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AniFav スペシャルの一覧へ戻る 更新日:2013年06月18日 22時28分

総力特集! アニメ『ゆゆ式』(1)――シリーズ構成・高橋ナツコ インタビュー 「普通のアニメでは当たり前のことが『ゆゆ式』では当たり前じゃない」(前編)

ライター:
高瀬司(聞き手・構成)、前田久(聞き手)

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総力特集! アニメ『ゆゆ式』(1)――シリーズ構成・高橋ナツコ インタビュー 「普通のアニメでは当たり前のことが『ゆゆ式』では当たり前じゃない」(前編)

「まんがタイムきらら」(芳文社)にて絶賛連載中の三上小又による同名萌え四コマを原作とするTVアニメ『ゆゆ式』。ゆずこ、唯(ゆい)、縁(ゆかり)たち“情報処理部”の3人を中心に、女子高生たちが送るさり気ない日常の楽しさを活写した、独特な掛け合いのテンポも癖になる注目の日常系アニメだ。
変則的な時系列で描かれている原作を、アニメ版ではリニアーな物語へと再構築している。その手つきは繊細で、原作を読みこめば読みこむほど、スタッフの工夫に唸らされる。それだけの充実した仕事は一体どのような形で進められたのか? シリーズ構成を務めた脚本家の高橋ナツコに話を聞いた。
『ゆゆ式』インタビューシリーズの第一弾としてお楽しみいただきたい。(全3回)


『ゆゆ式』特集の導入コラムはこちら

■全員が『ゆゆ式』をそらんじる現場

――初めに高橋さんが『ゆゆ式』へ参加された経緯から伺わせてください。またその際に受けたオーダーとはどのようなものだったのでしょうか?

『ゆゆ式』唯高橋ナツコ(以下、高橋):最初に言われたのは、女の子の可愛らしさを描く際に、男性からの視点だけではない女性ならではの視点を補ってほしい、ということでした。男性視点は原作の熱烈なファンであるジェネオンの小倉充俊プロデューサーを筆頭に、他の男性スタッフの方々が十分持ってるので、女性の視点から見ても主役の女の子たちが嘘臭くならないように、メインスタッフは女性にしたいというお話で。制作であるキネマシトラスさんとは以前から親しくさせていただいていて、監督のかおりさんとも『流れ星レンズ』というOADでご一緒したこともあり気心が知れていたので、その流れでお声がけいただいたのだと思います。

――女性視点から見て『ゆゆ式』の原作はどのように感じられましたか?

高橋:とにかくかわいらしい3人だなと感じました。原作者の三上小又先生からも「女の子として不自然なところや、こんなことはしないみたい違和感はありませんか?」と聞かれたんですけど、そういうところは全然なかったですね。私から見ても「こんな友だちがいたらいいな」と思えるようなうらやましい3人でした。原作第4巻の帯にあったような「毎日、いっしょ。いつも、いっしょ。」というコピーまんまの。なので、ストンと胸に落ちてきましたね。それでいて、読み返すたびに新たな発見があるような奥深さもあって。

『ゆゆ式』なんつってっつっちゃった――シリーズ構成からも、原作を深く丁寧に読み込まれていることは強く伝わってきました。アニメでは原作のエピソードを極めて巧みに再構成して、各話独自のテーマを浮かび上がらせていますよね。第2話は言葉と音をめぐって、第3話は3人の様々な組み合わせのパターンが試され、第4話はお母さん先生や相川さんら外部の視線が強調されるといったような。

高橋:各話のエピソードを組み立てる際には、ちょうど情報処理部みたいにホワイトボードを使って、「この回はどの四コマをどういう順番で並べていこうか」という打ち合わせを何度も重ねましたね。一つのエピソードのなかで一日の時間が経過していく感じや、シリーズ全体を通して季節が気持ちよくめぐっていく感じを出すことにはこだわりました。“女子高生の日常”という雰囲気を表現できればなと。
 そのために毎話数、色んな巻から四コマを取ってきて、何度もエピソードや会話の順番を入れ替えました。みんなで相談しながら……メインスタッフはみんなとにかく『ゆゆ式』愛がすごかったんですよ。会議も毎回それぞれが『ゆゆ式』への思いの丈を話し出すから、6時間や7時間なんて当たり前で。アニメで扱う第4巻までは、全員がこれは何巻の何ページのネタだってところまで全部暗記してたんです(笑)。

『ゆゆ式』縁 なかでも企画立案者だった小倉プロデューサーは特に激しくて。監督や脚本家が原作を暗記することはそこまで珍しいことではないですけど、プロデューサーまで全部覚えてらしたことには驚かされました。会議中も「かわええ、かわええ」ってずっと言ってて(笑)、『ゆゆ式』のことをものすごく好きなんです。それでシナリオにも「あの回のこの四コマ、第3話のあそこに繋がらないかな?」みたいな提案を積極的にされて、しかもそれがすごく鋭かったり的を射ていたりして、シリーズ構成でも随分助けられましたね。絵的な面でも「上履きとか靴をとんとんと履く仕草が可愛いんだよ!」と熱弁されたり(笑)。

――「きらら」のカラー表紙や扉絵といった原作の細部までこぼさず拾っていたりと、『ゆゆ式』への愛情は本当に強く感じさせられました。

高橋:みんなこれだけ読み込んでると、些細な一コマでもそれが何を意味してるかってことまでわかってくるので、だから会議でもちょっとした扉絵なんかでもどうしても落とせないよね、ってことになって(笑)。とにかく現場の『ゆゆ式』愛のすごさは印象的でしたね。
 それにやっぱりファンの方のなかには、このネタが何巻の何ページかなんてこと以上に、一コマ一コマの表情や仕草まで覚えてる方が多いじゃないですか。だからスタッフの間でも、シナリオを書く前に自分たちもそこまでたどり着いてないのは失礼だよね、って共通認識ができあがってました。

中編へ続く

(※高橋さんのプロフィール、取材データは最終回に掲載いたします)

©三上小又・芳文社/ゆゆ式情報処理部

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