世界的な金融危機で欧米の銀行の経営に陰りが見え始め、日本と中国の銀行がアジアだけでなく、アフリカにまで「金融領土」を拡大している。これに対し、韓国の銀行はいまだに足踏み状態だ。
世界的な金融専門誌『バンカー』が1日に発表した世界1000大銀行ランキングで、韓国の銀行はようやく60位台に食い込んだ。最高順位はKB金融持株の68位で、企業銀行などは100位以下だった。
一方、中国最大の国営銀行、中国工商銀行(ICBC)が自己資本の基本的項目ベースで過去3年間トップだったバンク・オブ・アメリカを抜き、世界1位となった。自己資本の基本的項目ベースは、総資本から劣後債などの負債性資本を差し引いた実質的な自己資本を指す。
バンカー誌のブライアン・カプラン編集長は「中国の銀行がついに欧米の銀行を抜き去った」と述べた。
日本も三菱UFJフィナンシャル・グループが7位の座を守り、三井住友フィナンシャルグループとみずほフィナンシャルグループが16、17位、農林中央金庫が25位に入った。中国と日本の銀行は順位が上昇するか横ばいで、世界の金融業界での存在感を保った。
韓国の銀行も2010年以降、順位がじわじわ上昇しているが、50位以内に食い込むのは難しい状況だ。飽和状態となっている国内市場で、預貸マージンを主な収益源としており、どんぐりの背比べ的な競争をしていることに加え、海外進出でも成果を挙げられずにいる。