大会名誉会長の長嶋茂雄氏(左)から優勝トロフィーを贈られる薗田峻輔=ザ・ノースカントリーGCで
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◇長嶋茂雄招待セガサミーC<最終日>
▽7日、北海道、ザ・ノースカントリーGC(7096ヤード、パー72)▽晴れ、気温27・8度、風速3・8メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽80選手▽観衆5378人
薗田が逃げ切った! 前日コースレコードの61をマークし単独首位から最終ラウンドをスタートした薗田峻輔(23)が6バーディー、1ボギーの67で回り、大会新記録の通算20アンダーで3年ぶりに優勝した。ツアー通算2勝目で、これまでの大会記録を1打更新した。11位から発進した“怪物ルーキー”松山英樹(21)=東北福祉大=は66と追い上げたが、通算16アンダーの4位タイに終わり、最速での生涯獲得賞金1億円突破は次戦以降に持ち越された。
盤石だった。2位に2打差をつけてスタートした最終ラウンド。前半で4バーディー奪取。後半も2バーディー、1ボギー。最終18番でウイニングパットを沈めると、薗田は右拳を何度も突き上げた。
「頭の中が真っ白。ここまで早く(膝のケガから)復帰して勝てると思わなかった」
1月のトレーニング中に左膝内側半月板を損傷し、2月に手術。その後リハビリとトレーニングを重ね、苦境を乗り越えて、復帰4試合目での優勝。「いろんなところに染みます。うれしいのひと言です。ちゃんとゴルフができているという実感もある」。
ツアー初Vから3年ぶりの2勝目。「何度か優勝争いができたし、それがきょうに生きました。いろんな経験をさせてもらって今があると思う」と振り返った。
前日はコースレコード更新の快スコア。しかし“最終日にいいスコアが出ないんじゃないか”との不安もあった。それを払拭(ふっしょく)するために、前夜(6日)はジュニア時代からのライバルであり友人の小平智らと「寝る寸前までみんなでワイワイやっていた。新しい気持ちでいきたかったし、きょうも緊張しないムードをつくっていた」という。
3年前から米大リーグ、レンジャーズのダルビッシュ有投手と親交がある。同じトレーニングジムを使っている“ジム友”で、今年4月のアストロズ戦で完全試合を逃した一戦を、薗田は現地で観戦している。そのダルビッシュがツイッターで「祝優勝」と祝福。
ホールアウト後に長嶋茂雄大会名誉会長からも祝福された薗田は「2010年のプレーオフ(負け)を覚えていてくださっていて…。“まだまだ試合があるからこの先も頑張って”と言われました。チャンスがあるので、年間複数優勝したい。今後の自分にもっともっと期待したい」。久々の勝利で、薗田は大きな手応えをつかんだ。 (櫛谷和夫)
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