual Machine Manager は、従来の Hyper-V ホスト クラスターに加えて、スケールアウト ファイル サーバーをベアメタル展開で自動プロビジョニングする機能を提供します。 VDI でもデータ重複除去が可能にWindows Server 2012 では、サーバーの展開の簡素化、仮想デスクトップの自動プロビジョニングとパッチ管理、セッション ベースのデスクトップとの管理の統合など、リモート デスクトップ サービス (RDS) における VDI 機能が大幅に刷新され、導入と運用が簡単になりました。 前述したように、VDI 環境では適切なストレージ設計によりストレージ I/O の集中がボトルネックにならないようにすることが重要です。Windows Server 2012 R2 が提供する iSCSI ターゲット サーバーやスケールアウト ファイル サーバー (Hyper-V over SMB) を使用することで、標準的なハードウェアを使用して、低コストでストレージの課題を解決できます。 iSCSI ターゲットの仮想ハード ディスク、およびスケールアウト ファイル サーバーのためにクラスター共有ボリューム (CSV) は、記憶域スペースの仮想ディスク上に配置できるので、複数ディスクによる I/O の分散、記憶域階層による高速化、キャッシュによる I/O の高速化、SMB マルチチャンネルや SMB ダイレクトによる高速化が可能です。Windows Server 2012 R2 ではさらに、クラスターの共有ボリューム (CSV) やファイル サーバー上のオンラインの VHD/VHDX に対してもデータ重複除去が機能するようになりました。仮想デスクトップの VHD/VHDX ファイルはほぼ同一構成の Windows のイメージであり、データ重複除去による高い圧縮効果を期待できます。 業界標準のストレージからハイ エンドまで統合的に管理Windows Server 2012 R2 の強化された記憶域スペース、iSCSI ターゲット サーバー、スケールアウト ファイル サーバーにより、標準的なハードウェアを使用して、エンタープライズ グレードのストレージ ソリューションを構築できます。例えば、信頼性は劣るものの安価な物理ディスクを複数組み合わせて、あるいは JBOD (Just a Brunch Of Disks) と呼ばれる非 RAID ストレージを使用する場合でも、記憶域スペースでミラーやパリティによる可用性を追加し、物理メモリをキャッシュに割り当てて高パフォーマンスを提供できます。 Windows Server 2012 R2 はストレージ管理 API と iSCSI ターゲット用の SMI-S プロバイダーを提供し、単一の管理コンソールからのストレージの集中管理を可能にします。例えば、サーバー マネージャーを使用すると、複数のファイル サーバーの記憶域や共有を管理できるだけでなく、業界標準の SMI-S (Storage Management Initiative - Specification) 対応の SAN ストレージも管理できます。また、System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager を使用すると、SMI-S 対応の SAN ストレージや Windows Server 2012 R2 ベースの iSCSI ターゲット サーバーに対して記憶域リソースをプロビジョニングし、分類管理して、クラウドに提供できます。 クラウドへのオフサイト バックアップWindows Server 2012 R2 では、ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) 対応のローカル バックアップ ツールとして Windows Server バックアップを利用できます。複数サーバーへの対応や、テープ装置による長期アーカイブのためには、System Center 2012 R2 Data Protection Manager を利用できます。どちらを利用する場合でも、Windows Azure バックアップを使用した、信頼性の高いオフサイト データ保護に拡張できます。Windows Azure バックアップは、Windows Azure の復旧サービスの 1 つとして提供されるもので、現在、Windows Server 2012、Windows Server 2012 Essentials、および System Center 2012 SP1 Data Protection Manager を対象に、プレビュー版が提供されています。 System Center 2012 R2 で真のクラウド OS にWindows Server 2012 R2 は、System Center 2012 R2 と同時にリリースされる予定です。プライベート クラウド、サービス プロバイダー、Windows Azure などのパブリック クラウドに対して、Windows Server 2012 R2 がクラウドに必要なコア機能を提供し、System Center 2012 R2 がプロビジョニング機能、監視機能、および管理機能を提供して、すべてのクラウドで一貫性のあるエクスペリエンスと、相互接続によるハイブリッドな利用環境を実現します。 オープンな Web プラットフォームインターネット インフォメーション サービス (IIS) 8 は、オンプレミスとクラウドの両方に、スケーラビリティ、伸縮性、オープン性、パフォーマンスを兼ね備えた、一貫性のある Web およびアプリケーション プラットフォームを提供します。ご存知のように IIS 8 は ASP.NET アプリケーションのプラットフォームですが、一方でオープンなフレームワークやオープン ソース アプリケーションへの対応にも積極的です。開発者は、.NET だけでなく、PHP や Node.js、Python など使い慣れた言語でアプリケーション開発を行えます。また、IIS と統合された Web Platform Installer (Web PI) や WebMatrix のテクノロジを使用して、開発環境やオープン ソース アプリケーションを IIS 8 に簡単に導入することができます。 IIS 8 では、マルチテナント対応が強化されました。Web サーバー ファームでは、Centralized Certificates (SSL 証明書の集中管理) を使用することで、SSL 証明書を集中的に管理できます。また、SSL/TLS 標準の拡張機能である Server Name Indication (SNI、サーバー名表示) がサポートされたことにより、単一の IP アドレスとポートを持つサーバー/サーバー ファームで複数のサイトをホストし、サイトへの SSL アクセスを FQDN によって振り分けることができます。IIS CPU Throttling を使用すると、各テナントのサイトに対してアプリケーション プールが消費するプロセッサ使用率の上限を強制できます。これにより、マルチテナントのホスティング環境において、テナントごとに異なる SLA に基づいたパフォーマンスを提供することができます。 IIS 8 のこれらの機能は、既に Windows Server 2012 ベースの IIS 8 Web サイト、および Windows Azure Web サイトや Windows Azure 仮想マシン (IaaS) で利用できるようになっています。 オンプレミスやパブリック クラウド上で稼働する Web サイトやアプリケーションは、Operations Manager のアプリケーション パフォーマンス監視 (APM) や Management Pack for Windows Azure Fabric (現在、プレビュー版) を使用して詳細に監視できます。現行の System Center 2012 SP1 は .NET アプリケーションの詳細な監視に対応していますが、System Center 2012 R2 では Java アプリケーションの詳細な監視も可能になります。また、2013 年 3 月 28 日より利用可能になった System Center Global Service Monitor (GSM) を使用すると、Windows Azure の世界中の拠点からアプリケーションを監視させ、Operations Manager のコンソールから可用性やパフォーマンスを監視できます。Global Service Monitor (GSM) は、Visual Studio Web テストを代理実行させてテスト結果を得るために利用することもできます。 ゼロ ダウンタイムのアップグレードWindows Server 2012 R2 では、Windows Server 2012 の Hyper-V ホストから Windows Server 2012 R2 の Hyper-V ホストに対するクロス バージョン ライブ マイグレーションがサポートされます。 System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager は、Windows Server 2012 R2 Hyper-V の機能の大部分をサポートし、Hyper-V ホストのベアメタル展開や Hyper-V ホスト クラスターへの追加、クロス バージョン ライブ マイグレーションにも対応します。これらの機能を利用することで、現在稼動中の仮想マシンをまったく停止することなく、Windows Server 2012 ベースの仮想化インフラストラクチャを次期バージョンに段階的にアップグレードすることが可能です。 これからプライベート クラウドの構築を計画しているなら、Windows Server 2012 R2 を待つ必要は決してありません。いま、Windows Server 2012 ベースでクラウドの構築を進めたとしても、クラウド上のサービスを停止することなく、Windows Server 2012 R2 の最新環境に移行することができます。 コストをかけずにディザスター リカバリWindows Server 2012 で登場した Hyper-V レプリカは、オフサイトのデータセンターを利用したディザスター リカバリ環境を、OS 標準の機能だけで低コストで構築できる画期的なソリューションです。Windows Server 2012 の Hyper-V レプリカは、仮想マシンのレプリカをリモート サイトの Hyper-V ホストに作成し、仮想ハード ディスクの内容を 5 分間隔でレプリケーションして同期するものでした。プライマリ仮想マシンが利用できなくなった場合は、リモート サイトのレプリカにフェールオーバーして起動することで、最後に同期された仮想ハード ディスクを使用して迅速に仮想マシンを再開することができます。Windows Server 2012 R2 では、レプリケーション間隔を 30 秒、5 分、15 分から選択できるようになります。また、既に作成されたレプリカを、さらに別のリモート サイトの Hyper-V ホストにレプリケーションする、レプリケーションの拡張 (Extend Replication) がサポートされます。 Hyper-V レプリカの標準機能では、Hyper-V ホスト間、または Hyper-V ホスト クラスター間で Hyper-V レプリカを構成し、障害時またはメンテナンス時にはマニュアルによるフェールオーバー操作が必要です。Windows Azure で現在、プレビュー提供されている Windows Azure Hyper-V Recovery Manager を利用すると、Hyper-V レプリカをプライベート クラウドに実装し、Windows Azure の管理ポータルから管理することができます。Windows Azure Hyper-V Recovery Manager は、Virtual Machine Manager で管理される複数のプライベート クラウドのサイト間で、レプリケーションを調整します。プライマリ サイトで停電が発生した場合、事前に定義した復旧プランに従って、レプリカ仮想マシンのフェールオーバーや復旧スクリプトを自動実行して、セカンダリ サイトでサービスを再開できます。 ビルトインの SDN 機能でクロス プレミス接続Windows Server 2012 の Hyper-V には、Hyper-V ネットワーク仮想化と呼ばれる NVGRE 対応の SDN (Software Defined Network) 機能が実装されました。System Center 2012 SP1 の Virtual Machine Manager を使用すると、物理的なネットワーク トポロジに依存することなく、Hyper-V ネットワーク仮想化の機能を用いてテナント専用の仮想ネットワークを作成できます。仮想ネットワークを利用する各テナントは、他のテナントとの重複を気にすることなく、自由な IP アドレス体系を使用できます。 Windows Server 2012 R2 および System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager では、テナントの仮想ネットワークをオンプレミスと相互接続する、VPN/NAT ゲートウェイ機能が強化されます。Virtual Machine Manager では、Windows Server 2012 R2 のリモート アクセス サービスを使用した Windows Server Gateway を新たにサポートし、テナントの仮想ネットワークとオンプレミスをサイト間接続する VPN や、仮想ネットワークをインターネットに接続する NAT ゲートウェイとして割り当てることができます。現行バージョンでは、Virtual Machine Manager に対応したサード パーティのゲートウェイ デバイスを用意し、1 つの仮想ネットワークに 1 つのゲートウェイを割り当てる必要があります。これに対して、新しい Windows Server 2012 R2 ベースの VPN/NAT ゲートウェイはマルチテナントに対応でき、1 つのゲートウェイで複数の仮想ネットワークをサポートできます。また、クラウドの仮想ネットワークに接続するオンプレミス側でも、専用の VPN デバイスの他、Windows Server 2012 R2 のリモート アクセス サービスを使用してサイト間接続できます。 Windows Azure の仮想ネットワーク機能もまた、同様のテクノロジに基づいており、オンプレミスのネットワーク、プライベート クラウド、サービス プロバイダー、パブリック クラウドを柔軟に相互接続できます。Windows Server 2012 R2 の IPAM (IP アドレス管理) を使用すると、クロス プレミス環境における仮想 IP アドレス空間を統合管理できます。System Center 2012 R2 の App Controller を使用すると、仮想マシンやサービスを変換することなく、オンプレミスからクラウドへ、あるいはクラウドからオンプレミスへと最適な場所に配置することができます。 Windows Azure のポータル機能をプライベート クラウドでマイクロソフトは、Windows Server 2012 R2 および System Center 2012 R2 ベースのプライベート クラウドやサービス プロバイダーのクラウドに対して Windows Azure Pack を無償提供します。Windows Azure Pack は、現在提供中の Windows Azure Services for Windows Server の後継となるものであり、Windows Platform Installer (PI) を通じて提供される予定です。 Windows Azure Pack は、System Center 2012 R2 Orchestrator のコンポーネントである Service Provider Foundation (SPF) を介して、System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager で管理されるクラウドにセルフサービス管理ポータルを追加します。管理ポータルからは、Windows Azure と同様のエクスペリエンスで、Web サイト、SQL Server データベース、MySQL データベースをセルフサービスで簡単に作成できます。また、Windows Azure 仮想マシンと同様のエクスペリエンスで、希望するサイズの仮想マシンを作成したり、ギャラリーからテンプレート (Windows Server だけでなく Linux にも対応) を選択して仮想マシンを作成したりできます。この他に新機能として、セルフサービスによる仮想ネットワークの作成とサイト ツー サイトの VPN 接続や、Windows PowerShell のコードで Runbook を記述してスケジュール実行させるオートメーション機能、リソース使用量に基づいたチャージバック (課金) 機能の統合が提供されます。
(記事: MVP 山内和朗) | フォーラムの最近の投稿: 全般Windows Server 2012 R2、ココに注目!! | TechNet
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