(セ・リーグ、広島1-3阪神、9回戦、阪神5勝4敗、5日、マツダ)鮮やかな変身でチームを救った。蒸し暑い広島の夜に、メッセンジャーがクールに仁王立ちだ。これまでの苦投から見違えるような、106球の省エネ快投。力強く連敗をストップした。
「フジイサンが試合中もいっぱい話をしてくれて、ずっと納得する状態で投げられたよ」
立ち上がりこそつまずき先制を許したが、そこからも変身した。味方が2-1と逆転に成功した直後の二回には一死二、三塁のピンチを背負ったが、会沢を高め147キロで空振り三振。代打の迎もファウルで粘られたが負けず、フルカウントからの7球目、150キロ直球で空転させた。
変化球は制球が冴え、直球で押し込んだ。「野手のみなさんがよく守ってくれたおかげだよ」。テンポの良さも際立ち、三回以降はわずか1安打。9回5安打1失点で5月23日のロッテ戦(QVC)以来、43日ぶりの7勝目を無四球でやってのけた。
和田監督も「きょうはモデルチェンジというか2ストライクまでは抑えてコース、コースに制球を重視して、追い込んでから腕を振っていた」と目を見張った。前回完投した5月10日のヤクルト戦(松山)では142球を投じたが、この夜は大幅減の106球だった。