ステージ上でパリのファンとポーズを取る左から中島早貴、萩原舞、岡井千聖、鈴木愛理、矢島舞美【拡大】
5色のサイリウムと℃-uteコールに包まれた場内。暗転したステージにメンバーが登場すると、一瞬でボルテージが最高潮に達した。
「ボンジュール! トゥルモンド ヌ ソームレ ℃-ute(みなさんこんにちは! 私たちは℃-uteです)」
フランス語で元気よくあいさつすると、ファン1300人は大喜び。「ありがとう! ℃-ute」と日本語で書かれたプラカードが揺れるなど、温かく迎え入れてくれたファンに、5人も「メルシー(ありがとう)」と感謝した。
夢の実現までの道のりは長かった。2002年に子役オーディションでモーニング娘。の妹分、ハロプロ・キッズのメンバーに選ばれるも、04年にBerryz工房が先に結成され、ブレーク。翌05年に結成した℃-uteは悔しさをバネにコツコツと活動し、プロデューサーのつんく♂(44)に「ハロプロ一のパフォーマンス」と評されるまでに成長した。
そんな彼女たちを応援していたファンがパリにもいた。中心メンバー、鈴木愛理(19)のファンサイトを作った女子高生のアンジェリック・マリーちゃん(17)だ。両親がモー娘。のファンで、幼少期にハロプロ・キッズの映像を見て℃-uteファンに。友人とともに動画サイトなどで署名活動を行っていたことが日本のスタッフやファンにも拡大。以前、℃-uteの公演を日本で見た地元レコード会社が来仏をオファーしていたことも重なり、パリ公演が実現した。
ステージでは、代表曲「都会っ子純情」や10日発売の新曲「悲しき雨降り」を初披露するなど22曲を熱唱。最前列にいたアンジェリックちゃんを舞台に上げ、メンバー一人一人がハグするサプライズや、ファンのために書いた感謝の手紙をフランス語で順番に読み上げる感動シーンもあった。
アンコールでは再び℃-uteコールが10分続くなどライブは大成功で、愛理が「みなさんの美声がステージまで届いて楽しかった」と笑顔を見せれば、人一倍歓声が大きかった最年少の萩原舞(17)も「うかれちゃいます」とご機嫌だ。
9月9、10日には東京・日本武道館公演を控える。ナポレオン風の衣装をまとった矢島は「自信を持って立てる気がします」と瞳を輝かせ、「世界中の人々に愛されるビッグなグループになりたい」と飛躍を約束した。