激怒…。「聞きたくなかった」今だから語れる裁判騒動の秘密とは!?
── 第一審から双方の供述が真っ向からぶつかる白熱した展開になったわけですが、勝てる見込みはあったんですか?
松野:「ここまで世論が敵に回ったら離婚は免れないだろうとは思ってました。けど、争点は『離婚するかしないか』でしたが、ボクは離婚はどうでもよくて、マスコミなんかに暴露的に話した事実無根の話を正式に撤回し、謝罪してほしかったんですよ。それさえしてくれたら離婚なんていつでもしますよって」
── でも、相手側はそれも突っぱねたんですね。
松野:「突っぱねましたね。結局、第一審の結果は相手側の完全勝訴、離婚は成立して、マスコミは『松野敗訴、離婚決定!』と書き立てました。もちろん上告しましたよ」
── 第2ラウンド開始ですね! 基本的に松野さんが掲げた争点は第一審のときと同じなんですよね?
松野:「社会的信用の回復と、正式な謝罪を求めるの1点です。もちろん、離婚裁判に対する上告なので『離婚を認めない』という部分も争点にしなければならないので、そこはまぁしょうがないのですが、やはりマスコミには『粘着男、離婚認めず』と書かれました(苦笑)」
── 闘いの舞台はいよいよ東京高裁になだれ込み、泥沼の展開へと進んでいくわけですが、第二審を勝ち抜く自信はあったんですか?
松野:「正直、まったくなかったんですけど、橘さんがやる気満々だったこともあって『突き進むしかない!』って感じでしたね。第一審の判決を不服として『判決を変えてくれ!』って言ってるのと同じなわけですし、審議の内容はとても濃くなりますよね。だからこそ、ボクらも焦点を絞りに絞って、ヒネリなしの真っ向勝負を仕掛けました。まぁ、お互い本人喚問はしなかったですけど」
── え!? そんなんでいいんですか?
松野:「第一審で十分やりましたからね、勝つには勝ちたいですけど、今だからこそ言えるんですが、第二審の頃は心のどこかでもうどうでもいい感じになってんで」
── 辛い時期は過ぎてしまったと?
松野:「NHKかなんかでアフガニスタンの難民のテレビを見てたんですよ。それを見てたら『自分なんてまだまだどん底なんかじゃないなぁ』って思い始めてですね」
── 何もアフガンの難民の方々と自分を比べることはないんじゃ(苦笑)
松野:「あとですね、第二審の頃は新宿でホストをやり始めたり、芸能界でタレントのお仕事も少ししていたんで、給料もあったんですよ。でも、まだ引っ越しするにはお金がまだまだ足りなくって」
── なんだか話のベクトルが乱れていますが、引っ越し!? なんですかそれは?
松野:「あの頃はまだ家から出ていってなかったし、彼女の家なんで家賃もタダでしたから(ニンマリ)」
── へ!? まだ居座ってたんですか? やっぱり完全なろう城じゃないですか(笑)
松野:「引っ越さなければいけない法的な根拠があるわけじゃないので、堂々と彼女の家にひとりで住んでましたね。まぁ引っ越しまでの時間稼ぎというか」
── アハハハハ! それは新事実ですねぇ!! できれば新居への引っ越し資金が貯まるまではろう城しつつ裁判を引き延ばそうとしてたわけですか?
松野:「まぁ、それに近いと言わざるを得ないですよね」
── そんなことだから第二審も負けちゃうんですよ(笑)
松野:「でも、第二審は事実上のボクがやや勝利したたんですよ。もちろん、離婚は第二審でも成立したんで、争った争点では完全に負けましたけど、裁判長は『元・妻への暴力は確認されなかった』『金銭の使い込みなどなかった』『子どもへの虐待はなかった』と、書面に記してくれたんです。だから、事実関係という点ではボクは完全勝訴したわけです」
── でも、結局この一件は最高裁まで持ち上がって、松野さんの訴えはあっさりと棄却されちゃうわけですよね?
松野:「ですね、最高裁まで上げちゃったのも実はボクらなんですけど、イケイケドンドンで突き進んじゃったしっぺ返しを喰らったというか、まぁ、もうどうでもよかったのかなぁ、高裁での判決公判にはボクも代理人も行かなかったし(しみじみと)」
── 判決公判に行かなかったんですか? ちょこっとだけ松野さんに同情してた自分に怒りを覚えますよ。
松野:「申し訳ありません。ちなみに、最高裁と同時期に逆に名誉毀損で相手側を訴えたんですけど、相手側には無視されましたね」
── 松野さんが訴えましたか! これは当時松野さんがマスコミに発表されたコメントなんですが「離婚問題も解決し、一つ足かせがはずれた。ただ、私は相手側が会見で明かしたように、子供を虐待したことはないし、事務所のお金も使い込んだ事実もない。心を痛めたので、弁護士と相談して3000万円の損害賠償を求めることにした」と。相手側も『まだやるのか?』って思ったでしょうね(苦笑)
松野:「本人訴訟という形でやったんですけど、これは離婚裁判じゃなく名誉毀損という形なんで、訴状を書く際に慰謝料の金額も書き込まなきゃいけなかったんですけど、幾らにすればいいかわからなくて(苦笑)」
── そこは決めときましょうよ、訴えてるんですから。
松野:「まぁ、適当って言っちゃうと語弊があるんで『とりあえず3000万くらいにしておくか』と」
── ……。とにかく、相手側もそんなどんぶり勘定にも真剣に立ち向ってきますよね。
松野:「えぇ、また同じように。でも、ボクは片手間でやってたんで、どこかで第三者的に流れを見ていたというか」
── 片手間で訴えられたらたまったもんじゃないですよ!(怒)。もちろん負けたんですよね?
松野:「いや、もう勝つも負けるもなく話し合いで和解する方向で事は進みました。もう今更的な空気もありましたし、ボクももう新しい道に進み初めてましたから『もういいや』と」
── 4年間弱にも及んだ泥沼離婚裁判劇場の幕切れはあっけなものだったんですね。
松野:「でも、得るものも大きかったですよ。あの一件のおかげというと語弊がありますけど、今のゴージャス松野は存在しなかったわけですし、いろいろありましたが、今は感謝でいっぱいです。心の底から『ごめんなんさい』そして『ありがとう』と思っています。そして、裁判というものを経験して、日本の司法制度を変えてみたいって真剣に思えるような人間にもなれましたし」
「K-1参戦!? 底なし泥沼の向こう側に小さな希望を見た!!」ヘ続く
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