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ガス田開発―中国は合意に立ち返れ

東シナ海の日本と中国の中間線の近くで、中国が新たなガス田開発の施設をつくり始めたことが明らかになった。これは「共同開発をできるだけ早く実現する」とした08年6月の日中政[記事全文]

医療と成長―財源を語らない無責任

医療に必要な財源を確保していけるのか――。日本が直面する大きな課題だ。いま、日本の医療費は年間40兆円。団塊世代が75歳以上になる2025年には60兆円を超える見通しだ[記事全文]

ガス田開発―中国は合意に立ち返れ

 東シナ海の日本と中国の中間線の近くで、中国が新たなガス田開発の施設をつくり始めたことが明らかになった。

 これは「共同開発をできるだけ早く実現する」とした08年6月の日中政府間合意に反する行動である。中国側はただちに作業をやめるべきだ。

 東シナ海の排他的経済水域をめぐり日中間には争いがある。日本は両国海岸から等距離の線を唱え、中国はより東側の大陸棚沿いまでを主張してきた。

 一方で中国はガス田については、日本が主張する中間線よりも中国寄りの海域で開発してきた。今回はさらに中国寄りの場所だ。完全に自国の管轄で、問題ないと言いたいようだ。

 だが、日本のいう中間線とは「最低でもそこまでは日本に権利があるのが当然」という仮の線引きにすぎない。中間線から中国寄りの部分での権利を放棄したわけではない。

 要するに合意のない海域なのである。だからこそ、経済水域の境界線は棚上げし、線引きが済むまで互いに配慮しながら共同開発を進める、との趣旨で合意したはずだった。

 今回、日本政府の抗議に対して中国外務省の報道官は「非難されることではない」と反論した。合意を忘れたとしか思えない、残念な発言だ。

 10年5月にはこの問題で条約を結ぶ交渉に入ると決めたが、第2回交渉の直前、中国漁船が日本の巡視船にぶつかる事件が起き、交渉は止まった。

 それでも11年末の日中首脳会談では「東シナ海を平和・協力・友好の海にする」ことが再確認された。昨年から尖閣諸島問題がこじれたものの、共同開発の合意は破棄されていない。

 この海域で中国はなぜガス田開発を続けるのか。経済的な理由もあるだろうが、境界線が未確定なのをいいことに、施設をつくって既成事実を積み重ねているとしか見えない。海洋進出を強める軍の動向と歩調を合わせているようにも見える。

 日本に強くあたることが支持されやすい空気が中国の政府内や世論にあることは容易に想像できる。尖閣問題で譲らぬ日本に圧力をかける狙いもあろう。だが、今回の行動は、関係改善の糸口をさがす日本側関係者も失望させている。

 事態をいっそう悪化させるのは両国の利益にならない。厄介な問題を脇に置いて協力しあう08年の合意は、もめごとへの対処法として国際的な常識にかなっている。合意の精神に立ち返り、日中関係を立て直すきっかけを探らねばならない。

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医療と成長―財源を語らない無責任

 医療に必要な財源を確保していけるのか――。日本が直面する大きな課題だ。

 いま、日本の医療費は年間40兆円。団塊世代が75歳以上になる2025年には60兆円を超える見通しだ。少子高齢化が急速に進むなか、税金や保険料などの負担増は避けられない。

 ところが、参院選を戦う各政党はそこを率直に語っているだろうか。70〜74歳の窓口負担にしても本則の2割が1割に据え置かれ、毎年2千億円近くを使っているのに、高齢者の反発を恐れ、口をつぐむ党が大半だ。

 一方、医療分野の振興で経済成長をめざそうという主張が目立つ。

 自民党は公約で、医療関連産業の市場規模を現在の12兆円から20年に16兆円へ拡大させることを掲げた。

 日本維新の会は「規制緩和によって医療政策を拡充」とうたい、みんなの党は「医療・介護の大改革」をアピールする。

 民主党も政権を握っていたとき、革新的な医療技術の開発を成長戦略に盛り込んでいる。

 医療技術の進歩自体は歓迎すべきものだ。ただ、それを利用するにはお金がかかる。日本の医療費は、だいたい年3%ずつ増えているが、うち1〜2%分は「医療の高度化」が要因だ。

 誰がどう負担するのか。

 キーワードになっているのが「混合診療」だ。保険のきかない先進医療は患者が全額自己負担しつつ、保険診療の併用も認める制度である。

 現在、日本での混合診療は、国が認めた一部の先進医療に限られている。国が安全性に責任を持つことを基本としているからだ。その治療の有効性や安全性が十分に認められれば公的保険に取り込む。

 この混合診療を思い切って解禁しようというのが、みんなの党や維新の会だ。患者の自己負担をベースに最先端の医療を広げることを重視する。安倍政権も成長戦略で、現行制度の「大幅拡大」を掲げる。

 ただ、混合診療を全面解禁すれば、医療従事者や製薬会社が公定価格に縛られない先進医療にばかり目を向け、公的医療がおろそかになるのではないか。そんな懸念がある。

 先進医療がお金のある患者しか利用できない状態が続き、格差が固定化するのは好ましくないだろう。公的保険が適用される医療をできるだけ広げるのが望ましいはずだ。

 そう考えるなら、各党とも公的医療の財源を確保する道筋を示す必要がある。医療産業の振興を叫ぶだけでは無責任だ。

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