フルスイングで振り切った打球は、スピンの効いた低いライナーとなって伸びる。そのまま左中間フェンスを越えた。1点を先行された直後の二回一死から新井貴が同点の9号ソロを放った。
「ランナーなしだったので、思い切っていきました。先制された直後に取り返せてよかったです」
6月8日のロッテ戦(甲子園)以来、14試合ぶりの一発。これで5試合連続安打となった。この流れに次打者の今成が乗った。右中間へ1号ソロで勝ち越した。
「プロ入り初のホームランだったので、自分でもびっくりしています。まさかスタンドに入るとは思いませんでした。新井さんに続いていい結果になってよかったです」
打力がウリで、捕手登録も外野手で出場している今季。実はプロ8年目で初本塁打となった。2011年9月30日の中日戦(甲子園)で新井貴、ブラゼルが放って以来、2年ぶりとなる2者連続アーチ。三回には先頭のメッセンジャーが中前打、坂が右前打などで無死満塁となり、鳥谷の二ゴロ併殺打の間に3点目をあげた。
投げては、メッセンジャーが追撃を許さず1失点完投。チームは連敗を3で止めて、貯金は再び「9」。7月初勝利で虎が勢いに乗る。