旅客機着陸失敗 2人死亡182人搬送7月7日 10時35分
アメリカ・サンフランシスコの国際空港で日本時間の7日朝、乗客乗員300人余りが乗った韓国のアシアナ航空の旅客機が着陸に失敗して炎上し、これまでに2人が死亡、182人が病院に運ばれ、日本人男性1人もけがをしました。
サンフランシスコ国際空港で現地時間の6日午前11時半ごろ、日本時間の7日午前3時半ごろ、韓国のインチョン発のアシアナ航空のボーイング777型機が着陸に失敗し、炎上しました。
アシアナ航空によりますと、旅客機には日本人1人を含む乗客291人、乗員16人の合わせて307人が乗っており、その多くが着陸後、機内から脱出したということです。
地元の消防当局は、この事故でこれまでに2人が死亡し、182人がけがをするなどして病院に運ばれたと発表しました。
サンフランシスコの日本総領事館などによりますと、乗っていた日本人は男性で、胸などを打って軽いけがをしたということです。
乗客の韓国人男性は、韓国KBSテレビのインタビューに対し、「着陸を知らせる機内放送があったあと、突然、大きな衝撃があって機体が横滑りし、機内から煙が出た。『飛行機から脱出せよ』と乗務員から指示があったので脱出した」と話していました。
韓国の国土交通省は、事故の状況について、旅客機が着陸する際、機体の後部が滑走路に衝突したとしており、アメリカのNTSB=国家運輸安全委員会と、FAA=連邦航空局は調査官を派遣して事故の原因を調べることにしています。
アシアナ航空が対策チーム派遣へ
着陸に失敗した旅客機を運航していた韓国のアシアナ航空は、これまでのところ、乗客・乗員の詳しい状況は把握できていないとしており、7日午後、特別機を出して20人余りの対策チームを派遣するほか、現地入りを希望する乗客の家族も一緒に向かうことにしています。
アシアナ航空によりますと、旅客機には、乗客291人、乗員16人の合わせて307人が搭乗しており、このうち乗客には日本人1人が含まれていたほか、韓国人77人、中国人141人、アメリカ人61人が乗っていたということです。
アシアナ航空では、ソウルの本社に事故対策本部を設置して情報収集にあたっていますが、これまでのところ乗客・乗員の詳しい状況は把握できていないとしています。
アシアナ航空では、7日午後1時にインチョン空港から特別機を出すことにしていて、20人余りの社員からなる対策チームを現地に派遣するほか、希望する乗客の家族もこの特別機で向かうことにしています。
一方、韓国の国土交通省は事故の状況について、着陸の際、旅客機の機体の後部が滑走路に衝突したとしており、航空事故調査委員会の調査官ら合わせて6人を現地に派遣し、アメリカの航空当局と連携して事故の詳しい原因などを確認することにしています。
777型機過去の事故
事故を起こしたボーイング777型機は、長距離の飛行が可能な双発のジェット機で、全日空や日本航空など、世界の60の航空会社が主に国際線で使用しています。
ボーイング社によりますと、777型機は、1995年の就航以来、合わせて1113機がすでに納入され、すべての機体をあわせた飛行時間は、1800万時間を超えていて、故障や不具合などのトラブルは少ないとしています。
また、これまで死亡事故を起こしたことがなく、ボーイング社は、自社のホームページで、最も信頼性の高い機体の1つだとアピールしています。
しかし、2008年1月には、ブリティッシュ・エアウェイズの777型機がロンドンのヒースロー空港で滑走路の手前に不時着して機体を大きく損傷する事故があり、このときは1人が足の骨を折る大けがをしています。
ロンドンでの事故の原因について、イギリスの事故調査機関は、エンジンに燃料を供給するシステムが凍結したことで着陸を前にエンジンの推力が低下して機体が失速したことを挙げています。
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