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露出編 測光モード

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 露出を計る測光モードは大きく分けて3つある。画面全体を測る多分割測光、画面中央を重点的に測る中央部重点測光、任意の一カ所を測るスポット測光だ。それぞれの特徴を理解し、自分の感性や表現に適したモードを選びたい。
 

■代表的な3つの測光モード

多分割測光

画面を複数に分割して測光する方式。シャドウ潰れやハイライト飛びが生じにくく、全体的にバランスの良い明るさになるが、主被写体が適正な明るさになるとは限らない。
 

中央部重点測光

画面の中央とその周囲を測光する方式。主被写体が中央にいる場合は、ほどよい明るさになる。作例では背景の明るい緑に影響されてモデルはやや暗めに写った。
 

スポット測光

AFフレームのピンポイントで測光する方式。これは右のAFフレームを使ってモデルの顔で測光している。カメラの機種によっては中央のAFフレームでしかスポット測光できないものもあるが、その場合は、いったん中央で測光しフォーカスロックしてフレーミングし直せばよい。
 
「多分割測光」は、写真全体がほどよい明るさになるように、画面を分割してバランス良く測光するモードだ。見た目に近い明るさになるが、明暗差が激しいと白飛びや黒つぶれを防ぐ傾向がある。例えば、上の作例のような状況だと人物が暗くなってしまうことがある。多分割測光はメーカーにより「マルチパターン測光(ニコン)」「評価測光(キヤノン)」など、呼び名が異なる。
 「中央部重点測光」は、画面の中央部付近を測光するもので、撮りたい被写体が中央に位置するときに適している。たまたま作例では多分割測光と同じ結果となった。
 「スポット測光」は、選択している任意のフォーカスポイントのごく狭いエリアのみを測光するもの(中央のフォーカスポイントだけにしか対応しない機種もある) 。
 全体的なバランスよりも、主被写体の明るさを適切にしたい場合に利用すると良い。上の作例では、背景は飛び気味だが、モデルはほどよい明るさになっている。
 測光モードの使い分けの例としては、被写体全体をバランス良い明るさで写したいスナップ撮影などには多分割測光、被写体が逆光になるような場合は、中央部重点測光やスポット測光を使うと良いだろう。なお、 カメラの測光にはそれぞれクセがあるので覚えておくといい。

写真・文:関川真佐夫
モデル:坂本茉奈美 (magna)


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