アジア・太平洋株式サマリー:香港・インド株は続伸、中国株も高い
7月5日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は続伸。ハンセン指数は2営業日ベースで約1年ぶりの大幅な上げとなった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が長期にわたり低金利を維持する姿勢を示したことを受け、金融株が買われた。
欧州最大の銀行、HSBCホールディングス(5 HK)は2.7%高。時価総額で世界最大の銀行、中国工商銀行 (1398 HK)は3.2%高。同行の株主であるテマセク・ホールディングスが中国本土の流動性逼迫(ひっぱく)を懸念していないと表明したことが手掛かり。恒隆地産(101HK)は4.1%高。香港当局が不動産価格抑制に向け、住宅6万戸余りを建設する方針を明らかにした。
ハンセン指数 は前日比386.00ポイント(1.9%)高の20854.67で終了。週間での上昇率は0.3%となった。2営業日ベースでは2012年7月30日以来の大幅な上げ。ハンセン中国企業株(H株)指数は前日比2.1%高の9209.34で引けた。
第一上海証券のチーフストラテジスト、ライナス・イップ氏(香港在勤)は、「ECB会合で金融緩和の継続が表明されたため、きょうの香港市場は好スタートを切った」と指摘。「全体的には、中国本土の流動性問題は収まっている」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式 相場は上昇。週間ベースでは5月以来の上げとなった。エネルギー株や医薬品株が売られた一方で、不動産株や資源株が買いを集めた。
不動産開発会社の万科企業 (000002 CH)は4.1%高。先月の販売が増加したことが好感された。時価総額で中国最大の産金会社、紫金鉱業 (601899 CH)は2012年1月以来の大幅な上昇。先週は約5年ぶり安値を付けていた。一方、広匯能源(600256 CH)と天士力製薬集団(600535 CH)は下落した。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比1.10ポイント(0.1%)高の2007.20で終了。488銘柄が下落し、406銘柄が上昇した。週間ベースでの上昇率は1.4%となった。上海、深圳両証取のA株に連動しているCSI300指数は前日比0.2%高の2226.85。
精熙投資管理の王征最高投資責任者(CIO)は、「流動性逼迫(ひっぱく)をめぐる懸念が基本的に後退したことで、市場に若干安心感が出ている」と指摘。「今後発表される経済指標は良くない見通しだが、大半のマイナス要因は織り込み済みのようだ。現在の水準でレンジ内の取引が続くだろう」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇。指標のS&Pセンセックス指数は続伸となった。消費財メーカーのヒンドゥスタン・ユニリーバ の上げが目立った。
ムンバイ市場でのセンセックス 指数は前日比84.98ポイント(0.4%)高の19495.82で終了。週間ベースでは0.5%上げ、2週続伸となった。
ヒンドゥスタン・ユニリーバは上場来高値を記録。同社の持ち株比率を親会社の英蘭系ユニリーバ が75%に高める目標だったが公開買い付けでこの水準に達しなかったため、提示額を引き上げるとの観測が強まった。世界最大の製油所を所有するリライアンス ・インダストリーズは2.2%上昇した。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比47.01ポイント(1%)高の4841.75。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比5.83ポイント(0.3%)安の1833.31。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比108.10ポイント(1.4%)高の8001.82。
更新日時: 2013/07/05 21:27 JST