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農業政策―ばらまき合戦はやめよ

高齢化、後継者の不足、増え続ける耕作放棄地……。課題が山積みの農業をどう立て直していくか。日本が近く交渉に加わる環太平洋経済連携協定(TPP)では、関税の大幅削減・撤廃[記事全文]

米盗聴疑惑―同盟の信義にかかわる

米国の情報機関が、欧州や日本など米国の同盟国に対しても盗聴や監視をしている。そんな疑惑が深まっている。英紙に暴露したのは、亡命先をもとめてロシアに滞在している米国家安全[記事全文]

農業政策―ばらまき合戦はやめよ

 高齢化、後継者の不足、増え続ける耕作放棄地……。

 課題が山積みの農業をどう立て直していくか。日本が近く交渉に加わる環太平洋経済連携協定(TPP)では、関税の大幅削減・撤廃がテーマになる。その成否がどうあれ、抜本的な改革は不可欠だ。

 焦点は、関係者が多く、広い農地を使う「土地利用型」の農業だろう。コメや麦など、高い関税で守ってきた品目だ。食料自給率を左右し、集落や環境の維持にもかかわる。

 農業政策には二つの側面がある。大規模化などでコスト削減を追求する産業政策と、集落維持などの機能に注目して予算を投じる社会政策だ。

 限られた財源を有効に使うには、目的がどちらなのか、はっきりさせた上で対策を講じることが欠かせない。

 ところが、参院選での各党の公約をみると、目的をごっちゃにしたまま予算だけ増やそうという主張が目立つ。

 代表例は、民主党政権が始めた戸別所得補償制度(いまの名称は経営所得安定対策)をめぐる主張である。

 自民党は、民主党の戸別所得補償を「ばらまきだ」と批判してきた。ところが、それを「日本型直接支払制度」に発展させるという。平野部か山間部か、作物が何かにかかわらず、農地として利用していれば現金を給付するという内容だ。

 自民党政権は00年度、農業に不利な中山間地域に限った支払制度を設けた。農業を一定期間続けることなどを条件に現金を渡す仕組みで、集落や水源の維持を促す社会政策の性格が強い。この考え方を平野部にも広げるつもりらしい。

 ばらまき政策、極まれりである。政府は最近、農地を農家から借りて集約し、企業などに貸し出すために、都道府県ごとに「農地中間管理機構」を置く計画をまとめた。平野部では、こうした産業政策を軸に、規制や税制で後押しすることを考えるべきではないか。

 「直接支払いの拡充」を掲げる公明党、畜産・酪農分野での所得補償制度の導入検討をうたう民主党も含めて、再考を求めたい。

 農業では、農協のあり方やコメの減反見直しなど、長年の構造問題も横たわる。

 みんなの党と日本維新の会は、これらに風穴を開けると唱えるが、「既得権層と闘う」姿勢を強調するだけでは物足りない。農業の競争力強化にどうつなげるのか、具体論と改革の全体像を聞かせてほしい。

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米盗聴疑惑―同盟の信義にかかわる

 米国の情報機関が、欧州や日本など米国の同盟国に対しても盗聴や監視をしている。そんな疑惑が深まっている。

 英紙に暴露したのは、亡命先をもとめてロシアに滞在している米国家安全保障局(NSA)の元外部契約職員だ。

 ワシントンなどで欧州連合(EU)代表部や各国大使館に盗聴器をしかけ、特別なアンテナもつかい、通信情報を集めているという。「標的」には日本大使館も含まれている。

 この報道後、オバマ米大統領は「我々だけでなく、情報機関のある国はどこもやっている」と述べ、否定しなかった。外交に諜報(ちょうほう)活動はつきものだとしても、同盟相手としては信義則違反といわざるをえない。

 欧州の首脳らは批判を強めている。オランド仏大統領は「到底容認できない」と、ただちに盗聴をやめるよう求めた。

 テロ計画の阻止を目的に掲げたからといって、どんな手段でも許されるわけではない。同盟国に対しては、必要があれば協力を求めるのが筋だろう。

 オバマ氏は「同盟国が求めるすべての情報を提供する」と約束した。そこを信頼回復の一歩にするしかあるまい。

 そもそも諜報はテロ対策だけが目的ではない。冷戦後、共産国を探る任務が薄れた米中央情報局(CIA)は、産業経済のスパイ活動にも力を入れた。

 95年の日米自動車交渉では、日本政府高官の電話がCIAに盗聴された疑惑が浮かんだ。今から日本が加わる環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉でも疑心暗鬼にならざるをえない。

 同盟は必ずしも絶対の信頼関係を保証しない。そんな現実を日本も見据える必要がある。

 隠密の諜報活動には、プライバシー侵害の恐れだけでなく、発覚すれば外交問題の負債となるリスクがつきまとう。

 「中国が米政府のハッキングの標的となっている」。そんな元職員の指摘によって、サイバー攻撃の問題について米国は注文をつけにくい立場に陥った。

 これでは、自由主義のリーダーを自任してきた米国の正当性がゆらぎかねない。

 民主主義社会における政府組織は、世論の理解があって初めて成り立つ。それは国際社会でも同じだ。情報機関の問題が暴露されれば、その国への信頼感がゆらぎ、国益を損なう。

 特に、大国である米国には重い説明責任がある。少なくとも米議会や司法によるチェック機能を強め、同盟国にはできる限り情報を開示して、信頼を裏切らぬよう願いたい。

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