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【プロ野球】

中井 決勝2ラン 寝坊遅刻で2軍落ち挽回

2013年7月8日 紙面から

◇巨人2−0DeNA

巨人−DeNA お立ち台でポーズを決める杉内(右)と中井=東京ドームで(沢田将人撮影)

写真

 巨人が4回に中井の左越え2号2ランで挙げた得点を守りきった。杉内は緩急を駆使し、8イニング2安打無失点で7勝目を挙げた。9回は山口が締めて3セーブ目。DeNAは三浦が7イニング2失点と好投したが、打線が援護できなかった。

      ◇

 背番号61がついに覚せいした。巨人・中井が一振りでチームを勝利に導いた。4回2死二塁でDeNA・三浦のフォークを強振。高く舞い上がった打球は数秒後、左翼ポールを直撃した。先制かつ決勝の2号2ランだ。

 「飛んだ方向が飛んだ方向だったので、『切れないでくれ』と思いました」。当然、中井の顔には笑みが浮かぶ。この日は1番で5打数3安打の固め打ち。「チームに貢献できてうれしい」。声は弾みっぱなしだった。

 三重・宇治山田商から入団して6年目。今季は失態でどん底へ突き落とされた。6月11日の全体練習に寝坊し、1時間も遅刻。懲罰降格を即刻言い渡された。その日の記憶は苦いばかり。自宅で「寝るのが怖い…」と悩み、2日ほどは1軍戦を見る気力が出なかった。

 しかし、父親の美明さんから「事の重大さに気付いたか」と叱られた中井は思い直した。挽回の方法は結果を残すことのみ。そう思うと「過ぎたことは仕方がない」と気が楽になった。2軍ではコンパクトなスイングへの改造に取り組んだ。

 その結果は出た。6月26日の広島戦(マツダ)で1軍に戻った後は28打数13安打。出場した7試合ではすべて安打を放っている。あの日は冷淡だった原監督も今は違う。積極的な姿勢に「ここのところ、ハツラツと戦っている」と目を細めた。

 この日の入場曲はSPEEDの「Wake Me Up!」にSMAPの「ダイナマイト」。チームを目覚めさせ、打棒を爆発させた男には最適だ。「やっていける手応えを感じている」と語るGのナカイ君。いまや、新1番の風格が漂っている。 

  (川越亮太)

 

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