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日韓ドラマ基金が発足

アジア向け共同制作支援

基金発足の記者会見で、ドラマ制作の国際協力を誓い合ったACCの出口孝臣社長(右)とイルシン創業投資のコ・ジョンソク社長
 アジア市場に向けたドラマ制作を支援する初の日韓共同基金「イルシン・ニュー・コリアン・ウエーブ・ファンド」が発足した。(旗本浩二)

 韓流ドラマ人気を背景に、共同制作を通じ、連続ドラマ制作を目指す。基金設立の背景を探った。

 基金は韓国の投資会社「イルシン創業投資」と日本の番組制作会社「アジア・コンテンツ・センター(ACC)」が中心となって設立した。ACCは、TBSで6月まで放送されていた「メリは外泊中」やNHKBSプレミアムで9月に放送される「赤と黒」といった日韓共同制作ドラマを手がけた実績があり、広くアジア市場を視野に入れた作品展開を目指している。

 基金は総額305億ウォン(約23億5000万円)で、150億ウォンを韓国政府基金が拠出した。残り155億ウォンのうち、80億ウォンを日本側、75億ウォンを韓国側の企業で受け持ち、イルシンが5年間運用。企画案を精査した上で投資を行っていく。

 日本側企業が分担する80億ウォンのうち、40億ウォンをACCが負担。残りをパートナー企業として参加したポニーキャニオン、TBS、映像ソフト会社のTCエンタテインメントが分担している。

 基金設立について、先月28日に都内で記者会見したACCの井上隆史専務は、官民共にこうした芸能分野の基金への出資に消極的な日本の実情を明かした。

 「ファンドは水物のイメージがあり、資金があっても見極めができない状況。足を棒にして参加を求めて回ったが、出資者はなかなか見つからなかった」

 こうした状況下、作品を実際に作る制作会社側は、企画があっても資金面の問題から制作に踏み切れずにいる。他方、海外のドラマ関係者からは「日本は文化を発信しない」と指摘されることさえあるという。

 それとは対照的に元気なのが韓国だ。「冬のソナタ」現象に代表されるかつての日本での韓流ブームは中高年女性が支えていた。だが、今は30代以下の女性がチャン・グンソクら若手新進俳優に熱狂するなど、日本では新たなブームが起きている。他のアジア諸国も同様で、制作国である韓国では特に連続ドラマ制作に資金が集まりやすいという。

 パートナー企業は、企画段階から参加できる。「日本市場に合う作品は限られているが、中身が分からぬまま青田買いに走り、高騰しているのが今の韓流ドラマ市場。しっかりした内容の作品を事前に見極め、適正価格でコントロールできるのは有利だ」(TBS映像事業部)とメリットを強調する。

 現時点で3年間で16シリーズを制作する予定。井上専務は「面白い作品の制作を支援する枠組みを作り、成功例を生みだすことで日本の制作者にやる気を与えたい」と意気込む。イルシンのコ・ジョンソク社長も「持続的な基盤作りが目的。日本の有力パートナーの参加は非常に心強い」と基金設立を喜ぶ。

 今後は日本からの参加企業をさらに募り、基金を拡大する方針。日本発の企画も歓迎し、コミックや小説などからアジア向けドラマにふさわしい作品を発掘中という。

(2011年8月10日 読売新聞)

日韓ドラマ基金が発足 : テレビ&ラジオニュース : テレビ&ラジオ : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


ACC アジア・コンテンツ・センター 役員紹介

取締役会長
山本 久   Hisashi Yamamoto

1978年 (株) アミューズ設立に参加。
1981年 (株) アミューズ代表取締役社長に就任。
その後、アミューズ・アメリカ社長、 アミューズ北京社長、アミューズ香港社長を歴任。
サザンオールスターズ、福山雅治、BEGIN等のタレントマネージメント。
2005年 (株) アミューズ退社。

代表取締役社長
出口 孝臣   Takaomi Deguchi

1982年 (株) アミューズ・シネマ・シティー代表取締役就任。
1985年 (株) アミューズ取締役副社長に就任。
テレビ、映画製作および俳優・タレント部門担当役員。
1993年 「首届・中華稚星大会」=「第一回中国アイドルタレントオーディション」実施。
1995年 上海電視台との共同制作「東京の上海人」制作指揮。
2005年 (株)アミューズ退社。

取締役企画制作本部長
井上 隆史   Takashi Inoue

1975年 日本放送協会(NHK)入局。
NHKスペシャル番組センターなどで、歴史教養番組やアジア現代史、文明などに関する番組を制作。
国際共同制作事業の経験多数。代表作に「大黄河」、「731細菌戦部隊」、「国際スパイゾルゲ」、「大モンゴル」、「中国・12億人の改革開放」、 「家族の肖像」、「四大文明」、「新シルクロード」など。
2007年 NHK退職。

取締役企画営業本部長
宮川 鑛一   Kouichi Miyagawa

1964年 (財)東京12チャンネル(現テレビ東京)入社。同年開局。
エンターテインメントから教養、ドキュメンタリー番組まで幅広く番組を制作。
アニメーションを含む映画制作も多数。
編成局長、常務取締役を歴任。

取締役
林 真司    Shinji Hayashi

1990年 エイベックス・ディー・ディー(株)(現エイベックス・グループ・ホールディングス(株))入社。
現在 同社常務取締役、グループIT本部長、 エイベックス・マーケティング(株)代表取締役副社長。

取締役
小林 孝雄    Takao Kobayashi

1967年 日本放送協会(NHK)入局
報道局編集主幹、札幌放送局長などを歴任。国際メディア・コーポレーション専務を経て、2008年7月より(株)ケンメディア代表取締役社長。

 
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