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【大相撲】

稀勢 白星発進 豪風の突っかけにも動じず

2013年7月8日 紙面から

◇名古屋場所<初日>

(7日・愛知県体育館)

 初の綱とりに挑む大関稀勢の里(27)=鳴戸=が豪風を押し出して白星発進した。白鵬は時天空を難なく寄り切り、日馬富士は松鳳山を上手出し投げで下した。琴奨菊と琴欧洲は白星スタートを切ったが、鶴竜は栃煌山に防戦一方となり黒星。八百長をめぐる裁判で、解雇無効の判決を勝ち取って2年半ぶりに復帰した中国出身の蒼国来(29)=荒汐=は新入幕の徳勝龍に押し出された。新十両の大砂嵐(21)=大嶽=は白星スタート。

 綱とりへ、独特の緊張感が高まる初日の一番。「キセノサトー!」「キセノサトー!」。愛知県体育館にコールが連呼される中、稀勢の里が土俵に上がった。

 立ち合い、豪風との呼吸が合わない。2回突っかけられたが「慌てる必要はない」と動じない。右の張り差しと左おっつけで相手の勢いを止め、体を密着させながらじわじわ前進。最後は右で抱えて押し出し、白星スタートを飾った。

 この日朝「緊張しないと言えばうそになる」と揺れる胸中を明かした。いやが応にも肩に力の入る稀勢の里をほぐしたのは2階席に陣取ったオレンジ色の集団。故郷、茨城県牛久市からバスで約6時間かけて名古屋に駆けつけた後援会のメンバー30人が発するコールに名古屋のファンも拍手で呼応。「しっかり聞こえました。わざわざ遠くから来てもらってありがたいです」と感謝した。

 昇進ノルマを「13勝以上の優勝」と掲げている北の湖理事長(元横綱)は「大事にいこうと、ちょっと緊張していたね。でも1勝してだいぶ気持ちが違ってくるはず」と話し「初日、2日目を乗り切ればあとは自然と体が動いてくるでしょう」と激励した。

 綱とり、そして初優勝へ1勝の重み。それを痛感しているからこそ初日の白星にも「ホッとしたというより、また明日集中すること。一日、一日の積み重ねですから」と気を引き締める。

 出稽古で痛めた右足の付け根は「もう万全の状態」と徐々に快方に向かっている。七夕の夜に何か願いをかけるかと報道陣に問われ「かなうものならいくらでも願いますよ」と笑った稀勢の里。もちろん、心の中で「横綱昇進」を祈ったのは言うまでもない。 (竹尾和久)

 

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