強い口調で今後の戦いへの意気込みを表すグランパスのストイコビッチ監督=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)が5日、J2落ちしたG大阪の二の舞いにはならないと宣言した。優勝を狙うと強調し続けてきたが、中断明け初戦の清水戦(6日・豊田ス)を翌日に控えて目標を下方修正。同じように豊富な戦力を抱えていたG大阪のJ2陥落を引き合いに出し、気の緩みを戒めた。
タイトル奪回を唯一無二の目標に掲げてきたストイコビッチ監督が軌道修正した。清水戦を前に抱負を問われ、「前半戦の状況や今の順位を見れば明らか。われわれのターゲットはJ1残留になる」と明言した。
残り21試合は「残留」が第一目標に。弱気になったわけではない。発言の真意は、今もチーム内に漂う「まさか降格はしないだろう」という楽観論を戒めるためだ。
ピクシーはこう言う。「昨年のガンバのようになってはならない」。日本代表の遠藤、今野を擁するG大阪もJ2へ降格した。昨年の13試合消化時点でのG大阪の勝ち点は9で、現在のグランパスの12と大差はない。
MF小川も指揮官の見方に同調する。「まだ先は長いとは思うけど、1年前のガンバもそう思っていたでしょうね」。強い危機感を持ち続けて戦うべきだと語った。
1カ月半に及んだ中断期間で、ピクシーは立て直しへ積極的に動いた。フォーメーションは中断前の4−2−3−1から4−4−2へ変えた。4、5日の両日は異例の非公開練習で締めくくった。ピクシー政権下では過去に例がないほど戦術練習を繰り返した。
「何かを変える必要があった。練習はスーパーハードになったが、選手はそれに応えてくれた」とピクシーは手応えを語る。新しい戦い方は浸透しつつある。「今のメンバーが疑いなくベストメンバー。戦う準備はできた」。指揮官の思惑通りに選手が答えを出せば、G大阪のような「まさか」が再現されることはない。 (木村尚公)
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