◇巨人1−0阪神
巨人が無失点勝利で3連勝、今季最多の貯金17とした。7回途中まで投げた宮国は4月23日以来の3勝目。マシソン、山口、西村とリレーし、6回にボウカーの犠飛で挙げた1点を守った。西村は2年連続の20セーブ。阪神は3連敗。
断続的に雨が降り続く悪コンディションの中で、21歳の冷静さが光った。首位攻防戦のマウンドを託された巨人の宮国は淡々とアウトを積み重ねた。プロ最速タイの150キロを記録する一方、100キロに満たないスローカーブを効果的に配球。阪神打線に見せ場すらつくらせず、虎党で埋め尽くされたスタンドを静まり返らせた。
7回2死から今成に中前打を許したところで原監督がマウンドに向かって降板となったが、6イニング2/3を6安打無失点。4月23日のDeNA戦(ほっともっと神戸)以来2カ月半ぶりの3勝目を手にした右腕は「開幕からチームに迷惑をかけていたので、なんとか勝ちたかった」と端正なマスクをほころばせた。
敗戦から見つけた課題が生きた。5回まで2安打無失点に抑えながら、2被弾で逆転された6月27日の広島戦(マツダ)だ。「(ストライクを)取りに行ったボールを全部打たれたので、きょうは全部腕を振る意識だった。前回は2死からの失点もあったので、先頭打者と2死になった後に意識を置いていました」。この日、先頭打者を許したのは7回の1回だけ。唯一のピンチだった5回2死二、三塁のピンチもスタンリッジを遊ゴロとプラン通りのマウンドさばきだった。
3年目を迎えた今季は開幕投手を任されたが、4月下旬に2連続KOを食らって2軍落ち。約2カ月のファーム生活では相撲の四股をトレーニングに導入し、じっくりと下半身を鍛え直した。一回りレベルアップした姿で1軍に戻り、2位相手に快投。復活したホープが4・5ゲーム差と首位の座を盤石にしてみせた。
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