Updated: Tokyo  2013/07/05 11:53  |  New York  2013/07/04 22:53  |  London  2013/07/05 03:53
 

ゴールドマン:日本で公募増資を積極提案-海外マネー関心高く

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  7月4日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス は、最近の市場の乱高下にもかかわらず海外投資家の日本株への投資意欲は引き続き旺盛だとして、今週から事業会社など日本企業の経営幹部と積極的に会い、公募増資など株式市場での資金調達を呼びかけていく方針だ。

ゴールドマン・サックス証券の伊藤真理資本市場本部共同本部長はブルームバーグ・ニュースの取材に応じ、先週米国とアジアの大手機関投資家を複数訪問したことを明らかにした。その上で、日本の株式市場が5、6月の波乱を経験した後でも、海外投資家の日本企業に対する関心は依然として高く、投資意欲が確認できたと述べた。

ブルームバーグ・データによれば2013年上期(1月-6月)の日本の新規株式公開(IPO)や公募増資の合計は2兆7000億円とアベノミクスの効果もあり前年同期比で5倍に拡大した。しかし、中国の経済や金融システム対するリスクへの警戒感から世界で株安が連鎖、日経平均株価 も5月下旬から3週間で20%下落するなど、日本の発行体や証券会社の間では下期の見通しについて悲観論が広がっていた。

ゴールドマンの伊藤マネジングディレクターは1日のインタビューで、「日本は乱気流に取り込まれ視界不良だったが、海外機関投資家は日本に対してまだまだかなりコンストラクティブだ」と述べた。日本経済も政府や日銀の強力な後押しで上向いていくとみて、投資家の「アペタイトは十分にある。飛行状態がジェット気流に乗り安定すれば企業の公募増資などがアクティブになる可能性がある」と語った。

日本企業を訪問

伊藤マネジングディレクターは、先月27日、28日にシンガポールと香港を訪問、世界での運用資産が合計100兆円を超える米国やアジアのソブリン、ヘッジファンド、資産運用会社など10社と面会。これを受け今週、株式市場での資金調達に関心のある日本企業15社以上の経営幹部を訪問し、海外の投資家動向を報告するとともに、さらなる成長戦略を描くための公募増資を積極的に提案し始めている。

ゴールドマンは日本企業の株式引き受けランキングで13年上期は3位。日本たばこ産業 (JT)など7グローバル案件で主幹事などを務めた。トップは野村ホールディングス で、2位には大和証券グループ本社がつけている。

成長に向けた資金調達

ゴールドマンは13年下期(7-12月)の日本でのIPOや公募増資について、M&A(合併・買収)など成長に向けた日本企業の資金調達意欲が高いことから、昨年同期を上回ると見通している。12年下期には日本航空 (JAL)のIPOやANAホールディングス の大型公募増資などが複数あった。

国内広告最大手の電通 は3日、国内外で公募増資などを実施して最大約1201億円を調達すると発表した。英イージス・グループ買収に関する短期借り入れ約2000億円の一部返済に充当するという。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 日向貴彦 Takahiko Hyuga thyuga@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chitra Somayaji csomayaji@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/04 18:13 JST

 
 
 
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