米連邦最高裁:同性婚を容認 「男女間条項」違憲判決
毎日新聞 2013年06月26日 23時34分(最終更新 06月27日 01時07分)
【ワシントン及川正也】米連邦最高裁は26日、結婚を男女間のものと規定する結婚保護法(連邦法)の条項を「違憲」とする判決を下した。同性婚を事実上容認した内容で、米連邦議会は法改正を迫られる。同性婚を認める州で国が認める結婚の利益を適用可能になる。また、最高裁は同性婚を禁じた米西部カリフォルニア州の住民投票を無効とし、同州は同性婚容認を維持できる見通し。オバマ大統領は「結婚の平等に向けた歴史的前進だ」とコメントした。
連邦最高裁が同性婚について憲法判断したのは初。9人の判事の判断は5対4で連邦法を「違憲」とした。判決では「法律で人間性や尊厳を守ろうとする州の判断に勝る正当な目的が国にない」と指摘。連邦法は同性愛者から平等の権利を奪い「(自由・財産などを保障した)合衆国憲法修正第5条に違反する」と指摘した。
これまで同性婚カップルは、国が男女の夫婦に適用する税制や社会保障の優遇措置の対象外。一方、全米50州と首都のうちニューヨークなど北東部中心の12州と首都は同性婚を認めている。判決により、これらの州・首都でも国の優遇措置が受けられることになる。
同性婚が違法の南部テキサスなど35州に影響はない。オバマ政権は連邦議会に法改正を求めるとみられる。
結婚保護法は民主党のクリントン政権時の1996年制定。これに対し、ニューヨーク州の同性婚女性が、同法が財産の保障を定めた合衆国憲法違反だと提訴。女性は配偶者からの遺産相続が認められず多額の課税を受けていた。