憲法改正派3分の2可能性…参院選序盤情勢
読売新聞 7月6日(土)9時55分配信
参院選の結果、憲法改正に前向きな政党で国会発議要件に達する可能性が出てきた。
読売新聞の序盤情勢調査で自民党が好調な勢いを示しているためだ。焦点は「加憲」の立場の公明党の理解と、みんなの党の動向となる。安倍首相は今後も経済対策に尽力しつつ、史上初の憲法改正のタイミングを見極めていく構えだ。
◆4党で「3分の2」
憲法96条は、憲法改正について〈1〉衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成で発議(国民に提案)〈2〉国民投票で過半数の賛成――を要件としている。読売新聞社の序盤情勢調査によると、自民党、公明党、日本維新の会、みんなの党の4党で、非改選議席を合わせると参院の3分の2(162議席)に届く可能性がある。
自民党、日本維新の会、みんなの党は参院選公約で憲法改正に取り組む考えを明記している。公明党の「加憲」は、環境権など時代の変化で必要になった条文などを付け加える立場で、憲法改正を容認するものだ。
自民党は参院選後、投票年齢を満18歳以上で確定させる国民投票法改正案を提出するなど憲法改正に向けた準備作業を進める方針。
◆公明はどうか
焦点は、公明党の動向だ。衆院は公約に憲法改正を明記した3党で3分の2を超えているが、参院は公明党が加わらなければ3分の2に達するのは難しいからだ。同党の山口代表は5日、広島県内の街頭演説で「公明党は今の憲法はいい憲法、さらにいいものを加えていきましょうという考えだ。ほかの政党とは考えが違う部分がある。憲法改正はいいよ、ということでも中身が違う」と述べた。
また、みんなの党の渡辺代表は「憲法改正より先にやることがある」とも主張している。憲法改正に賛成する代わりに、みんなの党が求める公務員制度改革などの実現を政府・自民党に迫る可能性がある。
安倍首相は公示日以降、憲法改正について自分からはほとんど言及していない。5日の高松市内の演説では、「景気回復の入り口まできた。私たちが進めている政策は間違っていない」と述べ、経済対策に尽力する考えを強調した。ただ、4日のNHK番組では、憲法改正に関する質問に答える形で「しっかりと議論を深めていきたい」と語った。
最終更新:7月6日(土)9時55分