東電社長 安全審査の申請に理解求める7月5日 12時16分
東京電力の廣瀬社長は5日午前、柏崎刈羽原子力発電所のある新潟県の柏崎市と刈羽村を訪れ、原発の運転再開に向けて、できるだけ速やかに国に安全審査を申請する方針に理解を求めました。
これに対して、柏崎市の会田市長は、「必要な手続きがなく申請の方針を発表したのは誠に遺憾だ」と述べました。
東京電力は、来週8日の国の新しい規制基準の施行後、柏崎刈羽原発の運転再開に向け、できるだけ速やかに安全審査を国に申請する方針で、5日、廣瀬社長が地元の新潟県を訪れてこうした方針について説明しています。
このうち、最初に訪問した柏崎市で、廣瀬社長は、「地元への説明の前に安全審査を申請する方針を発表したことが地元軽視とか拙速だと批判されているが、実際に申請するかどうかは地元への説明のあとに決める。前後のバタバタがあったことは申し訳ない」と述べました。
そのうえで、柏崎刈羽原発を運転再開するためには、設置が義務づけられている「フィルターベント」と呼ばれる設備の設置について東京電力と地元自治体の間で結んでいる安全協定に基づいて事前了解を求める書類を手渡しました。
これに対し、柏崎市の会田市長は、「必要な手続きがなく申請の方針を発表したのは誠に遺憾で、これまで積み上げてきた信頼関係を崩しかねない。フィルターベントの事前了解については早速、検討したい」と述べました。
会談のあと、会田市長は、「事前了解の手続きが取られたことは理解する。後は東京電力側がどう判断するかだ」と述べました。
このあと廣瀬社長は刈羽村を訪れ、安全審査の申請に理解を求めたのに対して、品田村長は、「村としては冷静に見ているので、適切な判断をお願いしたい」と述べ、一定の理解を示しました。
このあと、廣瀬社長は記者団から地元の了解を得る前でも国に申請する可能性があるか、どうか問われたのに対して「まだ、知事に会っていないので何とも言えないが、とにかく説明優先だ。地元の了解を得る前に申請するかどうか、予断を持っているものではない。地元を無視したくないし、了解を得られるよう説明したい」と述べました。
東京電力の廣瀬社長は5日午後、新潟県の泉田知事を訪問しますが、泉田知事は地元への説明の前に原発の運転再開を申請する方針を決めたことについて「こんな地元軽視はない」と述べていて、運転再開に直ちに理解を得るのは厳しいとみられます。
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