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国際
【鼓動】韓国「保守派教科書」左派は警戒 歴史認識新たな潮流
多面的記述目指す
関係者によると、教学社版では日本統治時代について、これまでのように「過酷な植民地政策と、支配への果敢な抵抗」を前面に押し出した歴史認識を排し、当時を生きた大多数の韓国人の実際の暮らしや努力、成果なども多面的に盛り込んだものになっているという。
また、日本支配から脱した後の現代史についても、“(李承晩(イ・スンマン)、朴正煕(パク・チョンヒ)両元大統領による)独裁と対決した反独裁勢力による民主化闘争史”など、政治史中心の記述に変更が加えられ、経済や文化の発展や国際化、国民生活の変化などにも光を当てる。多様で幅広い視点からみた記述が大幅に増加するという。
保守派を中心とする歴史認識の見直しの動きは、左派系学者の影響が強い教育現場の現状に対する「歴史学」への憂慮がある。2011年から高校の教育現場で使用されている韓国史の教科書をめぐっても、保守陣営やメディアは「親北朝鮮的な記述だ」として具体的に問題点を指摘してきた(表参照)。
教学社の教科書の記述内容が最終確定するのは8月で、それまでは全貌はうかがい知れない。「韓国自身の歴史に関する認識を立て直す」と勢いづく保守派に、左派勢力は「歴史観の破壊は許さない」と危機感を募らせているのだ。
歴史研究の民主化
韓国では、朝鮮半島における民族的に正統な政権は北朝鮮だとする勢力がいまなお優勢だ。教育関係者によると、この勢力は中学、高校の教師の間に深く根ざしており、「ただでさえ左派的な教科書の内容を踏み越え、生徒に『朝鮮戦争の発端は米帝国主義に追従した南(韓国)政権の北朝鮮への侵略にある』などと、平気で発言する」という。
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