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「ベイリーが（本来の調子を取り戻して）帰ってくれば、そこで（クローザーの仕事は）終わりやし、ボクはそれまでのつなぎ役」と考えているのだ。もちろん、重要な仕事を任されているという自覚はある。「役割に関係なく、誰もが勝つためにやるべきことをやっているわけで、ボクもチームが勝つことしか考えていない。ただ、今は、自分が打たれたら負けるというポジションにいるわけですから、そこはしっかり考えてやっていますよ」

　どのチームもクローザーがブルペンに入るのは５回ごろ。それまではクラブハウス内で過ごしてもいいし、トレーニングルームで試合の映像を見ながら準備をしてもＯＫ。これがクローザーに認められた特権なのだ。ところが、である。上原はセットアッパー時代と同様、ホームゲームでは田沢とともに２回裏終了後にブルペンに入る。田沢も“特権”を行使しなかったが、これは年上の上原より後にブルペンに入るわけにはいかない、ということだろう。

　なぜ、ルーティンを変えないのか。上原はこう明かす。「別にロッカーにおってもね。あまりクーラーにあたりたくないというか。投げるのは外やし、気持ちいいところにいると体がなまってしまいますから」

　そしてもう一つ。「それに、５回まではみんなブルペンでしゃべっているんです。遅く行ったらみんなしゃべらんような状況になっているやろうしね。だから、早く行って（ブルペンで）みんなとしゃべって、一度はリラックスしておきたいんです」

　ブルペンでの過ごし方、試合への入り方、仲間とのコミュニケーションなど中継ぎとして確立してきたものを変える必要はないということだ。

　開幕前の下位予想をあざ笑うかのようにレッドソックスは公式戦の折り返し地点を過ぎても、ア・リーグ東地区首位をキープしている。上原は「順位とか、何試合したとか、そんなのはもう…。とにかく行けるところまで行くしかない。それだけ」と、シンプルに日々の戦いに臨んでいる。

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