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原発の大敵クラゲ対策強化検討へ 大飯3号機運転にも影響

(2012年7月9日午後6時43分)

 関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町)は9日未明、フル稼働に入ったが、直前には海水の取水口付近に大量のクラゲが押し寄せ、取水量を絞り込んで出力が若干低下。一時は予定通りフル稼働に移れるかが危ぶまれた。過去には原発のほか火力発電所でもクラゲが運転に影響を与えており、関電は電力需要が高まるとともに出現する“夏の難敵”への対策強化を検討するという。

 関電によると、8日午後、タービンを回した蒸気を冷やすための海水を取り込む取水口近くに大量のクラゲが流入した。異物を除去する装置で処理したが追い付かず、取水口がクラゲでふさがれないように取水量を抑制した。その結果、100%の118万キロワットを保っていた電気出力は116万キロワットに下がった。

 クラゲは6月ごろから確認されており、この日は幅約100メートルの取水路一面をほぼ埋め尽くす状態になったという。

 若狭湾にある関電の3原発付近では毎年6〜8月ごろにクラゲが発生。沖に防止網を設けるなど対策をとっている。取水量を絞るケースも少なくないが、出力低下につながることはまれで、近年では2005年10月に営業運転中の大飯2号機で起きて以来となる。

 今夏の電力供給の大部分を担う火力では6月までに、南港(大阪市)と姫路第2(兵庫県姫路市)の両発電所が出力低下を余儀なくされ、関係者を冷や冷やさせた。

 関電は、大飯3、4号機の取水量が仮に半減しても70%の出力は確保できるとしている。ただ、電力需給が厳しい状況に変わりはなく、豊松秀己副社長は9日、記者団に「クラゲの発生が変則的になっている。地球温暖化のせいかもしれないが、今後はより多く来るという前提で対策を深めたい」と述べた。

 

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