丸美元会長 懲役6年判決、リゾート会員権詐欺
経営破綻したマンション管理業「丸美」(福岡市)のリゾート会員権販売や社債募集を巡り、詐欺、有価証券偽造、同行使などの罪に問われた元会長、金丸近被告(60)の判決が3日、福岡地裁であった。松藤和博裁判長は「ワンマン経営者として社員に指示し、多くの被害者に多額の損害を与えた。犯情は悪質で結果は重大」として、懲役6年、罰金300万円(求刑・懲役8年、罰金300万円)の実刑判決を言い渡した。
判決によると、金丸被告は2008年、福岡県の顧客ら56人に、返還できる見込みがないのに会員権(1口200万円)を販売し、預託金計約1億4900万円をだまし取った。06〜07年には6人に架空会社「丸美堺筋本町ビル」名義の社債を発行するなどした。
弁護側は会員権を巡る詐欺について、「経営を改善して返金できると考えていた」と無罪を主張した。しかし松藤裁判長は「当時、保有財産はほとんどなく、収益の見込みがないことも認識しており、詐欺の故意があった」と判断。さらに社債を巡る有価証券偽造についても、「会社設立手続きが着手されていないことを知りながら、社債発行を指示した」と認定した。
(2013年7月4日 読売新聞)