2013-07-05
合同会社を設立してiOS Developer Programに法人登録するまでの流れをまとめました(2013年春現在)
ちょっとしたきっかけで、合同会社をこの春に設立し、代表社員(平たく言えば社長)になった。
(合同会社って何?という話は長くなるので略。)
出資金は1円でも設立できるけれど、1円じゃ何もできないので100万円ぐらいが無難な気がする。
株式会社にするのか合同会社にするのかは考えていたころ、AppleのiOS Developer Programの法人登録申請が、合同会社だと通らなかったという2chのスレを見かけた。
【Xcode】iPhoneアプリ開発初心者の集い【iOS】
134 :
個人事業主はだめだけど合同会社とかも通るだろ
135 :
>>134
dans番号制になってから通らなくなった
137 :
>>136
実際に合同会社で落ちたから電話で聞いたら
「前は大丈夫だったんだけど、日本だと合同会社は個人事業主とapple側にみなされて申請はほぼ通らない」
って言われた。嘘だと思うなら電話して聞いてみろ。
日本は合同会社=詐欺会社っていう社会情勢だからだろうな。
139 :
Apple Japanも合同会社なのにおかしいよな。
それなら既存のLLCも規制しろといいたい。
142 :
社会的信用がある会社なら通ると思うよ。電話ではそんな言い方だった。
Apple JapanもCisco Systemsも合同会社を選択しているこのご時世、本当にそんな判断をされるのかチャレンジしたくなった。
結果は下記の通り。
ここから本題。
合同会社を設立して、AppleのiOS Developer Programに法人登録するまでの一連の流れの備忘録。(たぶんもう二度と自分でやる機会はないかもだけど)
1) 法人登記
何もかも自分でやることもできるけど、定款の電子認証だけ行政書士にお願いすると楽。
おいらは神奈川の佐野行政書士さん(かんたん合同会社設立−ネットフル活用の合同会社設立)にお願いしました。
会社の基本情報をWEBに入力するだけで、8900円でさくっと定款を作って電子認証してくれます。
法人印も適当にどこかで調達。
電子認証してもらった定款を法務局に持って行って登記申請。一緒に印鑑カードも申し込んでおき、カードを取りに行くときに一緒に「履歴事項全部証明書」(昔でいう登記簿謄本)、「印鑑証明書」、「代表者事項証明書」を3枚づつぐらい取っておく。(どうせいろいろと必要になるので)
2) 仮電話を引く
050のIP電話で十分。Skypeの3ヶ月月額プランで2250円。
着信があったら携帯に転送しておくようにしておく。
但しSkypeの着信転送は、発信元の番号が転送先の携帯までは通知されないのが不便なので(Skype上には表示される)後で別の回線を契約する(後述)。
3) 会社の本店所在地に、社名の表札を出しておく
郵便局は転居元が空欄の転居届さえ出しておけば郵便物は届けてくれるけど、宅配便は表札無いと届かない場合がある。
4) 銀行口座開設
普段からお付き合いのある地方銀行に「履歴事項全部証明書」を持っていき、法人口座を作る。
口座の名義が「合同会社○○○ 代表社員 おいら」みたいになるかもしれないけれどそれで十分。
外から振り込んでもらうときは口座番号と ド)○○○ な社名だけで大丈夫。
法人としか取引できないアフリカの某国の政府系機関からwire transferしていただいた際も、Account Nameは 「○○○ G.K.」 で問題なかった。
5) 電話を引く
050のIP電話で十分。楽天モバイル for business(http://rmobile.rakuten.co.jp/)が便利。PHS端末にIP電話がくっついてくる。
開通したら銀行に電話番号の変更を届出。
6) 法人用クレジットカードを作る
iOS Developer Programの決済は、クレジットカードに限られる。
別に個人名義のカードでもいいのだけれど、経費処理がややこしいのでカードを分けるべく、楽天プレミアムカードに楽天ビジネスカードを合わせて申し込み。
楽天ビジネスカードは法人名義の預金口座が、楽天プレミアムカードが個人名義の預金口座が必要。ビジネスカードは法人の本店所在地宛に届く。
年会費は、楽天プレミアムカードが10,500円、楽天ビジネスカードが2,100円。
利用限度額は最高300万円(両方のカードで共通枠)。
設立間もない法人に掛売りしてくれる卸はまず無い(300万の掛け買いをするためには、300万の保証金を事前に積む必要がある卸が多い。決済は別途なので都合600万必要になってしまう)ので、そういう意味でも後々便利。
7) FAXを引く
FUSION IP-PHONE SMART(月額基本料・着信ともに無料、発信のみ有料)(http://www.fusioncom.co.jp/kojin/smart/)を契約。
さくらのVPS(http://vps.sakura.ad.jp/)(メモリ1GBプラン 月額980円)を契約。
Asterisk(オープンソースPBX)のFax for Asterisk(http://www.digium.com/en/products/software/fax-for-asterisk)を1ライセンス無料でもらう。
上記を組み合わせると、FAXが届くとPDFにしてメールで手元に届くシステムができる。
別にFAXいらない、という法人は不要だけど、意外とちょいちょい使う。
8) ドメインを取得
自社ドメインを法人で取得(WHOISで法人情報が出てくるようにする)し、メールアドレスが使えるようにしておく。
co.jpじゃなくてもよい。(弊社は.jp)
きちんとした(会社概要(設立日、資本金、事業の目的、役員名、本店所在地住所、電話番号)、具体的な事業内容を記載)自社WEBサイトを構築しておく。
9) Apple IDを取得
新たに法人用にApple IDを作る。英語で。
メールアドレスは自社ドメインにしておく。
ココ(https://developer.apple.com/register/index.action)から"Create Apple ID"を選んで、がっつり英語で入力するのが吉だと思う。
(Apple IDのアカウント情報に日本語が入っていると、後でAppleのお姉さんにご迷惑をかける。おいらはかけた。ごめんなさい。)
10) D-U-N-S Number (以下DUNS)を取得
アメリカのD&Bが管理している企業などの識別コード。日本でDUNSの管理業務は東京商工リサーチがやっているが、iOS Developer Programへの法人登録のためのDUNSの取得に東京商工リサーチのお世話になる必要はない。
Appleが無償でD&B本体への登録申請を受け付けてくれる。
https://developer.apple.com/jp/support/ios/D-U-N-S.html
から「D‑U‑N‑S Number 検索ツール」を開き、自社情報を入力して検索。
設立間もない法人のDUNSはほぼ発番されていないはずなので、入力結果を元に申請するか?と聞かれる。
つまり検索ツールへの入力をきちんとするのが吉。
以下、入力内容。
| Country or territory where your company is physically located | JAPAN |
| Legal entity name of your company/organization(法人の英文名) | xxxxx G.K. のように企業形態も込みで |
| Tradestyle or DBA of your company/organization | 入力しない。(DBA:doing business as 屋号。) |
| Headquarters address of your company/organization | 本店所在地の情報 |
| Mailing address of your company/organization | Same as headquarters addressにチェック |
| Your work contact information | 申請者の情報。合同会社の場合は代表社員が吉。代表社員のJob TitleはPresidentで通る。Work Emailは自社ドメインのメールアドレスにしておく。 |
入力して検索し、DUNSが見つからないと下記の画面になる。
「By chacking this box〜」にチェックを付けて「Submit」をクリック。これがDUNSを発番しておくれよ、という申請となる。
申請後、「D-U-N-S Number Request/Update Confirmation」というメールが届く。
2日後ぐらいに「D-U-N-S Number Request/Update Completed」というメールで、DUNSが発番される。
発番されたら東京商工リサーチで自社を日本語で検索(https://duns-number-jp.dnb.com/search/jpn/find_jpn.asp)してみる。
検索結果に自社が現れたら、「自社の D-U-N-S® Number を取得する(無料)」でDUNSをメールで送ってもらい、番号が一致していることを確認する。
情報はきちんと日本語で入っているので、D&Bに日本語わかる人がいるか、D&Bから東京商工リサーチに処理が転送されているかどちらかだと思う。
11) iOS Developer Programへ登録申請
途中まではこちらのブログが詳しい。(iOS Developer Programに登録しようと思ったらググッて出てくる情報は色々古かったので手順を書きとめる【2012年12月版】)
ただしこちらは個人登録なので、「Are you enrolling as an individual or organization?」にて「Company」を選択。
契約にあたって法的権限を持った人物からの申請か、従業員からの申請か聞かれるので「俺が社長」を選択。(英文忘れた)
自社情報をDUNS登録申請時と同様に英文で入力。企業形態のカンマやらピリオドも正確に。
DUNS番号も入力する欄があるので入力。
そして次に進もうとすると、「Your D&B information was not accepted.」と表示されるが慌てない。
そういうもんだと思おう。
12) Appleに電話
日本語の窓口、0120-9333-88に電話。(Worldwide Telephone Support - Apple Developer)
「iOS Developerに法人登録を試みているが、DUNS番号を入力後先に進もうとすると"Your D&B information was not accepted."が表示されている」と伝える。
その場で担当者が状況を確認してくれる。
弊社の場合は、
Legal Contact(法的権限者)名が、システム上で文字化け(すぐにメールのやりとりで修正してもらえた)
D&Bに登録してある弊社情報にて、Legal Entity(法人形態)が空欄になっている
の2点がエラーとなっていた。
DUNSのLegal Entityの状態を自分で確認する方法はみつからなかった。
(DUNS自体は法人じゃなくても発番されるが、Legal Entityが個人事業主だとiOS Developer Programの法人登録はできないから空欄はうまくいっている証。)
D&Bの登録情報の修正は、D&Bに直接英文でメールにて依頼する必要がある、との指示をメールでいただく。
13) D&Bに修正依頼をメール
以下、おいらが書いた英文のメール。あて先はApple担当者がメールで教えてくれる。
Dear Dun & Bradstreet Global Support team,
Hello. My name is xxxx xxxx(※代表者名), president of ○○○ G.K.(※英文社名)in JAPAN.
We're tring to make a contract between Apple as iOS Developer.
During process of the contract, Apple found our company's legal entity is now empty on your D-U-N-S Number Database.
Our company's D-U-N-S Number is XXXXXXXXX(※自社のDUNS番号) and the corporate name is ○○○ G.K.(※英文社名)
Could you update the legal entity on DUNS Record? Our company is a LLC.
I'll attach the Certified Copy of Corporate Registration in Japanese.
Best Regards,
○○○ G.K.(※英文社名)
xxxx xxxx(※代表者名)
President
http://www.○○○.jp(※法人のWEBサイト)
上記メールに法務局で取得した「履歴事項全部証明書」と「代表者事項証明書」をスキャンしたPDFを添付して送信。
添付書類は日本語バリバリだけど気にしない。
14) D&BとAppleからメールが来るので待つ
以下順番に5通D&Bからメールが来た。
「RE: Legal entity update request for our D-U-N-S Number - Case # xxxxxxxx」
The D&B Customer Support Team has received your request.
「D-U-N-S Number Request/Update Confirmation」
Thank you for submitting your D-U-N-S Number request / update to D&B.
「RE: Legal entity update request for our D-U-N-S Number」
We are requesting an update of your D&B Report.
「RE: Legal entity update request for our D-U-N-S Number - Case # xxxxxxxx」
Please be advised that case number xxxxxxxx has been resolved and is now closed.
「D-U-N-S Number Request/Update Completed」
Your D-U-N-S Number request/update submitted on x/x/2013 with ID Number xxxxx has been completed.
ここまですべてD&Bから。特に返信不要。最初のメールから最後のメールまでだいたい4営業日かかる。
最初のメールから約2週間後、Apple担当者から「iOS Developer Program申請についてのご連絡」が届く。
弊社のシステムに、御社「○○○ G.K.」のDUNS情報が完全反映していることを確認いたしました。
再度申し込みページより、DUNS番号と登録された表記の会社名を入力し、お進みください。
15) iOS Developer Programに再度登録申請
改めて登録申請。前回の入力内容が申請画面に残っていて、そのままでは先に進めない場合がある。
一旦英文社名を適当なものに変えて(G.K.を消すとか)わざとエラーを更新し、改めて正しい社名を入れると先に進める。
登録申請が終わると下記のメールが届く。
「Your Apple Developer Program Enrollment Request」Thank you for your interest. We are now reviewing your enrollment request.
16) Appleからの電話を待つ
国際電話でAppleから電話がかかってくる。担当者は日本語で話してくれるのでびびらずに出る。
たぶん、法人の電話番号が正しいか、繋がるかどうか、本申し込みは法的権限を持った人物の了解が得られているかの確認。
17) Appleからメールが届く
「Apple Developer Program Enrollment Update」が届く。
メールの指示に従って、License Agreementを読み、問題なければWEB上で了解して送信。
18) 決済
iOS Developer Programの年間料金をクレジットカードで決済。
「ご注文ありがとうございます」メールが届く。
19) アクティベーションコードが届く
「Apple Developer Program Activation Code」メールが届く。
WEBでアクティベートして完了。
以上、お疲れ様でした!
2013-06-12
有線LANでWakeOnLanできるなら無線LANでもWakeOnLanできる
手元にないPCなどを遠隔操作で電源投入/起動したいとき、有線LAN接続されているPCであれば概ね手元のPCからマジックパケットを送ってWakeOnLANできるので便利。少なくとも文教では。
(ただし、Macはスリープからの復帰のみしかできず、電源OFF状態からの起動はできない残念仕様)
(手元のPCとターゲットPCが同一セグメントに接続されていない場合は工夫が必要)
ただし、ターゲットPCを置いておきたい場所に、必ずしも有線LANを引いてあるかといえばそうでもない。例えば廊下。
WOLのためだけにLAN敷設工事などめんどくさい。電源は意外と廊下でもコンセントがあるのだけれど。
そんなときに便利な製品がこのちょっと変わったイーサネットコンバーター、BuffaroのWLI-UTX-AG300/C(WLI-UTX-AG300もパッケージが違うぐらいで同じ製品)である。
使い方
1)予め無線LAN接続のための設定(SSID/プリシェアードキーとか)をこの製品に投入(一旦設定すれば電源OFFしても消えない)
2)この製品のLANポートとPCのLANポートをLANケーブルで接続
3)USB給電なので、シャットダウン中にもUSBからの給電が可能なPCであれば、この製品をターゲットPCのUSBポートに接続(AC-USBアダプタを使うこともできる)
以上で準備完了。
WOLするときのマジックパケットは、ターゲットPCの有線LAN側のMACアドレスに対して投げるだけで、イーサネットコンバーターを意識する必要はない。
別にこの製品じゃなくてもできるのだけれど、USB給電で動作するのが秀逸。
あと、世にあるイーサネットコンバーターは「マルチクライアントモード」(1台のイーサネットコンバーター+ハブで複数のPCを無線LANに接続できる)で動くものがあるのだけれど、それだとマジックパケットはターゲットPCの有線LANのNICまで届かないので要注意。
2013-05-16
NGN IPv6上のVPNは、DTCP-IPでのコンテンツ視聴に使えた
NTTのフレッツ光ネクストのフレッツV6オプションを利用して、NGN IPv6 over IPsec over L2TPでL2VPNを構築し、DTCP-IP対応機器の映像コンテンツが、サテライト拠点において視聴できるのか検証したところ問題なく再生することができた。
仕組み
SEIL/x86 で L2TPv3 over IPSec over NGN IPv6(フレッツV6オプション)なL2VPNを張ってみた - pirosapの備忘録
本VPNのコスト
L2TPv3 over IPSec over NGN IPv6(フレッツV6オプション)なL2VPNの真価 - pirosapの備忘録
まず、DTCP-IPに対応する機器として、nasne(http://nasne.com/)を購入し、主拠点に設置。
サテライト拠点に、L2VPNと同一セグメントの無線LAN APを設置し、iPad miniを無線LANで接続のうえ、「DiXiM Digital TV for iOS」で主拠点に設置したnasneのコンテンツがDTCP-IPで視聴できるのか検証した。
だいたい20kmぐらい離れた拠点間(NTTの収容局は異なる)での検証であったが、1時間ほど再生を継続しても途切れたりすることなく、問題なく視聴できることが確認できた。
2013-05-06
古川電工のFITELnetではフレッツ・v6オプションのネームを利用したL2VPNが張れるっぽいのでSEILも頑張って
IIJのSEIL/X1の動きを色々調べている中で、たまたま古川電工のFITELnet F200というルータ*1を見つけた。
2010年2月に発売*2された製品で、定価で125,000円。
ぷらっとオンラインのIPv6割だと10万ちょい。*3
このルータの設定例に、興味深い記載があった。
NGN(IPv6)網内でのIPsec接続をする設定
http://www.furukawa.co.jp/fitelnet/product/f200/setting/detail/square_next_ipv6_ipsec.html
本設定例を利用するには、フレッツ・v6オプションでネームの登録が必要です。
しれっと素晴らしいことが書いてある。
もちろんL2TPv3も張れる。
拠点間を L2TPv3 機能で接続する
http://www.furukawa.co.jp/fitelnet/product/f200/setting/detail/l2tpv3.html
FITELnetだと、こう書けるらしいので上手くやればフレッツ・v6オプションだけでネームを利用して恒久的なL2VPNが組めるんじゃないかな?
検証してみたいなあ。
Router(config-isakmp)# peer-identity address xxxxxxx.aoi.flets-east.jp
2012年7月発売のFITELnet F60*4でもいけそう。(L2TPv3は"エンハンス予定"ってなってるけど *5 これは別途有償のオプションってこと?)
定価74,800円。
最安値だと税込58,000弱。
SEILの方がコマンドの書式が取っ付きやすい気がするけど、VPN設定時にフレッツ・v6オプションのネームの利用は現状できない。
すごくニーズがある*6と思うので期待しております…。
*1:http://www.furukawa.co.jp/fitelnet/product/f200/
*2:http://www.furukawa.co.jp/what/2009/comm_091217.htm
*4:http://www.furukawa.co.jp/fitelnet/product/f60/index.html
*5:[www.furukawa.co.jp/fitelnet/cat/fitelnet-f.pdf:title]
*6:SEIL を L2TPv3 仮想網の拠点側ルータとして使用する場合に IP 可変環境で使用する方法はありますか | SEIL/SMF コミュニティ
2013-05-02
L2TPv3 over IPSec over NGN IPv6(フレッツV6オプション)なL2VPNの真価
以前、フレッツV6オプションを利用して構築したVPN(L2TPv3 over IPSec over NGN IPv6)においては、だいたい20kmぐらい離れた拠点間(NTTの収容局は異なる)でpingのRTTが安定して5msを切れたというのを書いた。
SEIL/x86 で L2TPv3 over IPSec over NGN IPv6(フレッツV6オプション)なL2VPNを張ってみた - pirosapの備忘録
このVPN構成の利点としては、RTTが小さいため例えばDTCP-IPの制限(TTLは3以下、RTTは7ms以下)も超えないので、拠点間でDTCP-IPによる映像配信が行える。
またNTT東日本のサービスにおいて、例えばフレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプの下り回線は最大200Mbpsで制限がかかるが、これはIPv4での接続の場合であり、IPv6は最大1Gbpsまで利用できる。
下記はフレッツ 光ネクスト マンション・ハイスピードタイプにて、IPv6/IPv4それぞれで下り回線速度を測定してみた一例。
IIJmio IPv6スピードテスト *1 -- 845.33Mbps
Radish Network Speed Testing マルチセッション版-β- 東京 (IPv4)*2 -- 136.7Mbps
このため、フレッツ光回線のIPv4上で構築するVPNより、V6オプションのIPv6上で構築するVPNの方が帯域を多く使えることが期待できる。
最大のメリットは価格である。
例えば、上り/下り100Mbps超が利用できる(かもしれない)2拠点間のVPNを張りたい場合、これまで最も安価だったのはNTTのフレッツ光ビジネス回線とフレッツVPNワイドの組み合わせであったと思う。
ルータ等の費用は別にして、下記のような月額費用となる。
フレッツ光ネクスト ビジネス 2回線 -- 43,155円 x2 = 86,310円 *3
フレッツVPNワイド 管理者 プラン10 プラス(10) -- 11,340円 *4 *5
フレッツVPNワイド 参加者 -- 1,890円
----------------
計 99,540円
零細企業にとっては毎日チャリでデータを届けたほうがマシなレベルである。
これが、V6オプションを利用したVPNだと下記のようになる。
フレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピード 2回線 -- 5,460円 x2 = 10,920円 *6
フレッツ・V6オプション -- 無料 *7
IIJ SMF sxサービス (V6オプションのIPv6アドレス変更追従に必要) -- 3,150円 x2 = 6,300円 *8
IIJ SMF sxサービス 管理用PPPoEアカウントサービス -- 525円 x2 = 1,050円 *9
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計 18,720円
三ヶ月でルータ(SEIL/X1)の元が取れてしまう。
光ネクストのビジネス(NTT局舎までのアクセス回線占有)とファミリー・ハイスピード(アクセス回線は複数のユーザで共同利用)を同じ俎上にのせるのはどうなの、という点はさておいても、十分実用的で検討に値する構成だと思う。
もともとインターネット接続用に引いているフレッツ回線に相乗りすることができるため、新たな回線敷設の必要もない。
フレッツVPNワイドはPPPoEをVPNグループの数だけ必要とするが、V6オプションを利用する場合はルータ毎に管理用PPPoEは1つで良いため、PPPoEのセッション数を気にする必要もない。
クリティカルな用途でないVPNは、そのうちみんなこの構成になるんじゃなかろうか。
IIJの営業さんだったらバシバシ売り込みに行きたいようなサービスである。
(でもきっと、こんな細かいサービスをわざわざ売り歩かなくてもやっていける会社なのだろうなあ)