皆さん
こんにちは。写真家の安世鴻です。いつも応援していただきありがとうございます。
最近、中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」ハルモニの恨(ハン)に満ちた人生について書いた本の出版の準備で忙しい日々を送っておりました。2003年にハルモニに出会い、時には涙を流しながら、時には笑顔を浮かべながら交わした話を忘れないように夜を徹して文章にしたためました。いつかは整理しなければと思ってはいたのですが、結局10年もかかってしまいました。

今まで写真展を通じて多くの方々にハルモニの姿をご覧頂きました。その場でハルモニがどのように暮らしているのかご質問をいただきました。どのようにお答えすべきか考えておりましたところ、日本の出版状況が決していいとは言えない中で、大月書店さんから写真集を出して欲しいという提案を頂戴しました。そこでギャラリーの外では写真だけではなく、ハルモニの言葉を直接伝えるべく写真とともにエッセイを付け加えてはどうかと逆に提案しました。その結果、ご快諾を頂いて出版することとなりました。

文章を書いては消し書いては消しを繰り返すこと数ヶ月。ようやくみなさんのおかげで出版にこぎつけました。写真の質感を出来る限り忠実に伝えるために、何度も印刷を繰り返し、テスト結果に合わせて分解したりもしました。複数の表紙案を作成、選定し、細部に至るまでデザインし素敵な本が出来上がりました。

この本を通じてより多くの方々にハルモニたちが経験した、決してあってはならないことについて知っていただければと思います。そしてその苦しみを最期まで抱き続けたハルモニたちの痛みを知ることにより、戦争のない世の中、女性の人権が蹂躙されることのない世界になればと考えております。

本の中のハルモニたちの多くは既にあの世に旅立ちましたが、何人かは韓国と中国で健在です。そして、本には出てきませんが、アジア各国数百人の元「慰安婦」の被害者女性が苦しみの中で生きています。重重プロジェクトではパンフレットを販売してその収益を中国のハルモニたちとフィリピンのロラたちに渡しています。皆様の真心が積もり積もってより大きな真心となりました。その真心が通じたのでしょう。「私なんかよりもっとかわいそうな人に渡してあげて」と言いつつ涙を流したハルモニもいました。

皆様の出版サポートと本の販売で得た収益金も日本軍「慰安婦」被害者の方々に会いに行くための費用と彼女たちの支援に使わせて頂きたく思います。皆様のご支援が「慰安婦」問題解決の小さくとも力強い力になると信じてやみません。
どうか出版サポートへの積極的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2013.6
安世鴻

 

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