社訓を書いたきっかけ


私が経営を始めたきっかけは、「バイトより効率よく稼げる!」と思って始めただけで、ほとんど社会経験も知識もありませんでした。(もちろんお金も...) それで、自分なりにいろいろ工夫して経営をしてたのですが、4〜5年目くらいからいろいろな問題が生じてきました。 昔は全く本を読まなかった自分が松下幸之助など尊敬する経営者の本を読み、同じようなことで悩んだんだろうな〜って思えると気分が楽になりました。 そして、自分なりの解釈と今までの経験をミックスしみんなにも解ってもらいたいという気持ちから作った物です。 完成してから読み返すと、たいそうなモノだな・・・とは思いましたが、自分自身の指針として今日まで事ある時に読むようにしています。
もちろん、自分を含めウチの社員も書いてあること通り出来ているとは到底思えませんが(笑)、理想の形としてそうあれるように努力をしていきたいと思います。

株式会社イオシス 代表取締役 中本直樹


株式会社イオシス 経営四原則
株式会社イオシス 経営四原則


自分の12年間の経営の中で重要と思った事を「人・物・金・情報」に分けて、シンプルにまとめてみました。
最近は、中途半端に規模が大きくなってきたので、わかりやすく考えてみました。

人には おっきな夢を与え
 >人は夢や希望をなくすことが一番つらい事だと思います。いつまでも人に夢を与えれるような会社なら、永続するのではないでしょうか。

物には たっぷり愛情をもち
 >ウチの会社は物販なので、もちろん商品は重要なものです。愛情をたっぷり注いで丁寧に商品化をすることで、はじめて嫁がせられるようになる(買っていただく)のです。

金は しっかり管理して
 >お金ももちろん大事です。経営の上では、特にキャッシュフロー管理は自分のコントロール内に納めておかないと危険です。その他、各種リスク管理も必要でしょう。

情報を きっちり共有すること
 >いわゆる「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)ってやつですね。当たり前ですがコレも重要です。最近ではIT技術などを駆使すれば遠隔でも共有可能です。使える物は何でも使ってきっちり情報共有が出来ないと、仕事ははかどらないと思います。







株式会社イオシス 社訓

平成十四年八月一日 記
平成十六年五月十四日説明文改訂
平成十六年九月十六日説明文改訂


規模の拡大や利益のみの追求をせず、社会貢献の出来る会社へ
一時的な売上げ拡大や利益の追求しても、内容が薄く、誰でもどこでも出来るような事をしていると結局その会社は短命になります。常に仕事の本質を追究し、社会的に需要のある仕事をしていけば、本当に強い会社になると思います。数字ではなく、よりよいサービス・商品・接客対応などを深めていけばおのずと需要を満たす事になるのです。それが、後付で数字となり利益も還元されるわけです。順序を間違わないようにしてください。

やりがいがあり、一人一人が見える会社へ
やりがいは人それぞれ違う部分はあると思いますが、一人一人が持つ本質的な強さを使い仕事に打ち込めば、その行動が見える形になり、全体の大きな形へと変化するのではないでしょうか。人間には誰しも他人に負けない強い部分が何か一つはあるものです。それを常に出せるような努力を行ってください。

自由で楽しい雰囲気の会社へ
まず自分の仕事に対しての自信と誇りを持ち、今に満足せず常に改革を起こせば、仕事は楽しいはずです。本当の自由とは、ルールの中に存在するものであります。例えば相手の長所を見たり、思いやりの気持ちを持つことはお互いがスムーズな関係を作り全体が楽しくなる事と思います。そうする事で自分もより楽しく仕事が行えるのです。
そういう雰囲気が常に出るような心がけをしてください。

透明感のあるオープンな会社へ
例えば、帳簿上の事や金銭関係の事は、閉鎖的にしていると開示したときにトラブルになりかねないので、最初からオープンにしておく。そして、経営方針や人事などの決めごとも共有する。そうすれば、一人一人が経営者と同じ視点でものが見られます。そういう事は会社と社員の関係を深める為にも重要なことではないでしょうか。

社員全員が夢をもてる会社へ
常に大きな夢を持ち仕事が出来る事は、生活を営んでいく上でも重要だと考えます。夢を持つことは適度な欲望を持つことです。欲望を持つということは悪い意味でとらわれがちですが、それは人間として生きていく糧として必要な部分です。ただ、そのコントロールと欲望達成の課程に意味があると思うのです。その課程をクリアしていく場所として会社が提供されていると考えてください。それではじめて、一人一人が夢を持ち仕事に打ち込めると思います。決して一方的な会社のためではなく自分のために会社があり、会社の中には自分が在るわけです。






株式会社イオシス 社員七箇条
平成十四年八月一日 記
平成十六年五月十四日説明文改訂



常に勉強する姿勢をもつ
人間、勉強するのをやめた時には、成長が無くなり、なんの知識も増えないでしょう。常に人の話を聞き入れ自分のものに出来る人は、どんどん成長できると思います。

仕事は与えられるものではなく自分で創るものである
与えられた仕事をこなしていくのは、なかなか大変な事だとは思いますが、それだけで終わってしまうと自分のモノにはなりません。仕事はガマンするためのものではなく、自ら創造し楽しむものだと思います。そういう考えにした方が得ではないでしょうか。

自分の仕事に自信と誇り、責任をもって取り組む
自信がなくなれば、誰でもやる気がおきません。今行っている仕事は誰かの役には必ず立っているはずです。その人は、あなたを頼っているわけですから、それに責任を持って応えなくてはいけません。一人一人が経営者のように自分の仕事に責任を持って取り組めば、他人になすりつけるようなことはなくなり人としての自立が出来ると思います。

他人に勝つより自分に勝つ
他人に勝つことは、努力は必要ですが方法次第では簡単なことです。自分に勝つことは一生のテーマになるくらい難しい事だと思います。常に自分を怠けさせないよう努力していくことは解っていてもなかなかできません。要は自分のコントロールの問題です

何事も向上心と楽しめる余裕の心をもって行う
心に余裕のない時は、考えが狭くなりがちです。狭くなると、向上心どころか夢や希望まで失ってしまいがちです。余裕が無くなってきたときは、おもいっきって自分を解放してやる。するとまた新たな気持ちで何事も取り組めると思います。何事もゆとりを持ってできるような器の大きい人間になって欲しいものです。

団結力は全てに勝る
一人一人がバラバラでは、会社に一緒にいる意味がありません。それならそれぞれが独立した方が個々の力を出し切れると思います。一緒にやった方が効率が良く、自分では出来ない他の社員の強みを使えるから一緒にやっているのではないでしょうか。 それを考えてもらえれば、団結する意味も見えてくると思います。

なによりもお客様、お得意様を大切にする
当たり前のことですが、お客様とお得意さま無くして商売は成り立ちません。いつでも、お客様やお得意様の気持ちになって考える。しかし時には、無茶を言うお客様もいるとは思います。そのお客様の行っていることが倫理的に見て正しくなければ、断る時はきっぱりと断ることが、その後のそのお客様との関係もうまくいくと思います。友人や兄弟だと思えばわかりやすいと思います。お互いの間違いは正していくべきです。それが本当の愛情であると考えます。






株式会社イオシス 商売人としての自覚
平成十六年五月十四日 記



会社の規模を大きくする中で、どうしてもその現場に応じた「長」を設定するようにならざるを得ません。当社ではその「長」を「商売人」としてとらえます。「商売人」というのは本来、お金儲けのみならず、人を使う上で精神的な高揚にも務めないとなりません。それでないと、一時的にうまくいっても長く続かないからです。商売というものは極めることは不可能だと思います。それは決まりがないからです。よって、人それぞれの解釈に違いはあれど、基本的な部分では同じ事が多いと思いますので、それをピックアップしました。その考えにおいて以下の文を読み自分なりの形を形成してください。


社訓・社風を大事にする
会社の存在意義を表す、大事な方向性です。これを無視する社員は同じ方向性には向きませんので、同じ目標を共有できないので一緒に仕事をする意味はありません。やめてもらうか、完全に独立してもらってください。

社員の意見を聞き入れる姿勢をもつ
社員ができると、どうしても自分よがりになったり、横行になってしまいます。社員に大きな態度をとり、意見を聞けなくしているようでは、商売人としては失格だと思います。ただ経営している以上、責任がつきまといますので、時には意見を無視した判断を行わざるを得ません。しかし普段から意見を聞いていれば自ずとそれを活かしている事になるのです。そのことを忘れないようにしてください。

社員を活かし、仕事を任す
社員に対しての命令は、本人の意思が全く反映されず機械的な作業をさせがちです。それでは結局、本人の良さを引き出せなくなります。本来社員というものは、自分のコピーや手足ではなく、自分が出来ないことを頼んでしてもらう事に本質があると思います。自分で出来るなら自分でやればいいのです。自分が出来ない部分をしてもらう訳ですから、おのずとそういう気持ちになるのではないでしょうか。そのためには本人の長所を伸ばせるような環境を作り、仕事を任せた上で短所を本人に気づかせ、直してもらう。これが理想だと思うのです。重要なのは仕事を任せても、叱るときは叱り、できるまでちゃんと最後まで見届ける事が必要です。それがさらには、本人の社会人としての自立にもつながります。

社会に適応していく
時代を読むということは、情報を収集するということです。情報をつかまなければ社会に置き去りにされます。そのままでは、今のお客様のニーズに答えていくことはできません。たとえば、お客様の専属の仕入係になる。というような考え方ができればおのずと、情報を収集するようになるのではないでしょうか。

会社を拡大する意味
まず、考えなくてはならないのは自分が雇っている社員に対して毎月決まった給与をわたすという責任です。このためには毎月確実な利益が必要です。しかも、その人が仕事をこなせるようになったり、年齢があがっていく中で、ずっと今のままの給与では生活ができなくなるでしょう。それをふまえると会社は毎年ある程度の成長がないと経費オーバーで倒産してしまいます。商売というのはそのようなことも考え、その先には社会貢献につながるといった大きなビジョンを持って適正な利益を上げて行かなくてはならないのです。その上で必要なときは投資を行い会社を拡大すれば良いのだと考えます。

利益は報酬
利益はあくまで、サービス対価の報酬であると考えます。何もしていないのに報酬はもらえません。常に新しいことにチャレンジし、そのサービスを認められることによって、初めて報酬が発生するのです。例えば、100円で仕入れた物を150円で売ると、価格は相場からして適正なのか?ちゃんと需要のある物か?商品の説明は正しいか?おもしろく感じてくれるのか?こういう事もれっきとしたサービスなのです。

社外との共存のために
たとえば同業者の場合、相手の立場やお互いの利益も考えた上での競争はいくらでもかまわないと思います。価格を下げあうなどの過当競争は、やればやるほど業界自体の利益が下がりその業界は消えていくだけです。適正価格で販売しても他に勝負するところはたくさんあります。知恵と努力の結晶で勝てるはずです。他に、仕入業者さんに値下げの要求をする場合も同じです。適正な値引きはかまいませんが、全く相手を儲けさせないようなやり方は、最終的には仕入業者さんを無くしていくだけです。お互いの適正な利益を確保しあって業界全体が活性化していくよう努力してください。

客観的にみて判断する
何事も客観的に見てみることは大事です。一つのことにとらわれない眼を育てるためには、全然関係ない業界を見てみたり、趣味を持つことも大事だと考えます。あとで、自分はおかしな事をしていたなぁということも多々あります。常にお客様の立場に立ったり、社員の立場に立って見てみるなど客観視する習慣を付けましょう。

ゆとり経営
人・物・金に対して、なるべくゆとりを持つ。常にそうありたいですが、なかなかそうはいきません。しかし、成長しているからといってそのまま走っていると、すべてに置いてゆとりが無くなり、判断を歪め崩壊していきます。すこし走っても、一旦どこかで区切りをつけて、ゆとりある方向に修正して行かねばなりません。そのためには、自分の力や会社の力を見極めて80〜100%の力で常に行うよう心がけてください。

会社と個人
会社は拡大する中で、自分とのリンクが薄く感じる事があります。それは、同時に責任も薄くなっていくわけです。みんながこうだから大丈夫だろうといった大衆として見てしまうからです。そこで考えなければならないのは、今までの自分が活動してきた事によって、今の社員や会社が存在すると言うことです。その働きに応じて会社からの給与も出、その立場が守られているわけです。その立場の責任というものを忘れてはならないと思います。それを忘れると社員にも責任の所在のなさが伝わり誰と一人として立ち上がることはないでしょう。それは崩壊を意味します。必要なのは自分が在るから会社が在るといった自覚が会社への責任感を生み出すのです。

経営とは確実な利益を生むためにある
経営というのは元々利益を生むために活動しているのであって、バクチではなく、計画と実行の繰り返しによって行われています。もし利益が生めないのなら存在理由はありません。ろくに情報を得ずに需要のないことをしているか、やり方に問題があるわけです。それを不景気や社員のせいにするのはもってのほかで、本来経営というのはどんな時代でも利益が生めるはずです。その時代時代にあわせたやり方で行い、人・物・金・情報を駆使し利益を生むのが経営であり商売人たるものなのです。