福島のニュース

東電初参加の住民説明会、会場閑散 南相馬

閑散とした午前の部の住民説明会

 南相馬市と市議会は7日、東京電力を出席させた福島第1原発事故に関する住民説明会を市民文化会館で開いた。住民の参加は低調で、午前の部は会場の1割強の約140人しか集まらなかった。国や東電に住民要求を突きつける場だったが、会場から「逆効果だ」との声も出た。
 東電参加の住民説明会は初めて。主に賠償問題をテーマとし、経済産業、文部科学両省の担当者も同席した。避難指示が続く原発20キロ圏内の旧警戒区域の市民を午後の部、それ以外を午前の部に分け、計2回開催した。
 午前の部は9時半に始まったが、約1100人を収容できる会場は閑散としたまま。市が慌てて防災メールなどで呼び掛け、午後の部は約360人が集まった。
 午前の部に参加した原町区の主婦(65)は「近所の人に参加を呼び掛けたが、ほとんど断られた」と明かし、「既に精神的被害への賠償が打ち切られている20キロ圏外の住民には東電や行政への不信が強く、あきらめ感が出ている」と不参加の理由を代弁した。
 20キロ圏内を対象とした午後の部では「(カーナビの費用など)20キロ圏外の知人が認められた補償をもらっていない」といった不満の声が出るなど、住民が一枚岩ではない状況も浮き彫りにした。
 会場で、市と市議会は県内原発の廃炉や補償格差の是正を求める要求書を東電と国に出した。参加者からは「人数が少なく、逆に東電に足元を見られた」との声も上がり、市幹部も「予想外の少なさだった」と肩を落とした。
 桜井勝延市長は「特に午前の部は少なかったと思う。ただ、そのことで事態が変わるわけではない」と話した。


2013年07月08日月曜日


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