涙の就職活動の果てに。泥沼離婚裁判劇、開幕。
── えぇ!? 当時就職活動までされたんですか?
松野:「えぇ、働かないとお金がないもんですから。ちゃんと履歴書を書いて数十社に面接の申し込みをしましたよ。でも、そのほとんどが書類選考でNG。当然ですよね、ボクの顔は最悪なイメージで毎日テレビに垂れ流されてるわけですし、正直、『なんて最低な奴なんだ!』って、ボクが人事部だったら100%落としますから」
── アハハハハ。100%落とされますか!
松野:「落としますね。クリーンで無色透明な人って見かけじゃないんだな、人を見かけだけで判断しちゃダメなんだなってそのとき初めて思い知りました」
── ご自身が無色透明ならぬ無職逃迷になっちゃったわけですからね。そんなこんなで離婚調停に突入するわけですが、話し合いがうまくいくわけないですよね。
松野:「もちろんですよ、で、裁判に発展していくわけなんですが……」
── 裁判を闘っていく資金がないと?
松野:「その通りです。でも、このまま全てを受け入れてしまうということは、身に覚えのないことも事実だと認めてしまうことになってしまう、それだけは嫌でしたし、避けたかった」
── 具体的にどうされたんですか?
松野:「それがですね、自宅のポストに一枚の名刺が入ってたんですよ。橘繁行さんって方の名刺で、名刺の裏には『私はあなたの力になれる』って」
── それって、当時の騒動からしてめちゃくちゃ怪しいですよね。
松野:「えぇ、ボクもワイドショーか週刊誌かなんかの罠か、騒ぎに便乗しようと狙ってる輩かと思ったんですけど、電話してみるとものすごくいい人で。なんでも、テレビ番組で憔悴しきっているボクを体脂肪計に乗せて、どれだけ落ち込んで痩せたかみたいな酷い番組をご覧になられたみたいで、『許せない!』って思ったそうなんですよ」
── まぁ、それに出てるほうもいかがなものかって感じなんですけど、まさに正義の味方ですね!
松野:「そうなんですよ、『この人はこのまま放っておくと人を殺しかねない』とも思ってらっしゃったそうなんですが(苦笑)。しかもですよ、ボクの話を唯一まともに聞いてくれるばかりか、弁護士費用なども出世払いでいいっておっしゃるんです」
── まさに現代の『あしながおじさん』ですね!
松野:「ですね。橘さんにご紹介いただいたいて闘う準備も整った、マスコミに対して未来のない遠吠えを繰り返すことからも解放されました、裁判という舞台で、自分の意見を堂々と主張できることが、あの頃はホントにうれしかったですね」
── ボクは運良くと言うとアレなんですけど、裁判をしたりとかされたりしたことはないんですが、どんな感じで進んでいくんですか?
松野:「ボクが訴えられてるわけですから、相手側から訴状ってものが届くんですよ。その訴状に対して、こちらも答弁書なるものを送るんですけど、相手側から届いた訴状の内容にはもう驚きましたよ(苦笑)」
── どんなことが書かれていたんですか?
松野:「訴状なるもには、このケースであれば『離婚がしたい』っていうのが核なんですけど、なぜそうしたいのか?ってことを記入しないといけないんですよ。そこには先ほども申し上げました『子どもへの虐待』の詳細や、夫婦生活はそのほとんどが強姦まがいだったとか……、『そこまでやるか?』って、もう許せなくて、怒りに震えながらも情けなくて大泣きしました」
── なんとも言葉がないのですが……(困)
松野:「でも、泣いてばかりいてもしょうがないですし、それらを事実無根としてどう切り崩していくかを弁護士さんと考えに考えました」
── もう闘うしかないですもんね。
松野:「はい、でも、裁判自体は淡々としたものです。基本、本人が出席しなければいけないのは本人喚問のときのみだだし、あとは弁護士同士が話し合うというか、相手側の弁護士からの質問も前もって文書で送られてくるし、かなりシステマチックですよ。早ければ3分で終わりますからね」
── 3分ですか!
松野:「えぇ、でも問題は裁判所の外での戦術ですよ。ボクたちがやることに輪をかけたようなこと、マスコミを上手に使うというか、そういったテクニック的なことをやってくるんですよ。それに比べて、ボクらの陣営は品が良すぎたというか、こういった裁判を闘い抜くにはあまりにも無知でしたね」
「激怒…。「聞きたくなかった」今だから語れる裁判騒動の秘密とは!?」ヘ続く
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