SINN EUROFLIEGER ll

SINN
MODEL 356
EUROFLIEGER ll


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ムーブメント

ETA7750(自動巻き)

サイズ

外径38.5mm/厚さ14.0mm/重量90g

素材

ケース/ステンレスチール  ベルト/カーフレザー/幅20mm

風防

サファイアクリスタルガラス

防水・耐圧

10気圧

機能

ねじ込み式リュウズ、ガードつきプッシュボタン、12時間積算、30分積算計付クロノグラフ、特殊蛍光針、特殊蛍光インデックス

 2007年に発売されたSinnの日本限定FLIEGERです。

このWEBサイトを管理されているa-chanを始め時計仲間達のSinnの使用遍歴に影響を受けながらも長い間Sinnの時計を持つということはありませんでした私ですが、とうとう使い始めることになりました。356および256シリーズのすべてに言えることですが、38.5mmという今時のスポーツウォッチにしては珍しく小型なところ、そしてなによりもSinnらしく機能を損ねないすっきりしたデザインが気に入りました。
このEUROFLIEGERⅡ(以下EFⅡ)は復刻版でして、2000年に発表されたEUROFLIEGERという日本限定モデルのリメイク版です。今回も限定でした。裏蓋には限定を示すシリアルナンバーが刻まれています。
ユーロコプターという欧州のヘリコプター会社があるのですが、そのヘリコプターのコクピットクロックにSinnが採用されているらしく、その意匠を受け継いで作られたのがこのモデルということらしいです。
ケースは通常モデルの356と同じですが見たとおり、SinnはEZMシリーズでよくやりますが、リュウズ、プッシュボタンが正面左側についています。
EZMシリーズではリュウズやプッシュボタンが何かの拍子にひっかからないように、わざと左リュウズ、プッシュボタンにしてあるようです。同様のデザインがなぜEZMシリーズではないEFⅡに施されているのかはわかりませんが、日常、ロードバイクやMTBによく乗る私には手の甲が痛くならない有難いデザインです。また8時位置のプッシュボタンがクロノグラフのスタート&ストップを司り、位置的に親指で押すことになりますが、意外に押しやすいのには驚きました。これもEZMの雑誌記事を参照しますと、通常の右側にプッシュボタンがあるETA7750クロノグラフの場合、スタート&ストップは人差し指で操作することになりますが、親指のほうが人差し指に比べて力が入るので押しやすいという理屈のようです。

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EFⅡはムーブメントのETA7750を逆向きに載せていますので、それに伴い通常ETA7750搭載クロノグラフでは30分計が12時位置にくるのですが、EFⅡでは6時位置にそれがきます。デザイン上の問題でしょうが、3時位置にくるはずだったスモールセコンドは省略され、12時間積算計と30分積算計とを文字盤ぎりぎりまでに面積を広げています。参考までに数あるクロノグラフの中で高い視認性を誇るスピードマスタープロフェッショナルのサブダイヤルの直径と比べますとスピードマスターは9mm。それに比べEF2は11mmです。EFⅡは時計自体が小型ですので、サブダイヤルは相対的に余計に大きく見えます。視認性は言うまでもなく良好です。

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EFⅡの最大の特徴として、特殊蛍光ペイントされた黄色の長短針、そしてインデックスがあります。これはいわゆる夜光塗料の特性は備えていません。もともと夜光塗料も目に見えない紫外線を見える形に変換する蛍光塗料の一種なのですが、蓄光性を伴い発光するもの、あるいは放射性物質が蛍光体を刺激して自発光するものがありますが、EFⅡに塗布されている蛍光塗料は蓄光性も自発光性も有しておらず、単に紫外線に反応する蛍光塗料が塗布されています。ユーロコプターのヘリコプターコクピット内では紫外線ライトが使用されており、この中では発光するという仕組みということらしいです。試しに手持ちのブラックライトを照らしてコクピット内と同じ環境にしてみますと、夜光塗料とは比較にならないほど明るく光ります。まぁ・・・しかし・・・一般向けには役に立たないです。実際に夜間の暗闇ではまったく時間の確認ができません。紫外線に過剰に反応しますので、このレポートを書いています今は夏なのですが、外に出ると異様に針とインデックスが光って目立ちます。つまり明るい昼間の視認性はピカイチです。

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 EFⅡにはビス打ちされたカーフレザーのストラップが使用されています。もとは軍用ストラップだったと思いますが、それっぽい雰囲気はでます。かなり厚手なので慣れるのに苦労するかなと思いきや、意外に柔らかく3日ほどつけていますとすっかり馴染んでしまいました。ただ、このストラップは交換の時期に大変です。なんとカーフなのに28000円!Sinn社のメタルブレスが30000円ほどなのにほとんど値段が変わりません。まだ購入したばかりで先の話しですが、個人的にはカーフベルトがこの時計には似合うと思いますがベルトの交換時期にはお得(?)なメタルブレスに換装するかを迷いそうです。

 冒頭に述べましたように、EFⅡは日本限定です。なぜ日本限定なのに“EURO”FLIEGERなの?と思います。ユーロコプターのユーロからとっているのですが、それにしても、日本限定ならJ-FLIEGERとかなんとかして欲しいところです。
特にヘリコプターに興味もなかったのですが、EFⅡを使い始めたことで気になってユーロコプターを調べてみましたら、驚きました。とんでもない数のユーロコプター社のヘリコプターが日本を飛んでいます。昨年8月時点で登録されているユーロコプター社のヘリコプターを列挙してみますと、
SA315、EC120、EC130B4、AS350、特にAS350 は日本国内の単独機種の登録数トップです。ドクターヘリに使われているEC135そして同じくドクターヘリに使われているBK117、BK117C-2、BK117は川崎重工との共同制作。ドイツ国境警備隊が採用しているEC115日本ではTV局、警視庁が使用。AS355、AS332、Bo105、AS365、SA330、陸上自衛隊のVIP輸送機EC225LP、AS332L。計333機、
日本に在籍している全ヘリコプターが766機ですから4割以上を占めています。
次に多いのがアメリカのベル社で在籍数は208機。3位が同じくアメリカのロビンソン社で144機ですが、レシプロ単発機(小さいヘリコプター)のみです。つまり数字だけで言えばヘリコプターの音がして空を見上げると半分近くがユーロコプター社製ということです。
残念ながら純国産のヘリコプターはほとんどなく、川崎重工、三菱重工、富士重工が海外のヘリコプター会社とのライセンス契約にて生産しています。
三菱のMH2000が純国産で2機運用されています。そのうちの1機は宇宙航空研究開発機構が観測に使用しています。あとドクターヘリ(医療用ヘリ)によく運用されている川崎BK117、BK117C-2はユーロコプター社と共同で作っています。これも国産といえるでしょう。自衛隊機では川崎のOH-1(陸上自衛隊の観測ヘリ)、これも国産です。国産機はほんとに少ないですが、その中でも前述の川崎BK117シリーズが59機と健闘しています。そして繰り返しますが、その国産機の中でも多いBK117が ユーロコプター社との共同開発生産機なわけです。
(ヘリコプターの知識は付け焼刃でひょっとしたら間違った解釈もあるかもしれませんが、ご容赦ください。) 

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また世界的にもユーロコプターの市場占有率はかなりのもので、軍用を除く軽双発ヘリコプターとしては 50%を超えているとのこと。私もEFⅡを買うまで全然知りませんでしたけど、ユーロコプター社は世界的に1,2位を争うヘリコプターメーカーなわけです。
つまり日本限定なのにわざわざヨーロッパのヘリコプターの名前をとらなくてもと思われるかもしれませんが、ユーロコプターのヘリコプター自体は日本でも日常的に当たり前のように活躍しているヘリコプターであるということなのです。だからどうしたと言われればそれまでなのですけどね。(笑)

それにしても、ひとつの時計がやってくると、今までまったく興味のなかったことまでが知りたくなります。ヘリコプターなどまったく興味がありませんでしたが、今は大いに興味があります。私にとって腕時計というのは時間を示すだけではなく様々な知識の種を秘めているようです。

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2008年7月 記


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