【カイロ=花房良祐】エジプト軍のクーデターでモルシ前大統領が解任されたことを受け、最高憲法裁判所のマンスール長官は4日、暫定大統領に就任した。宣誓式で「軍はこの国の保護者だ」と言明。超法規的な措置で混乱収拾に乗り出す考えを示した。早期に大統領選挙と議会選挙を実施する意向も示した。野党勢力を取り込んだ挙国一致の暫定内閣も樹立し、国際社会の批判を抑える狙いだ。
マンスール氏は近く反モルシ派のデモを主導した野党連合「救国戦線」などを含めた組閣を目指すとみられる。ロイター通信によると、軍関係者は暫定首相について「エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長が第1候補だ」との見方を示した。エルバラダイ氏は国内で若者層の一定の支持を受けているほか、国際社会での知名度も高い。ガンズーリ前首相とエルオクダ中央銀行前総裁の名前も浮上。4日にも決まるとの情報もある。
マンスール氏は「国造りから誰も阻害されない」と述べ、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」にも参加するように呼びかけた。ただ軍は同胞団出身のモルシ前大統領を軍施設に軟禁。同胞団のバディア最高指導者と同胞団傘下の与党「自由公正党」のカタトニ党首も拘束された。同胞団は「軍事政権」は許容できないとして平和的な抗議を呼びかけた。
エジプトでは2011年2月、反政府デモで独裁者のムバラク元大統領が辞任。1年前に民意で選ばれたモルシ氏がクーデターによって失脚したことで、民主化は振り出しに戻った。
ムバラク政権の崩壊時も軍は当時の国防相が国の事実上のトップとなって民主化プロセスを実施した。ただ、軍は旧政権の象徴で、早期民主化を求める反軍デモが発生したこともある。幅広い政治勢力が納得する民主化を実現できなければ、軍への抗議デモが再発する恐れもある。
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