(セ・リーグ、広島1-3阪神、9回戦、阪神5勝4敗、5日、マツダ)フルスイングした力強い打球は、低いライナーのまま伸びた。一塁をまわると、新井は驚きの表情をみせた。左中間フェンスをギリギリで越える9号ソロ。西岡欠場の暗いムードを一掃し、勝利につなげた。
「どんどんいこうと思った。先制点を取られた後だったから、よかった」
1点を先行された直後の二回一死。6月8日のロッテ戦(甲子園)以来、14試合ぶりの一発だ。和田監督は「ここにくると、新井はすごい打撃をする」と目を丸くするほどの弾道だった。マツダスタジアムでは41試合で打率・299、5本塁打、31打点。しかし、恒例にしているベンチ前のパフォーマンスには、いつも無邪気な笑顔で待つ背番号「7」の姿がなく、中途半端に終わった。“新井イジリ”の主犯格は体調不良で欠場。だからこそ、勝ちたかった。