元オウム教団幹部　野田成人のブログ

　ホームレス支援の取材について触れているので、ついでにテレビ局各社の報道についてコメントしてしまいましょう。あくまでオウム関連報道、しかも小生が取材を受けた範囲・聞いた範囲からになりますが…

テレビ東京　取材してくれたから感謝
テレビ朝日　取材してくれたから感謝
ＮＨＫ　　　相対的に普通ってことにしましょう
ＴＢＳ　　　なんだか組織的にまとまってないような気がする
フジテレビ　余り深く考えてない、話題があると「ワー、なに？何？？」と寄ってくるが、面白くないと「サーッ」とひいていく典型的マスメディア
日本テレビ　お前は詐欺師か！

　日本テレビを詐欺師扱いしてますが、あくまでオウム報道に限って小生が体験した範囲、聞いた範囲に過ぎません。今回はこの話題を。

　ハルマゲドン予言の１９９９年終わりの頃でした。この時期は、先に触れた信者の住民票不受理問題から発展して、教団自体が団体規制法の網にかかって存続できるかどうかの危機的状況にありました。ハルマゲドンは教団にだけ起こったわけです。この頃は、まだ一連の事件について反省・謝罪はおろか、事件が教団が起こしたのかどうかについての見解すら発表していませんでした。この反省無き姿勢が教団ハルマゲドンを招いたわけですが、ここまで追い詰められてようやく事件についての謝罪反省を公式発表すべきではという流れになりました。

　そもそも事件の謝罪反省については、上祐氏が９８年頃獄中から「教団として見解を出すべき」と伝えてきました。二ノ宮正悟師などはその上祐氏の見解に即座に賛成表明していました。しかし９８年時点で教団見解発表とならなかったのは、まだ小生含めて複数の幹部が全く反省していない事情があったのです。一番腰が重かったのは小生であったと言っても過言ではありません。

　その後、９９年になり、世間の風当たりが強くなって、Ｖ正悟師・Ｋ正悟師（脱会したから名前を一応伏せておきます）も、公式発表にかなり傾きました。それで当時広報担当だったＶ正悟師は、その公式発表をするマスコミの選定・接触を行きました。その結果白羽の矢が立ったのは、日本テレビでした。

　Ｖ正悟師は、日本テレビの杉本某（だったと思う）プロデューサーに接触を繰り返しました。Ｖ正悟師が言っていたのは「もう杉本さんは私のいいなりですよ」。つまり教義的な話も含めて、オウム側の話を全面的に受け入れているという風に受け取れました。その報告を聞いて、他の正悟師も、「事件の謝罪反省公式発表はＶ正悟師に任せておけば大丈夫だろう」という雰囲気になりました。日本テレビが教団公式謝罪に協力してくれるという話には、正直「ほんまかいな？」と余り気乗りしませんでした。ＡＰＦ通信山路氏の「もう入信しそうですよ」という話が念頭をかすめましたが、「まあ皆さんがしたいのならどうぞ」というのが当時の心境でした。

　撮影は、１１月の末か１２月頭に撮られたと思います。この頃世間では、「上祐が出所してくるとオウムは危ないから、団体規制法だ」と騒がれていました。ある意味教団は追い込まれていたと言っても過言ではありません。どこかのタイミングで謝罪賠償の話を切り出さねばならなかった所に、「渡りに船」だったのが「Ｖ正悟師のいいなりの杉本プロデューサー」です。

　ところが実際の撮影はどうだったのかというと、教団側思惑とは全く違ってボロボロに叩かれた内容です。撮られたのは代表代行の（一応脱会したから伏せるけど余り伏せる意味が無いような気がするくらい有名な）Ｕ正悟師。教団側から見てボロボロだったけど、実際に報道された内容は普通のオウム報道です。いわゆるいつもの「こいつらいつまで経っても反省してない危険な集団だ」的報道。要するに嵌められたってことでしょうな。Ｕ正悟師はカンカンに怒って、騙されたＶ正悟師は、ぐうの音も出ないほど意気消沈していました。

　上記謝罪会見は、直接小生が経験したことではありません。しかしその後２００７年前後の分裂騒動関連で、日本テレビの同じ体質については身を持って経験しました。その体質とは、

「最初持ち上げておいて、報道したら後は知らない、報道した者勝ち」

「まあ視聴率の為に人を騙して、大変だね…」というのが小生の感想です。これはあくまでオウム報道に関する個人的感想であり、日本テレビが常習的に詐欺・騙しを行っているという根拠も主張も持ち合わせておりません。

　しかも２００７年の報道の誤報の際、日本テレビ側から「私が責任を持ちます」ということで出てきたのが末端の人間だったから、それも呆れた理由です。日本テレビに限らず、どこの企業でもまずい対応があると、「その担当者は移動になりました」とかやります（銀行とか）。それが見え見えだったので、もう日本テレビの人には名刺すらもらわないつもりでいます。今後そんなに報道すべき内容もないでしょうけど。