2回、新井貴に9号ソロを許した武内

＜広島1-3阪神（5日）＞また４位転落…。広島は５日の阪神戦（マツダ）は１ー３で敗れて連敗を喫した。先発・武内が２回に連続アーチを浴びて２失点すると、野村監督はすぐに継投策を決断。今井、久本、上野のリリーフ陣は踏ん張ったものの、打線が貧打に陥り反撃することができなかった。特に主砲・エルドレッドの不調は深刻で指揮官の頭を悩ませている。

　武内の初勝利への挑戦は２イニングで終わった。１点リードの２回一死から５番・新井貴に直球を左翼席に運ばれた。続く今成にも高めに浮いた直球を右翼席に運ばれ、この回２点を失った。

　この時点でスコアは１ー２。だが「武内らしい投球ができていなかった。（虎打線に）捕まるのは見えていた」（野村監督）と、広島ベンチはその裏の二死二、三塁の好機で打席を迎えた武内に代打・迎を投入。あっさり武内を見切るまさかの継投策に出た。

　先週の阪神戦では６回まで無安打に抑えるなど７回１失点の好投で勝利投手の権利を得た。しかし、８回にチームが逆転劇を食らったことでプロ初勝利はお預け。それだけに、今度こそ先輩としての意地を見せたいところだった。武内は阪神の右腕・二神と法大時代の同級生。「加賀美や三嶋（ともにＤｅＮＡ）が頑張っているので、お互い頑張ろうという話をしている」（武内）。先に一軍で初勝利を挙げた法大出身の後輩に負けじと奮闘することを、同期と誓っていたのだ。だが、それもかなわず「調子が悪かった分、抑えてやろうと力んでしまった」と肩を落とした。

　後を継いだ今井は３回に１点を許すものの、３イニングを１失点にまとめ、３番手の久本は３回無失点と完璧なリレー。このところ早い回からの出番が増えている中継ぎ陣が粘りを見せた。しかし、この日は打線が最後まで湿りっぱなし。初回に丸の適時打で先制点を奪ったものの、その後は阪神・メッセンジャー攻略の糸口をつかめなかった。

　特にエルドレッドが不調だ。ここ７試合で２８打数４安打と大ブレーキ。指揮官は「考えないといけない。打線が勢いに乗っていけない」と示唆したが、新助っ人・キラも二軍戦での成績が芳しくなく、一軍に上げることが厳しい状況だ。この日は７３試合目となりシーズンは折り返したところだが、打線の復調が重要な課題になりそうだ。