巨人−DeNA 3回裏1死一塁、高橋由が右越えに1号2ランを放つ=東京ドームで(沢田将人撮影)
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◇巨人12−7DeNA
巨人が5本塁打で12点を奪い、4連勝を飾った。1−1の3回に亀井のソロ、高橋由の2ランで勝ち越すと、その後も村田の満塁本塁打などで突き放した。内海が6月16日以来の登板で6勝目を挙げた。DeNAは投手陣が崩れた。
もう、「阿部の代役」ではない。4日の阪神戦(甲子園)に続いて4番に座った巨人・高橋由は紛れもない主役だった。3回1死一塁でDeNA・コーコランのツーシームを強振。1号2ランは一直線の弾道で右翼席に飛んでいった。この一発を導火線に打線は2010年8月26日の中日戦(東京ドーム)で6発を放って以来の1試合5本塁打。計19安打の大勝だ。
「シーズンが始まってすぐケガしたので、上がってきてすぐ打てたのはうれしい」と本音を口にした高橋由。万雷のヨシノブコールを聞くと、笑みが自然と浮かぶ。「ホッとしてます」。麻衣夫人とまな娘が見守る中、4番の重責を果たした充実感にひたっていた。
73試合目で飛び出した今季第1号。苦難を乗り越えての一発だった。4月4日のDeNA戦(横浜)で左ふくらはぎを肉離れ。戦列を離れていた間には、「今年は本塁打が出ないのかな」という不安すら浮かんでいた。
しかし、そこは百戦錬磨を重ねた男。「やったことはしょうがない」と苦境を受け止め、地道なリハビリで戦線に戻ってきた。泰然の心は阿部に代わり4番に座る今も一緒だ。「慎之助と同じことはできない。8割くらい開き直って思い切って振ってます」。全力プレーこそ高橋由を支える原動力。これは年輪を重ねた今も変わっていない。
今季6度目の4連勝で貯金は最多の18。原監督も賛辞を惜しまない。本塁打だけではなく、2四球を選んだ姿に「存在感は見事」と感服した。独走態勢に入ったチームを見て「1試合1試合、頑張っていきたい」と意気込む高橋由。ベテランの役割はこれからも欠かせない。
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