反日民主党は「脱原発」で日本破滅を目指す

●左翼は消滅などしておらず、正体を偽装して日本を破滅させる革命を遂行している

 民主党政権は去る9月14日、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定した。「2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」等々と述べる「戦略」である。経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体のトップは、9月18日異例の共同記者会見を開き、「極めて不見識」「到底納得できない」「ゼロから作り直すべきだ」と強く批判した(読売新聞2012年9月21日)。

 一方の自民党は、当時は総裁選挙戦中であったが、5人の候補者とも「30年代に原発稼動ゼロ」については一応は批判したものの、経済団体トップの批判のような強いものではなかったし、その後も根本的な批判は今に至るも全くなされていない。これは自民党の思想性が原因である。民衆に迎合した結果でもある。

 民主党とは、左翼(共産主義勢力)が支配する反日の違憲政党であって、自由主義の日本と市場経済の日本を憎悪して、日本破滅を目指している勢力である。「内なる侵略勢力」だ。日本は、国家の中枢を彼らに侵略され占領されている状態にある。私たちは、この民主党認識を獲得しなくてはならない。「革新的エネルギー・環境戦略」も、日本のためのものでは断じてなく、日本を破壊し破滅させていくための手段である。「上からの反日革命」なのだ。この認識の地平から、批判はなされなくてはならないのであるが、自民党には完全に欠落している。それは経済団体にも言えることである。

 従来のマルクス・レーニン主義の「革命スローガン」や「用語」を使う勢力が、ほとんどいなくなったからといって、左翼は消滅したとか超激減したのだと考えることほど、非現実的な考えはない。左翼は、すぐには左翼だと分からない「新しい革命スローガン」を用いて戦うように、戦術転換をしているのである。とりわけ1991年のソ連消滅以降は、正体を偽装して国民を徹底的に騙す戦術を採るようになっている。「脱原発」も「地球温暖化対策」もそうだし、「脱官僚」も「中央集権体制の打破」もそうだし、「地方分権・地域主権・道州制」もそうである。そのために、普通の国民だけでなく、自民党など保守派の多くもこれに洗脳されてしまっている。

 毎週金曜日に首相官邸前で、左翼が「即時の脱原発(即時運転停止と廃炉)」を掲げて、デモなどの示威行動をしている。彼らは大飯原発3号機、4号機を再稼動させた野田民主党政権をも批判し、直ちに原発を廃止しろと突き上げている。

 野田民主党政権は、こうした即時の脱原発運動を大いに利用して、自らの「革新的エネルギー・環境戦略」を作っていったのである。その一方で野田民主党政権は、我々は官邸前で展開されているような即時の原発廃止には与しない。それを批判して当該「戦略」を策定したとして、自らを「非左翼」だと自民党らや国民に印象づけて、正体を偽装するのにも彼らを活用しているのである。

 民主党政権が、「即時の脱原発」を政策にしないのは、ものごとがよく分っているからである。そんな政策を打ち出せば、直ちに選挙で政権の座を追われてしまい、国会の議席数も共産党や社民党並みになってしまう。しかも政権を奪回した自民党政権によって、その政策は直ちに破棄されてしまうことになる。つまり民主党政権が直ちの原発廃止を打ち出すことは、自らの首を絞めるだけであることを、民主党のプロの左翼たちは理解しているわけである。両者の運動の上の方(プロの左翼同士)では、ちゃんと役割分担をして連携して、運動をすすめているのである。民主党政権は、このように相当に狡猾である。本物の左翼とはそういうものだ。保守派は左翼を知らなすぎるのだ。

 左翼は「反日反米」であり、民主党政権もそうである。しかし民主党は言葉では、「国益を守る」とか、「日米同盟が日本の外交と安全保障の基軸である」と言うのである。これも上記と同じような理由である。「反米」「日米同盟破棄」などと言ってしまったら、すぐに政権を追われてしまい、議席数も両院ともひと桁になってしまう。本物の左翼は、平気で国民を騙すのだ。

 共産党や社民党の「公然化した部分」が左翼の主力なのではない。それは左翼のごく一部分であり、主力は民主党を支配する左翼のように左翼だと分からないように正体を偽装して戦っているのである。共産党や社民党の公然化した部分は、日本国民を安心させ油断させ(左翼はこんなに少数になったと)、「民主党などの(左翼の)正体」を隠してやる役割を与えられているのである。民主党は、「健全なる体制内政党」ではなく、日本を破滅させる反日革命を(反日と言わずに)遂行している「内なる侵略勢力」なのである。保守派はいいかげんにそのことに気付くべきである。

●民主党は「革新的エネルギー・環境戦略」で、日本の破壊・衰退と国家統制型社会(スターリン型社会)への改造(革命)を目指す

  「革新的エネルギー・環境戦略」の内容はどういうものなのか。2010年の全発電量に占めるエネルギー源別比率は、火力発電が約6割、原発が約3割(29%)、再生可能エネルギーが約1割(9%)である。ただし、再生可能エネルギーでは水力発電がほとんどを占めていて(8%)、太陽光、風力、地熱発電は、全体のわずか1%余りに過ぎない。

 民主党ら左翼は同「戦略」で、「2030年代に原発稼動をゼロにする」とした。そして原発を再生可能エネルギーで代替するとして、「再生可能エネルギーを社会の基盤エネルギーとして確立して、2030年時点で2010年比の3倍に拡大する」とする。これで原発と同じ約3割になる。

 しかし火力約6割、再生可能エネルギー約3割なので、2010年と比べて約1割の電力量が不足する。火力発電を7割に増やしたら、温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量が増えて、地球温暖化対策に逆行するから、それは出来ない。そこで同「戦略」は、「2030年までに2010年比で年間1100億キロワット時の電力量を削減する省エネ投資をする」とするのである。だがこれだけでは、温室効果ガスの排出量は2010年と変わらない。従って同「戦略」は、地球温暖化対策として温室効果ガスを削減するために、「2030年までに石油換算で年間7200万キロリットルを削減する」とするのである。いずれの削減数字も、2010年の消費量の1割以上に相当する大幅なものである。

 民主党政権と左翼が、同「戦略」によって、意図的に電力不足と電気料金の大幅上昇を作り出し、また省エネ導入で巨大なコスト増を作り出して、日本企業の競争力を奪い去り、また化石燃料消費量の削減でも生産活動を縮小させて、「憎き自由主義・市場経済の日本」を徹底的に破壊し衰退させることを目指していることは明白である。もうひとつ目的があるが、これは後述する。日本が発展していくためには、電力量も伸びなくてはならない。だが同「戦略」は逆に1割以上削減することを強制するのである。野田民主党政権は、経済界からの声に一切耳を貸すことをせずにこの「戦略」を策定したが、それは上記の目的のためである。彼らにとって、日本は敵なのだ。

 同「戦略」の推進によって、日本産業は空洞化し、倒産は激増し、失業者は溢れることになる。日本国民の生活水準は大幅に低下し、自殺者も増大する。もちろん国防費は大きく削減されてしまう。国民の国防意識は一層形骸化する。経済産業省の官僚の試算によっても、同「戦略」を推めると、2030年の日本の国内総生産は約50兆円も減少することになる。電力量を1割減らせばGDPも1割減ることになるのだ。家庭の電気代も電気代を含む光熱量も、2010年の2倍にもなる。経団連は、失業者は2030年には200万人も増えると試算している。しかし実際は、いずれももっと大きな数字になる。前述したように、経済界は一斉に強い批判の声を挙げて抗議した。当然のことである。しかしながら、自民党は余りにも微温的である。

 9月19日に「原子力規制委員会」(田中俊一委員長)が発足したが、田中委員長は電力需給の逼迫は一切考慮せず、(原発の再稼動の前提になる)「安全基準の策定」に時間をかけ、来年2013年の7月までに策定すると言明した。もちろん数ヶ月前に野田内閣は、「残りの48基の原発は、今後設置される原子力規制委員会が新たに安全基準を策定して、それによって再稼動の是非を判断していく」と決定していたし、同「戦略」でもそう言っている。つまり48基の原発の再稼動を、早くても来年の7月以降にズレ込ますのは、野田首相ら民主党の左翼の幹部たちの意志なのである。日本憎悪の現れである。

 <法>の支配に基づいて、「国家反逆罪」がもし制定されていれば、同「戦略」を策定した民主党政権と原子力規制委員会の主要メンバーは、この罪で銃殺刑に処されても当然のところである。それなのに、保守を自認する自民党から満腔の怒りの糾弾の声は発せられない。自民党は心ある国民の先頭に立って、街頭でも抗議の戦いを組織しようとしていない。新総裁になった安倍晋三氏は、総裁選挙の「公約」に、「脱原発依存」(新たなエネルギー源を得た段階で、原発を代替していく。今の時点で2030年代に原発稼動ゼロと言うのは間違いだ)を盛り込んでいた。完全に間違った思想であり、これでは全く戦っていけないのだ。考え方を改めていかなくてはならない。

 1年間原発が停止すると、火力発電で代替するしかないから、化石燃料代が年間で3兆円以上余計にかかる。国民1人当り3万円に相当する国富が、外国へ流出してしまうのである。仮に人の命の値段が3億円(生涯賃金が3億円として)としたら、10000人以上の命を奪うことに匹敵する損失だ。民主党政権は原発を止めることで、このように日本に出血を強いているのである。

 さらに、1年間原発を火力発電で代替すると、次のことが生じる。日本では、火力発電所から出る大気汚染物質(硫黄酸化物、窒素酸化物)が原因で、毎年6300人が亡くなっているから、原発を止めてしまうと、さらに年間約3000人が上乗せして亡くなることになるのである。この3000人は、野田民主党政権と原子力規制委員会が、原発を直ちに再稼動させないことで意図的に殺していく人々である。前菅民主党政権も同じことをやった。

 大津波では約2万人が亡くなったが、福島第一原発の「事故」では、一人の死者さえ出ていないのだ。放射線被曝が原因で将来ガンで亡くなる人も一人として現れない。原発は十分に安全なのだ。しかし、日本を憎悪する左翼の民主党政権とその他の左翼は、これをチャンスとばかりに、左翼のエセ専門家を総動員して、その嘘理論(反科学理論)をNHKなどの左翼マスコミで大量宣伝して、「放射線の恐怖」という嘘を捏造して、日本人を洗脳したのである。情報心理戦、思想戦だ。「革新的エネルギー・環境戦略」によって、日本を破滅させていくためである。保守派は思想的に完全に負けてしまっているのである。

 「革新的エネルギー・環境戦略」の反日性はそれだけではない。これは経済団体も批判していないことだが、民主党反日政権は同「戦略」によって、国家が、再生可能エネルギー拡大のために、省エネ実現のために、温室効果ガス削減のために、企業と家庭に「あれをしろ」「これをしてはならない」と強制する「国家統制型社会」(スターリン型社会)を作ろうとしているのである。これは次節で書くことにしよう。

●民主党政権は自由主義・市場経済の日本を、同「戦略」によって国家統制型社会に改造する

  経産省が政府の「エネルギー・環境会議」に提出した資料によれば、再生可能エネルギーを2030年に2010年比で3倍に拡大するために必要とされるコストは50兆円である。2030年までに電力量を2010年比で1割以上削減したり、温室効果ガス削減のために、化石燃料を石油換算で2030年までに2010年比で1割以上を削減するために必要となるコストは100兆円である(読売新聞2012年9月8日他)。つまり民主党政権は、これだけの巨額な費用を2030年までに企業と各家庭に強制するのだ。もちろん原発稼動をゼロにせず、これまでのように稼動させていけば、全く不要なものである。

 国家は、昨年8月全会一致で成立した「再生可能エネルギー買取法」で、太陽光、風力、地熱、中小水力の再生可能エネルギーの全量を、高い固定価格で電力会社に強制的に買い取らせていくのである。そして各家庭や企業が、電力会社の買い取り費用を電気料金への上乗せという形で、負担させられることになる。今後、再生可能エネルギー量が拡大していくので、負担はどんどん大きくなっていく。

 しっかり考えてもらいたい。固定価格での強制的全量買い取り義務(最長20年間)とは、私有財産制度とそれを基盤にする自由な市場経済制度の否定である。共産主義体制と同じの国家統制経済だ。自民党らは、こんな共産主義法に賛成したのである。

 民主党政権は太陽光発電を拡大するために、菅前首相が2011年5月26日のパリ・サミットでぶち上げたように、1000万戸の家やビルの屋上に太陽光発電パネルを事実上の強制で設置させていく。設置費用は一戸200万円ほどかかるのだ。このソーラーパネル設置工事では、転落事故死する人も多く出る。

 国家はさらに、消費電力量を1割以上削減するために、企業と家庭等に省エネ投資を義務づけていくのだ。既存の空調機器は省エネ性能が劣るとして、改修が義務づけられる。新築住宅やビルは省エネ基準が引き上げられることになる。なにしろ2030年までに、省エネと温室効果ガス削減で100兆円のコストというのであるから、生産活動と家庭生活と社会生活のあらゆる面で、省エネが義務づけられていくことになる。

 温室効果ガス削減に関しても、国家は工場等の重油ボイラーを原則禁止し、ガソリン車の市街地への乗り入れも規制するようになる。重油ボイラーを禁止されたら、生産活動は止まってしまう。ガソリン車の市街地への乗り入れ規制が、生産活動と社会生活を大きく制約し、国民の自由を圧迫することは明白である。

 民主党政権は「革新的エネルギー・環境戦略」で、自由で豊かな日本を破滅させて、国家権力が産業と家庭と社会を統制する、貧しい国家統制型社会(スターリン型社会)へ改造(革命)していくのである。そして破綻させた企業を、どんどん国有化していくのだ。共産主義体制への深化である。企業と国民は、国家を私物化する民主党の奴隷と化していく。こうした批判がほとんどないのは異常である。保守派は思想的に完全に敗北してしまっている。

 野田首相は「原発稼動を2030年代にゼロにすることは、国民の覚悟だ」と言う。もちろん彼が頭に描く「国民」とは、共産主義者のことであり、それを「国民」と転倒させて表現しているのだ。一般国民は洗脳状態だが、しかし原子力に代るエネルギー源はないということになれば、今の生活水準を維持できないと考えて不安になり、考え直してみようということになっていく。それをさせないために、民主党政権と左翼は、「再生可能エネルギーで交替していくことができるのだ」と嘘を言って、国民を安心させ、民主党政権の共産主義政策を支持させているわけである。

 本物の左翼、プロの左翼は、2030年に再生可能エネルギーを2010年の3倍にして、約3割にすることはできないことをちゃんと理解している。耐震基準を満たす家屋とビルが1000万戸有るのかどうか知らないが、仮に有ったとしても、1000万戸に3.5キロワットのソーラーパネルを設置しても、1年間の発電量は2010年の総発電量1兆1000億キロワット時の約3.3%程にすぎないのだ。それは、設備の稼働率がわずか12%にすぎないからである。太陽が出てなければ発電できない。日本は日照時間が少ない国である。

 100万キロワットの原発(稼働率80%とする)1基を、太陽光発電で代替するときに必要となる面積は、約67平方キロメートルであり、山手線の内側の面積約65平方キロメートルとほぼ同じである。同原発1基を、風力発電で代替するときに必要になる面積は、約248平方キロメートルであり、山手線内側の面積の約3.8倍にもなる。

 こうなるのは、太陽光や風力のエネルギー密度は、原子力のエネルギー密度に比べて余りにも小さいためである。原子力は石油の150万倍、石炭の300万倍のエネルギーを生むのである。日本最大のメガソーラー発電所は、海上に11ヘクタールの敷地を持つ「浮島太陽光発電所」(最大出力7000キロワット)と、その近くの埋め立て地に37ヘクタールの敷地を持つ「扇島太陽発電所」(最大出力1万3000キロワット)であるが、2つが1年間で発電する2110万キロワット時の電力量は、100万キロワットの原発なら、たったの21時間で発電してしまうのである。

 日本の原子力発電所は、原子炉を3基から5基程併設するから、1つの原子力発電所を太陽光発電や風力発電で代替するために、必要な敷地面積は、実際には上記の3倍から5倍の面積が必要になる(藤沢数希氏『「反原発」の不都合な真実』80、81、85頁参照)。日本には原発を代替できるような土地自体がないのだ。

 このように民主党の「革新的エネルギー・環境戦略」は、初めから不可能なものであり、「愚かな国民」を騙し、かつ利用して(すなわち「国民からの意見公募(パブリックコメント)」、「意見聴取会」、「討論型世論調査」)策定したものである。その狙いは、安全な原発をゼロにして、電力不足と電気料金の大幅値上げによって、憎き日本を破滅させていくことである。また再生可能エネルギーの拡大、省エネと温室効果ガス削減で、日本を貧乏な国家統制型社会、共産主義体制へ改造(革命)していくことである。「国民主権」は<法>に違反していて無効である。「国民主権」とは、独裁へ至っていくものなのである。民衆は全体主義を支える存在なのである。

●原発は十分に安全であるー直ちに再稼動せよ

 東日本大震災ではその巨大津波によって約2万人の人が亡くなった。しかし福島第一原発の「事故」では、たったの一人の死者もでていない。将来ガンで死亡する者もいない。原子炉はちゃんと緊急停止して、核分裂は止まった。巨大地震にも原発はビクともしなかった。外部電源は絶たれたが、緊急用ディーゼル発電機が正しく稼動した。しかしその後に襲った巨大津波で、緊急用ディーゼル発電機が不能となり、バックアップ用の蓄電池もやがて空になり、冷却ができなくなり、建屋内で水素爆発もおこり、放射性物質が外部へ放出されることになったのであった。

 緊急用ディーゼル発電機を高い場所に設置する。電源車を高台に用意しておく。可搬式動力ポンプやホースを高い所に用意する等の、「簡単な対策」を実施しておけば事故にはならなかった。これらは2011年3月30日に、原子力安全・保安院が「緊急安全対策」として各電力会社に早急に取り組むよう発令したものである。そして、すぐに実施されていったものだ。つまり福島第一原発の「事故」は、「人為的な誤り」によるものである。

 しかしここには、左翼の反原発運動が深く関係しているのだ。たとえば、緊急用発電機を高い場所へ設置し直す場合で考えてみよう。設置し直すと、左翼マスコミがその理由を追及する。電力会社や原子力安全・保安院が、もし「可能性は小さいものの、巨大津波対策である」と答えれば、どういうことになるだろう。「原発は巨大津波に対して安全ではない!」と猛烈な反原発キャンペーンがなされて、定期検査で運転停止した後に、地元自治体がOKを出さないことになり、再稼動できなくなってしまうことが容易に想像されることになるのだ。だから関係者は、「シビア・アクシデント(過酷事故)」は想定せず、「安全だ」としてきたわけである。

 もちろん国家と企業のエリート集団は、そのような左翼と闘って「シビア・アクシデント」対策も講じていくべきであった。でも日本には、そのようなエリートはいなかったということである。しかしながらもし、左翼がほとんど存在しないのであれば、現在のエリート集団であっても、「シビア・アクシデント」対策も採れたであろう。本当に左翼は悪である。常にリスクを想定する国防、軍事を主体的に担う国家でなければ、エリートはエリートの資質を身につけていくことはできないのである。

 津波対策の安全規制を誤ったために、2万人の人々が命を落した。国と地方自治体がその安全対策の主体である。一方、原発も「シビア・アクシデント」対策を欠落させたために、福島第一原発の「事故」となったが、一人の死者も出なかった。それなのに前者は全く批判されず、後者のしかも東京電力のみを糾弾している日本は、異常すぎる国である。今の日本は、共産主義政党の民主党が侵略支配している左翼国家である。戦前の「軍国主義時代」の左翼国家日本と同じである。性格は異なるが。

 菅直人前首相(共産主義者)は、昨年4月11日に「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」を設定し、4月22日に「警戒区域」を設定して、住民を強制的に故郷から連行した。だがこれは、全く不必要な避難であったのだ。

 文部科学省による、2011年3月11日の「事故」から1年間の積算線量予測によれば、一番高い地区は原発から3キロメートルの大熊町小入野で、508.1ミリシーベルトである(2011年8月21日読売新聞)。2番目に高いのは、原発から2.5キロの大熊町夫沢の393.7ミリシーベルトである。次は200ミリシーベルト台が2ヶ所(233ミリシーベルトと223.7ミリシーベルト)、次は100ミリシーベルト台が12ヶ所である(中川八洋氏『脱原発のウソと犯罪』17頁の表1を参照した)。

 文科省は外で8時間、木造家屋内で16時間過す。家屋内では放射線は60%遮断されるとして計算している。また放射線が時間の経過とともに減衰していくことも、ちゃんと考慮されていると判断される。ただし、人は裸で生活しているのではなく、衣服を着ている。マスクもする。それによって、少なくとも外にいるときは30%が遮断されるが、外の8時間の線量に70%を掛ける「補正」はなされていない。

 この「補正」を行うと、1番多い地区の508.1ミリシーベルトは423.1ミリシーベルトに、2番目の393.7ミリシーベルトは328ミリシーベルトになる。3番目の233ミリシーベルトは194ミリシーベルトになる。

 これらの地区の人々は避難の必要があるのかどうかであるが、その必要は全くないのだ。またこれらの線量には、事故直後の放射線ヨウ素131がカウントされているため高い数字になっているが、ヨウ素131は約2ヶ月で減衰してほぼ無くなってしまうのである。だから半年後の空中線量は、平均で事故直後の最大値の6.5%になっている(中川八洋氏前掲書30頁の表4、「朝日新聞」2011年9月11日付参照)。半減期の長いセシウム137も減衰していく。その次の1年間の線量は上記の数字よりずっと小さなものになるのである。

 オックスフォード大学で長年、核物理学と医療物理学を研究してきたアリソン名誉教授は、中川八洋氏によれば、「3.11」からまだ日が経っていない3月26日に、BBC放送で、日本人へ「警告」を発したのであった。それは、多数が死亡した津波被害に比し、死者ゼロの原発事故で狂騒する日本は間違っている。日本人は放射線被曝に過剰に反応しすぎており、自宅や故郷から逃げるのは止めなさい、というものであったという(中川八洋氏前掲書37頁参照)。

 アリソン氏は『放射線と理性』(初版2009年刊)に、「エピローグ フクシマ2011」を追加して、緊急に邦訳出版している(2011年7月31日刊)。アリソン氏はその「エピローグ」の中で、「日本の場合も・・・・強制避難が家族とコミュニティーと経済にダメージを与えてきた。避難区域の規定に使われた線量レベル(20ミリシーベルト毎年)はあまりにも低すぎ、退去の必要のない大勢の人が避難を余儀なくされた。国民の権利を侵害する社会経済的「手術」の基準は、相対的に高く設定されるべきであり、上限100ミリシーベルト毎月あたりが妥当だろう。この水準でも、放射線治療で健康な細胞が浴びる線量〔分割して1ヶ月で約30000ミリシーベルト。同書158頁〕の200分の1程度である」(266頁)と書いている。

 毎月100ミリシーベルトは、1年間で1200ミリシーベルトである。アリソン氏は、このとき健康に一切害はないと言う。

 放射線治療では、1回に約2000ミリシーベルトを患部に照射する。これを週に5回行い、それを5週から6週続けて、計30回前後行う。合計線量は60000ミリシーベルトである。このとき、周囲の健康な細胞もその半分、つまり1回につき1000ミリシーベルト、合計で30000ミリシーベルトを被曝する。しかし健康な細胞は1000ミリシーベルトを被曝しても、1日(もっと言えば数時間)で修復されるのである。だから週に5回、それを5から6週にわたって照射できるのである(アリソン氏の同書156頁から162頁を参照した)。

 これから考えれば、アリソン氏が述べた「上限100ミリシーベルト毎月」も、まだ随分低すぎるということになるはずである。もっと高く設定しても十分に安全なはずだ。アリソン氏も毎月200ミリシーベルトを認めてもよいとしている(同書229頁参照)。

 更に低レベルの放射線には、健康を増進し、ガンを抑える「ホルミシス効果」がある。アリソン氏も、英国の放射線作業員17万4541人の健康に関する研究を行った人の研究結果を紹介していた。作業員は自然放射線分を差し引くと、平均して24.9ミリシーベルト一般の人より多く被曝していた。作業員のすべてのガンについての死亡率は、同じ階層の一般の人々のガン死亡率の81%から84%のレンジに収まっていたのだ(同書159頁参照)。

 既に以前の論文で紹介した米国ミズリー大学名誉教授のラッキー氏は、核施設労働者800万人年のガン死亡率と、一般平均サンプル700万人年のガン死亡率を比較し、平均して前者は後者の52%になっていることを明らかにしている。被曝線量が多くなるに従い死亡率は低下し、100ミリシーベルト付近になると、一般平均の20%以下になっているのだ(ラッキー氏『放射線を怖がるな!』。翻訳・解説茂木弘道氏。2011年8月6日刊。95頁参照)。

 コーエン博士がアメリカで70万世帯を対象に行った実験観察結果もある。家庭内の放射性物質のラドン濃度が上っていったときの、肺ガン死亡率との関係を観察したものである。ラドン濃度が上っていくと、それに正比例して肺ガン死亡率が減少している。ほぼ濃度がゼロに近い家庭での1万人当りの肺ガン死亡率は7人強であるのに対して、濃度が上るにつれ死亡率は減少し、年間40ミリシーベルトでは、ほぼ4人と半減している(同書95頁参照)。

 1回だけの急性放射線被曝の場合でも、広島と長崎の原爆被曝生存者の調査から、ラッキー氏は200ミリシーベルト未満の被曝者のガン死亡率は、被曝しなかった一般の人のガン死亡率よりも低くなっていることを図で明らかにしている。急性放射線被曝におけるZEP値(しきい値)は約200ミリシーベルトである(同書23、24頁参照)。

 イランのラムサールは、世界のどの地域よりも自然放射線が多い。世界平均(3ミリシーベルト毎年)の10倍から100倍の放射線を受けている。ラムサールではガンは稀な病気である(同書107,108頁)、とラッキー氏は述べる。そして、健康増進のためには、自然放射線年間3ミリシーベルトの20倍以上の線量が必要であるとする(同書109頁)。

 ラッキー氏は次のように主張している。「放射線グラフは、しきい値、つまり環境レベル(3ミリシーベルト毎年)のほぼ3000倍までは、どれ程線量が増加しても、私達の健康は増進することを示している」(同書10頁)。

 そして「放射性廃棄物はやっかいな問題ではなく、極めて重要な問題に対する解決策である。私たちは放射線という必要要素が不足した状態で生きている。・・・・放射性廃棄物は、健康増進のための放射線源を提供してくれる」(同書114頁)と結んでいる。

 福島の住民は除染などせず、今すぐ帰宅できるのである。放射性物質によって健康が増進されるからである。

 日本にとって危険なのは原発ではない。原発は十分に安全であり、日本を豊かにしてくれるし、日本人の健康を増進してくれる。原発は直ちに再稼動させなくてはならないのだ。危険なのは、狂った左翼思想を妄信している民主党などの左翼(共産主義者)である。彼らは民衆を洗脳し民衆を利用して、日本を破滅させる反日革命を推進している。彼ら左翼は「内なる侵略勢力」であり、中国、ロシア、北朝鮮の事実上の尖兵であるから、直ちに打倒していかなくてはならない存在なのである。

 2012年10月28日脱

大森勝久


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