UPDATE 2-米非農業部門雇用者、6月は予想上回る19.5万人増 FRBの緩和規模縮小方針を裏付け
(内容を追加しました)
[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した6月の雇用統計による
と、非農業部門雇用者数が前月比19万5000人増となり、予想の16万5000人増
を上回った。4、5月分も上方修正され、米経済の底堅さが示されたことで、連邦準備理
事会(FRB)は年内に緩和縮小に着手するとの方針を維持するとの見方が裏付けられた
。
失業率は労働人口の増加を反映し、7.6%と前月から横ばいとなった。ロイターが
集計したエコノミストの失業率予想は7.5%だった。4月と5月の非農業部門雇用者の
増加数は7万人上方修正された。
バーナンキFRB議長は、FRBが現在月額850億ドルの規模で実施している資産
買い入れについて、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、経済の改善
が続けば年内に規模縮小に着手するとの方針を示している。
米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)のマクロ経済分析部門ディレ
クター、Kathy Bostjancic氏は「雇用者数が力強く伸びたことは、FRBが近い将来に資
産買い入れ規模の縮小に着手することへの支援要因となる」との見方を示した。
エコノミストによると、FRBは毎月20万人のペースでの雇用増を求めている。過
去3カ月間の毎月の雇用増は平均19万6333人となっており、この水準に近づいてい
る。
6月は時間当たり賃金も増加。住宅市場や自動車販売関連の経済指標もこのところ比
較的堅調に推移していることから、FRBは緩和縮小に向けた方針を維持すると見られて
いる。
ロイターが6月末に実施した調査では、調査に参加した60人のエコノミストのうち
28人がFRBは9月に緩和規模縮小を開始すると予想。この日の雇用統計発表を受け、
エコノミストはこの予想が妥当であるとの見方を示している。
FRBが資産買い入れ規模縮小との関連で注目している失業率は、6月は主に労働人
口が増加したことで前月から横ばいとなった。労働参加率は3月に34年ぶりの低水準に
落ち込んだが、その後は労働人口が3カ月連続で増加。労働市場に信頼感が戻りつつある
ことが示されている。
6月の労働参加率は58.7%と、前年11月以来の高水準となった。ただ、職探し
を諦めた人と、正規雇用から漏れたためにパートタイムの職業に就いている人を含めたU
─6失業率は14.3%となり、前月の13.8%から上昇した。
民間部門の雇用者数は20万2000人増。前月は20万7000人増だった。政府
部門雇用者数は前月の1万2000人減に続き7000人減。ただエコノミストは、多く
の政府機関が職員の一時レイオフにとどめているため、政府部門の減少は歳出削減策に関
連するものではないとの見方を示している。
民間部門では、サービス部門の小売や卸売りなど消費関連分野で雇用増が進んだ。小
売部門は3万7100人増と、前月の2万69000人増から加速、卸売り部門も1万1
300人増と前月の8300人増から加速した。
ヘルスケア・社会支援部門の雇用者数は2万3500人増。人材派遣業は9500人
増となった。
製造業部門の雇用者数は6000人減と4カ月連続で減少したものの、建設業部門は
1万3000人増。住宅部門の改善を追い風に前月の7000人増から加速した。
時間当たり賃金は前月比10セント(0.4%)増の24.01ドル。前年比での増
加率は2.2%となり、2011年7月以来最大となった。
平均週間労働時間は34.5時間。3カ月連続で横ばいとなった。
*米雇用統計に関するグラフィックはこちらをご覧下さい。
link.reuters.com/ram54t
link.reuters.com/kem54t
米労働省が発表した雇用統計は以下のとおり。
June May (Prev) April (Prev)
非農業部門雇用者増減 195 195 175 199 149
(単位:1000人)
失業率(%) 7.6 7.6 7.6 7.5 7.5
平均週間労働時間 34.5 34.5 34.5 34.5 34.5
製造業労働時間 40.9 40.8 40.8 40.7 40.7
─残業時間 3.3 3.3 3.3 3.4 3.3
時間当たり賃金(ドル) 24.01 23.91 23.89 23.89 23.88
増減率(%) 0.4 0.1
業態別雇用者数増減(単位:1000人)
June May (Prev) April (Prev)
民間部門合計 202 207 178 188 157
財生産 8 0 -1 -17 -15
建設 13 7 7 -7 -2
製造 -6 -7 -8 -7 -9
サービス 194 207 179 205 172
卸売 11.3 8.3 7.9 3.8 3.9
小売 37.1 26.9 27.7 22.4 19.9
輸送・保管 -5.1 -6.8 -3.9 6.5 5.9
情報 -5 1 3 -9 -7
金融取引 17 6 4 14 9
専門職 53 65 57 69 60
人材派遣 9.5 23.6 25.6 20.8 26.4
レジャー・接客 75 69 43 60 39
政府 -7 -12 -3 11 -8
家計調査
June May April(単位:1000人)
労働人口増減 177 420 210
就業者増減 160 319 293
失業者増減 17 101 -83
U‐6失業率(%)* June May April
14.3 13.8 13.9
長期失業者(27週間以上) June May April
(単位:1000人) 4,328 4,357 4,353
エコノミスト予想(ロイター調査)
非農業部門雇用者増減 +165,000
民間部門雇用者数 +175,000
失業率 7.5 pct
時間当たり賃金増減 +0.2 pct
平均週間労働時間 34.5 hours
*U6:(完全失業者+縁辺労働者+経済情勢のためにパートタイムで就業している者)
/(労働力人口+縁辺労働者)
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