7月5日の米国マーケットサマリー:ドルと株上昇、予想以上の雇用増
7月5日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2828 1.2914 ドル/円 101.20 100.04 ユーロ/円 129.82 129.18 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,135.84 +147.29 +1.0% S&P500種 1,631.89 +16.48 +1.0% ナスダック総合指数 3,479.38 +35.71 +1.0% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .39% +.03 米国債10年物 2.72% +.22 米国債30年物 3.69% +.20 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,212.70 -39.20 -3.13% 原油先物 (ドル/バレル) 103.22 +1.98 +1.96%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇、対主要6通貨での動きを示すドル指数は2010年以来の高水準となった。6月の米雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことを背景に、緩和縮小観測が強まった。
インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は6月18日以降4.7%上昇している。英ポンドは対ドルでほぼ4カ月ぶりの安値。英景気回復の支援に向けイングランド銀行(英中銀)は一段の措置を講じる構えであるとの見方が背景にある。
ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の調査責任者ダン・ドロー氏は電話インタビューで、「雇用の数字はかなり強く、予想通り全面的なドル高となっている」と指摘。「これは緩和縮小が意外に早いことを示唆している。蓄積された強いモメンタムがあるからだ」と述べた。
ニューヨーク時間午後2時1分現在、ドル指数 は前日比1.4%高の84.416。一時は1.6%高の84.530と、日中取引としては2011年11月以来の大幅上昇となり、10年7月13日以来の高水準をつけた。同指数は週間ベースでは1.5%上げて、3月以来最長の3週連続上昇。
ドルは対ユーロで前日比0.6%高の1ユーロ=1.2833ドル。一時は1.2806ドルと5月17日以来の高値水準をつけた。ドルは対円で1%高の1ドル=101円06銭。一時は101円14銭と5月31日以来の高値水準。円は対ユーロで0.4%安の1ユーロ=129円68銭。
◎米国株式市場5日の米国株 は上昇。S&P500種株価指数は週間ベースで2週連続高となった。朝方発表された6月の米雇用統計で予想以上の雇用者の増加が示されたことが好感された。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前営業日比16.48ポイント(1%)上昇して1631.89。ダウ工業株30種平均は147.29ドル(1%)上げて15135.84ドル。前日の米株式市場は独立記念日の祝日で休場だった。
ノーザン・トラスト(シカゴ)のアクティブエクイティーズ責任者、マシュー・ペロン氏は「雇用統計の内容は非常に強い。米国に必要とされている企業の増益を支援するという点で株式にとって有利な内容だ」と述べた上で、「利回りの上昇を織り込まなくてはならない。この先どこまで上昇するのかを見極め、その水準に慣れる必要がある」と続けた。
米労働省が発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比19万5000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だった。5月の雇用者数は19万5000人増と、速報値の17万5000人から上方修正された。家計調査に基づく失業率は7.6%で前月と同じ。
◎米国債市場米国債市場では10年債がほぼ2年ぶりの大幅安。雇用の伸びが予想を上回り、金融当局が資産購入規模を縮小させるとの思惑が強まった。
10年債利回りは2011年8月以来の水準に上昇した。6月の雇用統計で非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比19万5000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先月、景気が当局の予想通りに回復を続ければ、年内に債券購入の規模を縮小し始め、2014年半ばに終了させる可能性があると語った。
ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券取引部門シニア・バイス・プレジデント、マイケル・フランゼーズ氏は「金融当局が何かをするということで市場の見方は一致しているが、問題はそれがいつになるかだ」と語った。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後1時26分現在、10年債利回り は前営業日比21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.71%。一時は22bp上昇し、11年8月以降で最大の上げ幅となった。利回りは11年8月2日以来の高水準となる2.72%まで上昇した。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は大幅下落。1週間ぶりの安値となった。6月の雇用者数が市場予想を上回る伸びとなったことを受けて緩和縮小観測が強まり、ドルがほぼ3年ぶりの高値となったことが背景。
ドルは主要通貨のバスケットに対して一時1.6%上昇。これを背景に代替投資先としての金買いは後退した。米労働省が発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は2カ月連続で前月比19万5000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だった。この日はS&P500種株価指数も上昇した。
ロング・リーフ・トレーディング・グループ(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、ブライアン・ブース氏は電話インタビューで、「雇用統計の改善は安全への逃避が減退することを意味する」と指摘。「統計結果を受けての反応はまずドル上昇、株上昇で、これが続く限り金には厳しい状況となる」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前営業比3.1%安の1オンス=1212.70ドルで終了。一時は1206.90ドルと、中心限月としては6月28日以来の安値をつけた。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は上昇。6月の米雇用者数の伸びが予想を上回ったことから米景気への楽観が強まり、原油相場は1年2カ月ぶりの高値を付けた。エジプトの政情不安が悪化するとの懸念も影響した。
週間ベースでは約2年ぶりの大幅高。労働省の発表によると、6月の米非農業部門雇用者数は前月比19万5000人増加。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の16万5000人を上回る伸びだった。モルシ大統領が強制退陣させられたエジプトでは、首都カイロで治安部隊とモルシ派が衝突した。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「予想より好調な雇用者数の数字は燃料需要の増加につながると考えられるため、市場は力強さを増しつつある」と指摘。「エジプトでは抗議活動が続いており、リスクが高まっている。不安が続いているのにショートのままでは週末を迎えにくい」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営業日比1.98ドル(1.96%)高の1バレル=103.22ドルで終了。終値ベースでは2012年5月2日以来の高値。4日は米独立記念日の祝日でフロア取引は休場だった。
更新日時: 2013/07/06 05:33 JST