広島大学 日本鶏資源開発プロジェクト研究センター

       Japanese Avian Bioresource Project Research Center


日本鶏調査


天然記念物日本鶏品評会 in 門司 (2012年4月29日)

北九州市で開催された天然記念物日本鶏品評会全国大会に参加し、飼育鶏の調査をしました。今回は大軍鶏(おおしゃも)と小軍鶏(こしゃも)の他に、山口県から黒柏が展示されていました。
今回の品評会では、各地の日本鶏愛好家の皆さんと今後の研究や日本鶏の維持管理について、意義深い議論をすることができました。日本鶏の研究は大学や試験研究機関のみならず、実際に日本鶏を飼育している個人愛好家の協力なしには成立しません。

  
会場の様子です。今回の品評会は日本全国で最大規模のもので、多くの愛好家や関係者が参加していました。右の写真は主な参加者での記念撮影の様子です。ここからも、規模の大きさがうかがえます。

  
所狭しと並べられているのは、すべて愛好家自慢のニワトリたちです。ちょうどニワトリの羽がきれいになるシーズンということもあり、思わず足を止めて見入ってしまうニワトリがたくさん並んでいました。

  
日本鶏飼育者や関係者との情報交換は欠かせません。今回の品評会だけでも、たくさんの愛好家の皆様から研究協力をしていただけることになりました。また、今回はポーランドやタイからの参加者もおり、国際的にも日本鶏に関心を持つ人が多くいることを再認識しました。

和歌山県田辺市・第2回龍神地鶏調査 (2012年4月20〜22日)

和歌山県田辺市にて、和歌山県の養鶏研究所と合同で、絶滅の危機に瀕している希少品種「龍神地鶏」の第2回調査を行ないました。今回の調査では、龍神地鶏の飼育者4軒のお宅を回り、「すべての」龍神地鶏に個体番号をつけ、採血を行ないました。また、同時に養鶏研究所がサルモネラ等の衛生検査を実施しました。
このあとは、養鶏研究所が龍神地鶏の増殖を担当し、広島大学がDNA解析を行なう予定です。

  
この後のDNA解析のため、すべての龍神地鶏の採血を行ない、翼帯(個体番号)をつけました。これから生まれてくる龍神地鶏はすべて「血統書付」になります。個体番号は、近親交配を避けるための計画的な交配を行なうためには欠かせないものです。今回の調査は、飼育者の皆様の理解がなければ実現しませんでした。

  
血液とともに、すべての龍神地鶏の写真を撮影し(写真左)、外見の特長を詳細に記録しました(写真右)。龍神地鶏は世間ではまだあまり知られていません。そのため、将来数が増えた時のために、まずは品種の特長の標準をはっきりとさせておく必要があります。

  
代々、龍神地鶏を守ってきた飼育者への聞き取り調査も欠かせません(写真左)。右の写真は、鶏小屋の中に入っているニワトリの個体番号を記録してくれている飼育者の方です。個体番号をつけるのみならず、ここまで積極的に研究に協力してくれる飼育者は、あまりいません。

和歌山県田辺市・龍神地鶏調査 (2012年3月21〜22日)

和歌山県田辺市にて、和歌山県の養鶏研究所と合同で、絶滅の危機に瀕している希少品種「龍神地鶏」の調査を行ないました。
龍神地鶏は現在、約70羽しか現存していない希少な品種です。今回の調査では愛好家の皆さんの飼育状況を確認するとともに、今後の保護・増殖の計画についても話し合いが行われました。

  
和歌山県畜産試験場の養鶏研究所、龍神地鶏飼育者、都築センター長で今後の龍神地鶏の保護・増殖について検討しました(写真 左)。右の写真は養鶏研究所で飼育されている龍神地鶏です。

  
龍神地鶏の飼育者を訪ね、飼育羽数や飼育状況の調査を行ないました。龍神地鶏の飼育者は数名しかおらず、早急な対策が必要である事を再確認しました。

南国市尾長鶏調査&研究報告会 (2012年3月14〜16日)

高知県南国市にて、特別天然記念物「土佐のオナガドリ」の調査を行ないました。
2010年から本センターで行なってきたオナガドリのDNA解析結果を報告しました。その結果をふまえ、尾長鶏の飼育家の皆様と、尾長鶏の保存についての話し合いを行ないました。その後、オナガドリの保存団体である大篠長尾鶏保存会の各愛好家のお宅を回り、純度の高い(オナガドリ本来の遺伝的背景を持つ)個体がどのくらい残されているか、調査を行ないました。

  
尾長鶏センターにて撮影。並んでいる木箱は「止箱(とめばこ)」と呼ばれる尾長鶏専用の飼育ケージです。今回は南国市の生涯学習課(尾長鶏担当の部署)とともに体重や尾羽の長さの計測も行ないました。

  
研究成果を報告する都築センター長(左写真 中央)と今後の尾長鶏の保全について話し合う大篠長尾鶏保存会の会員たち。

  

  
2日目は大篠長尾鶏保存会の各メンバーのお宅を回り、研究成果を個別に報告しながら純度の高い(オナガドリ本来の遺伝的背景を持つ)個体がどのくらい残されているか、調査を行ないました。

佐賀県・日本鶏品評会 (2011年10月30日)

 佐賀県鳥栖市で開催された日本鶏品評会に参加し、日本鶏の調査を行ないました。この品評会は矮鶏や小軍鶏などの小型鶏の出展が多く、色とりどりの鶏が所狭しと出展されていました。一般的に秋から冬にかけては、ニワトリの羽の状態が良くないと言われていますが、出展されているニワトリはいずれも最高の状態が維持されており、飼育者の皆さんのニワトリに対する愛情を感じる事ができました。

 

島根県出雲市・安来市日本鶏調査 (2011年6月18〜19日)

 島根県出雲市と安来市の愛鶏家のお宅を訪問して天然記念物の日本鶏(特に黒柏)の調査を行いました。今回の調査対象である黒柏は島根県と山口県が天然記念物の管理者団体に指定されています。両者の黒柏を別々に保存しなければならないのか、それとも一緒にしてもいいのか、遺伝学的な観点からの研究が必要になります。また、今後の研究にあたり、実際に黒柏を飼育している愛好家の皆様と貴重な意見交換ができました。
 ご協力頂きました島根県の黒柏保存会の愛好家の皆様、本当に有難うございました。調査の便宜を図ってくださったYさんには心より感謝いたします。

 


天然記念物日本鶏品評会 in 門司 (2011年5月15日)

 北九州市で開催された天然記念物日本鶏品評会全国大会に参加し、飼育鶏の調査をしました。今回は大軍鶏(おおしゃも)と小軍鶏(こしゃも)が中心の品評会で、日本鶏センターで飼育している軍鶏の飼育や系統の維持を行なうにあたり、いろいろと勉強になることがありました。
 品評会で入賞するレベルの鶏を多く見ることで、センターの鶏飼育に携わる学生や研究員のモチベーションもアップしました。いつかは、このような品評会で入賞するような、すばらしい鶏を育ててみたいものです。

 


島根県出雲市日本鶏調査 (2011年4月23〜24日)

 島根県簸川町の愛鶏家のお宅を訪問して日本鶏の調査を行いました。地元の天然記念物「黒柏」を中心に、数多くの日本鶏が飼育されていました。上野動物園園長の著書「日本の家畜・家禽(小学館)」でも紹介されるなど、優良な日本鶏を数多く見ることができました。
 二日目は奥田元宋・小由女美術館開催の「琳派・若冲と雅の世界」に行きました。伊藤若冲は江戸時代の画家で、「群鶏図」や「紫陽花双鶏図」など、鶏を題材とした花鳥画を多く残したことで知られています。


 


天然記念物日本鶏品評会 in 熊本 (2010年12月12日)

 熊本市で開催された第9回天然記念物日本鶏品評会全国大会に参加し、飼育鶏の調査をしました。


 


第2回 南国市尾長鶏調査 (2010年10月2〜3日)

 高知県南国市の「大篠長尾鶏保存会」会長のお宅で、尾長鶏の調査および精液採取を行ないました。2日目は土佐藩山内家のニワトリ関連の宝物調査を行ないました。左の写真は尾長鶏の調査をする都築センター長(写真右側の木箱は「止箱」と呼ばれる尾長鶏の専用飼育ケージ)、右の写真2枚は尾長鶏の精液採取を行なう前田部門長(遺伝資源保存部門)です。


 


長野県安曇野市日本鶏調査 (2010年9月16日)

 長野県安曇野市の愛鶏家のお宅を訪問して、日本鶏の調査を行ないました。


 


岡山市日本鶏調査 (2010年9月11日)

 岡山県岡山市の尾長鶏愛好家のお宅を訪問し、高知県の尾長鶏愛好家の方々と一緒に調査を行ないました。


 


第1回 南国市尾長鶏調査 (2010年7月17〜19日、23〜25日)

 都築政起教授(センター長)、前田照夫教授(遺伝資源保存部門)、豊後貴嗣教授(生体機能解析部門)が特別天然記念物「土佐のオナガドリ」の調査を行ないました。尾長鶏発祥の地である高知県南国市において、飼育状況の調査および血液サンプリングを行ないました。

 尾長鶏には白藤、赤笹、白色という、3つの内種(色違い)が存在します。このうち白藤のみが江戸時代から続く尾長鶏の原型であり、赤笹と白色は明治以降に作られたものと考えられています。これまでの本センターの研究から、現在の尾長鶏には本来(白藤)の遺伝的背景を失ってしまった個体が多く存在することが明らかになりました。真の尾長鶏保全のためには、尾長鶏本来の遺伝的背景を持った個体を交配に用いることが重要になります。

 都築教授のグループは、南国市で飼育されている「すべての」尾長鶏の遺伝的背景を明らかにし、純粋な尾長鶏を構成に残すべく、DNA解析を開始する予定です。