米国:アシアナ機事故 「後部キッチン消えた」 死亡の2人、衝撃で外へ

毎日新聞 2013年07月08日 東京朝刊

 【サンフランシスコ堀山明子、上海・隅俊之、北京・工藤哲】米西部カリフォルニア州・サンフランシスコ国際空港で6日に起きた韓国アシアナ航空機事故。滑走路脇に横たわる機体前方の天井は焼け落ち、尾翼部分は失われた。損傷の大きさにもかかわらず、307人の乗員乗客のうち死者は中国人の女子高生2人にとどまった。生死を分けたのは何だったのか。証言などから、座席の位置や乗客の協力が深く関わっていたことが浮かび上がった。

 ◇機首上げ直後、大きな音

 「機体が停止した後、振り向くと後部に丸い大きな穴が開き、キッチン部分がなくなっていた」。事故機に乗っていた中国人乗客の一人は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」にこう書き込んだ。米メディアによると、死亡した2人の中国人女子高生は後部座席に座っていた。2人は機外で発見されており、着陸の衝撃で損傷した後部から機外に投げ出されたとみられる。

 微博に書き込んだ中国人乗客は、妻と子供とともに穴が開いた後部から脱出した。女子高生が投げ出された損傷部分が逆に、脱出口になった形だ。

 一方、着陸直後、機内には煙が広がり一時、パニックに陥る乗客もいた。「ものすごい衝撃で上からすべての物が落ちてきた。もう終わりだと思った」と中学校教師、張愛清さんは国営中国中央テレビ(CCTV)に語った。天井に穴が開いた部分に乗っていたという別の若い男性は「機体の天井が崩れ落ちて多くの乗客に降りかかった。それで多くの人が負傷した」と語った。

 米メディアによると、混乱する機内では乗客が協力して脱出したという。事故機が停止後、1〜2分で脱出用の滑り台状のシューターが用意された。乗客らは協力して非常口を開け、シューターを用意して次々と脱出した。中にはシューターを使わずに飛び降りた人もいた。事故直後の乗客のとっさの行動が人的被害の拡大を防いだ形となった。

 また、着陸前後の機体の動きについて、微博に書き込んだ中国人乗客は「(着地時に)機体後部で大きな音がした」と伝えた。事故機は着陸時の高度が通常より低く、機体が落下したように感じた直後に突然パワーを上げ、機首を上げた。直後に後部で大きな音が響き「酸素マスクが下りてきて、焦げたにおいがした」という。

 米メディアに対し、航空専門家は「目的地に到着時の事故で燃料の大半を消費していたので、大きな火災につながらなかったのも幸いした」と語った。

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