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September 10, 2012

元司法浪人無職童貞職歴無しのブログが凄まじい

ツイッターを見てるといろんな瑣末な情報がチラホラ出回ってくるわけですが、その一環で
「元司法浪人無職童貞職歴無しのブログが凄まじい」
http://michaelsan.livedoor.biz/archives/51740052.html
というのがあって、ちょっと読んでみたらこれが本当に凄まじくて、思わずブログの端から端まで1時間半くらいかけて全部読んでしまいました。

昭和42年生まれ元司法浪人無職童貞職歴無しの赤裸々ブログ
http://ameblo.jp/anokoronimodoritai/

簡単に説明すると

「大学を4浪、その後司法試験の勉強を20年した末に受からず諦めることにした男性の日記」

なわけですが、43歳の段階で今まで仕事らしい仕事をした経験もない、仕事していないので収入もない、ずっと勉強だけで過ごしてきたので女性との交際経験もまったくない、友達もいない、居酒屋に行ったこともない、という暗澹たる有様で。

とにかくすごいというか、引っかかるポイントがいっぱいあるわけですが、中でもこの「エグザイル大学生との話」が一番深みのある話だと思うんで、この辺だけでも読んでみてほしいです。結構長いですが。
http://ameblo.jp/anokoronimodoritai/entry-11216353685.html

で、なんでこれを紹介したかというと、パッと読んだときに私はまず「これは文学だ」って思ってしまったんですね。

文章が非常に上手い。
テーマに時代性がある。
自分とは何か、人間とは何かという問いになっている。
何より読む者に投げつける波紋が只事じゃない。

途中、本人が言及する場面がありますが、現代の「山月記」だと思いました。
自尊心は人を食べる。
「虎になる前に虎になってしまった」は名言すぎます。

そして、趣味というか、現実逃避できるものって重要なんだなと。

ブログを読む限りではこの方の趣味は官能小説を読んだりネットを見るぐらいで、それも容易に目の前に置かれた現実とリンクしてしまうので「とりあえずそれをやってる間は現実を忘れられる」ものがあまりに少ないので、すぐ自分と自分の境遇を呪うことに向かっているように思いました。
どうしようもない境遇でも、ほんの少しそういう世界から脱出できるものがあると違うと思うんですよ。

この方は何かっていうと「男子校に行ったのが失敗だった」って書くんですけど、その思考回路自体はわかるんですよ。
自分も男子校に行ってた6年間、よく小学校の時の同級生の女子のことを考えましたし。
「あの頃は女子と話したなあ」とか。
気持ち悪いでしょう。
でもそうなってくんですよ。
思い出がまったく更新されないから。

同世代の異性と触れ合う機会がないから、通りすがりに見かける制服姿の女子高生をチラチラ見てたりしたし、青春マンガで描かれるような異性との交流がないことに落ち込んだりもしたけど、そういう「ああ…」と落ちる感情を束の間忘れさせてくれたのが自分の場合はプロレスと野球でした。
ああいうのがあってホントよかったなあ、と思うわけです。
それがないとキツイです。

でも趣味が無い、と言いつつもたぶん本屋には行ってるんですよ。
官能小説を買ったりSM雑誌を買ったりしているんだから。
私の尊敬する同業者の言葉で「本屋は第二の家である」ってのがあるんですけど、この方にとって本屋(とかコンビニ)って本当に「第二の家」になっていたんじゃないかって気がします。
わかんないけど。

なんか無暗に熱く語り過ぎました。
まあ、これを機にどこかの出版社から出版化の話とかが行けばいいなあ、と薄ぼんやり願ってます。
文章は上手いんだし。
実際、西村賢太の世界と紙一重じゃないかと思うんですよね。そうそう何作も書けないだろうけど。
こういうの発表できるネットって場があってよかったなあと思います。5月で更新止まってるのが気になりますが…。

そんなわけで「こじらせ男子マンガ」の名作(だと勝手に思っている)花沢健吾の「ルサンチマン」が来月新装版で出るそうです。

http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091848185

このリンク見て知りましたけど、あのマンガって「2015年」って設定だったんですね。
あと3年後ですよ。
なんだか「ドラえもん」以上に現実が近づいてる気がするよ。
「ラブプラスの彼女と旅行」ってネタがテレビで放送されてたらしいけど(さすがに仕込み感がひどい)、だんだん「そういう世界」の足音は近付いてきている気がするわけで。

しかし、司法試験問題集って出してる版元は法学書院とか限られてるわけで、そのあたりの関係者に聞いていくとこういう話っていろいろ出てくるんだろうな…。

次回はちゃんと本の紹介をします。

(H)

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