小松左京マガジン:三回忌、50巻で終刊へ
毎日新聞 2013年01月07日 東京夕刊
日本を代表するSF作家、故小松左京さんについての同人誌『小松左京マガジン』(発行・イオ、発売・角川春樹事務所)が、今夏に刊行予定の第50巻で終刊する。一昨年7月に小松さんが亡くなった後も、元秘書の乙部順子さん(62)が編集してきたが、「今年の三回忌を終えたら、役目を終えていいのではないか」(乙部さん)と、終刊を決めた。
2001年創刊で年4回発行。小松さんが70歳になったのを機に、「『わがままな個人雑誌』をつくりたい」という本人の思いから創刊した。同人に、桂米朝、石毛直道、萩尾望都、とり・みきの各氏らが名を連ねた。
毎号、小松さんの対談や講演録、同人の作品、小松作品をめぐる研究論文などを載せてきた。最新号の第47巻は、小松さんとグラフィックデザイナーの故粟津潔さんらによる1964年の座談会の記録などを収録している。
今年は、小松さんが結成に関わった日本SF作家クラブの創立50年にもあたる。記念事業として、70年に小松さんが企画した「国際SFシンポジウム」が、43年ぶりに再び開かれる。乙部さんは「国際シンポや小松さんの三回忌記念イベントの報告を載せて、最終号を飾りたい」と話している。【鈴木英生】