「ND(不検出)」の考え方

健康安全研究センターで測定している蛇口からの水道水、降下物に関する「ND(不検出)」の考え方

現在の測定状況においては、水道水は測定値が概ね0.2Bq/kg未満の場合に「ND(不検出)」と表示します。

また、降下物は、降水の有無等によって影響を受けるため、水道水に比べて測定値や測定誤差の変動が大きくなります。 現在の測定状況においては、測定値が雨の影響が無い場合で概ね3Bq/m2未満、雨の影響がある場合で概ね50Bq/m2未満の場合は「ND(不検出)」と表示します。

健康安全研究センターでは、文部科学省で定めた測定方法に基づき測定を行っています。

測定には測定誤差があります。測定値がその測定誤差の3倍より小さい値の場合には、結果を数値として示すと正確さを欠く可能性があるため、 「ND(不検出)」と表示することになっています(ND:Not Detected)。

降下物の場合も、同じ考え方になります。

測定値、測定誤差と結果の表示の例(水道水の場合単位はBq/kg)

測定値 測定誤差 測定誤差の3倍との比較 結果の表示
(例1) 100 ±5 100>15 100
(例2) 1.5 ±0.2 1.5>0.6 1.5
(例3) 0.04 ±0.02 0.04<0.06 ND(不検出)

上の表で、例1の場合、測定値が100、測定誤差が5という結果が出ました。この場合は、測定誤差の5の3倍が15です。 測定値100は15より大きな値であり、正確な値として、そのまま100と表示します。

例2の場合も、同様に測定値の1.5は測定誤差0.2の3倍である0.6よりも大きい値であり、正確な値として1.5と表示します。

例3の場合は、測定値が0.04、測定誤差が0.02であり、測定誤差の3倍は0.06になります。 測定値の0.04は測定誤差の3倍の値0.06より小さな値ですので、そのまま数値を表示すると正確さを欠く可能性があり、「ND(不検出)」と表示します。