Updated: Tokyo  2013/07/06 06:04  |  New York  2013/07/05 17:04  |  London  2013/07/05 22:04
 

米アルコアに痛手-ダウ銘柄では珍しいジャンク級への格下げ

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  6月5日(ブルームバーグ):米アルミニウムメーカー、アルコア の信用格付けを米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、ジャンク級(投機的水準)に引き下げた。少なくとも過去30年でダウ工業株30種平均構成銘柄がジャンク級とされたのは今回のアルコアを含めて2例しかない。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によれば、1980年以降に投資適格級を下回る水準に引き下げられたダウ銘柄は、アルコアを除くと自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)だけ。GMはダウ平均構成銘柄から除外されるのに4年を要した。

ニュースレターの「ダウ・セオリー・フォーキャスツ」の編集者リチャード・モロニー氏は、ダウ平均のガイドラインには債務格付けへの言及はないが、ダウ銘柄は財務悪化時に痛手を受けやすいと指摘する。

中国でのアルミ生産急増による供給過剰を背景に、アルコアの株価は4日までの過去10年で67%下落し、株価と時価総額はダウ銘柄で最低 。S&Pダウ・ジョーンズはダウ平均への採用を定量的なルールで管理してはいないと説明しているものの、「持続的な成長」が好ましいとしている。アルコアの売上高は4四半期連続で減少し、2012年純利益は5年前の1割に満たなかった。

ホライゾン・インベストメント・サービシズで1億7500万ドルの運用にも携わるモロニー氏は先週のインタビューで、ジャンク級への格下げは構成銘柄として「アルコアがふさわしいかどうかという点で、さらなる弱点だ」と指摘。GMのケースではダウ・ジョーンズは「長期にわたり何もしなかった。GMは優良銘柄ではなかったようだが、それでも指標銘柄だった。アルミ業界が本当に産業の指標だとは言い難い。ダウが行動を起こせば、アルコアは除外されると思う」と述べた。

ダウのガイドラインによると、ダウ平均 の銘柄入れ替えは米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の編集陣が行っており、S&Pダウ・ジョーンズが客観的かつルールに基づいて銘柄選定する他の大部分の指数とは異なる。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの広報担当、デーブ・ガリーノ氏は銘柄入れ替えの可能性についてコメントを控えた。アルコアの広報担当、モニカ・オーブ氏もダウ平均に関してコメントを避けた。

原題:Alcoa Junk Downgrade Is Rare Trauma for Dow Stocks:Commodities(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Sonja Elmquist selmquist1@bloomberg.net;ニューヨーク Lu Wang lwang8@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net;Simon Casey scasey4@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/06 14:53 JST

 
 
 
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