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【プロ野球】

楽天 球団史上初の単独首位ターン

2013年7月7日 紙面から

◇楽天8−4ソフトバンク

ソフトバンク−楽天単独首位に立ち、タッチを交わす聖沢(左から2人目)ら楽天ナイン=ヤフオクドームで

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 楽天が単独首位に立った。3−4の5回、3連打で同点とし、マギーの遊ゴロの間に勝ち越し。その後も着実に加点した。前日先発の則本が3回途中から登板、3イニング1/3を無失点で7勝目。ソフトバンクは、先発パディーヤが誤算だった。

 ついについに、楽天が単独首位に立った。この日が、ちょうどペナントレース折り返しの72試合目。燃える男に率いられたイヌワシ軍団が球団創設以来、初めてトップでのターンを決めた。

 15安打で8点を奪い、ソフトバンクに逆転勝利。わずかに一歩でも、並んでいたロッテの前に出た。「粘りが出てきたな」。星野監督の柔和な表情の中に、確かな手応えがにじんだ。

 闘将のショック療法がルーキーを蘇生させた。3回2死。4失点の先発・戸村を早々と諦め、「則本」の名を告げた。前日にプロ最短の1イニングKOを喫した右腕の初となる救援起用。「昨日(5日)投げてたっけ? 俺の記憶にはないよ」と平然と言ってのけた。

 1週間後の先発では、屈辱を引きずることになる。それならば、マウンドで忘れさせる。そんな指揮官の熱い気持ちに応え、則本は3イニング1/3を無失点。「昨日は本当にふがいない投球だったので、何とか勝つことができて良かった」。先月6日以来の7勝目。ようやく笑みがこぼれた。

 前夜は嶋、小山伸、田中から食事に誘われた。「切り替えろ」。傷心を癒やしてくれる言葉にうなずいた。だからこそ、先発翌日にベンチ登録から外れる「上がり」を召し上げられた悔しさよりも、失地回復のチャンスがうれしかった。

 則本の気迫はチーム全体にも波及した。5回に捕手をかいくぐる好走塁で同点の生還、バットでも4安打の聖沢は「則本がリベンジしていたし、昨日(5日)は自分が迷惑をかけたので、何とか打ちたいと思っていた」と振り返った。

 則本を救い、チームを救う1勝だ。再び貯金は10。単独首位の話題を振られた星野監督は「知らん」と無関心を装った。指揮官が言い続けてきた「その日暮らし」でも、コツコツと粘り強く戦ってきたことが、好結果を呼び込んでいる。球団初のリーグ制覇も決して夢物語ではない。 (井上学)

 

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