7月4日の海外株式・債券・為替・商品市場
(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎NY外為:ユーロ、対ドルで5週間ぶり安値-ECB総裁の発言で
ニューヨーク外国為替市場でユーロは対ドルで5週間ぶりの安値に下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が政策金利は「長期にわたり」低水準にとどまると言明、「コミット(約束)しない」原則を曲げ、未踏の領域に踏み込んだため、ユーロ売りが膨らんだ。
ユーロは対円でほぼ3週間ぶりの大幅安。ドラギ総裁は成長促進に必要な限り、緩和姿勢を維持する方針を示した。ポンドはドルに対してほぼ2年ぶりの大幅安。イングランド銀行(英中銀)は「市場金利の著しい上昇が見通しへの重しになる」として警戒感を示した。ドル指数は4週間ぶりの高水準となった。5日には米雇用統計が発表される。
HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ダラフ・マー氏は「この日導入に踏み切ったフォワードガイダンス(時間軸政策)は、事前に約束することには何であれ二の足を踏んできたECBに現時点で期待できるものとしては最大のものだ」と指摘。「当然、ユーロはこの緩和バイアスで下げている」と述べた。
ニューヨーク時間午後3時41現在、ユーロは対ドルで前日比0.7%安の1ユーロ=1.2915ドル。一時は1.2883ドルと5月29日以来の安値を付けた。対円では0.7%下落し、1ユーロ=129円05銭。円は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=99円92銭。
◎米国株:独立記念日の祝日で休場 ◎米国債:独立記念日の祝日で休場 ◎NY金:独立記念日の祝日で休場 ◎NY原油:独立記念日の祝日で休場◎欧州株:2カ月ぶり大幅高-ECB総裁が低金利維持を言明
4日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は約2カ月ぶりの大幅高となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が長期にわたり低金利を維持すると言明したことが手掛かり。ポルトガル指導者の間で連立政権維持に努める動きがあることも支援材料となった。
ポルトガルのエスピリト・サント銀行が反発。前日は11%下げていた。英住宅建設のテーラー・ウィンピーは7.1%高。上期の営業利益率の上昇が買い材料となった。精密機械を手掛けるスイスのOCエリコンは3.5%上昇した。
ストックス欧州600指数 は前日比2.3%高の292.15で引けた。5月22日に付けた年初来高値からの下落率は5.9%に縮小した。米株式市場は祝日のため休場となっている。
PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は「フォワードガイダンス(時間軸政策)をECBが導入した」とし、「これまでの会合でも動きはあったが、この日の措置は本物だ」と語った。
ECBのドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、政策金利が長期にわたり現行のままかそれを下回る水準にとどまると語った。ECBは政策金利を過去最低の1%に据え置いた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査で62人中61人が予想した通りだった。
イングランド銀行(英中央銀行)はこの日の金融政策委員会(MPC)で、政策金利を過去最低に維持することを決め、市場で想定されているよりも長期にわたり金利が据え置かれることを示唆した。
4日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指数が上昇した。
原題:European Stocks Rally as ECB SaysInterest Rates to RemainLow (抜粋)
◎欧州債:高利回り債上昇、ECB総裁が低金利維持言明-英独債高い
4日の欧州債市場では、スペインとイタリアを中心にユーロ圏の高利回り債が上昇。欧州中央銀行(ECB)が前例のない措置を取り、政策金利は長期にわたり低水準にとどまることを示唆したことが手掛かり。
ドイツ国債も買われ、2年債利回りは約1カ月ぶりの低水準となった。ドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、景気回復が定着するまで緩和的な金融政策を終了する計画はないと語った。ECBはこの日、政策金利 を過去最低の1%に据え置いた。ポルトガル10年債は前日付けた7カ月ぶり高水準付近から低下した。
バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダハイム氏(ミュンヘン在勤)は「ドラギ総裁が市場を驚かした」とし、「長期にわたり低金利を維持するとの重要な発言で利下げ観測が再浮上し、少なくとも刺激策終了の懸念がなくなった。これを好感して相場が上昇した」と語った。
ロンドン時間午後4時38分現在、スペイン10年債は前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.65%。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格は0.92上げ97.99。
同年限のイタリア国債利回りは11bp低下し4.40%。ポルトガル10年債利回りは19bp低下の7.27%。前日は8.11%まで上げていた。
ドラギ総裁は「ECBの政策金利が長期にわたり現行のままかそれを下回る水準にとどまると、政策委員会は考えている」と言明。「政策委はこの日、予見可能な将来における政策金利について下方バイアスを加えたということだ。出口は非常に遠い」と述べた。
ドイツ2年債利回りは5bp下げ0.12%。一時は0.08%と、先月6日以来の最低となった。10年債 利回りは1bp低下し1.65%。
英国債英国債市場では国債相場が上昇し、金利先物相場も大きく上げ、利上げ観測の後退を示唆した。カーニー新総裁率いるイングランド銀行(英中銀)はこの日、資産買い取りプログラムの規模を3750億ポンドに維持した。エコノミストの予想した通りだった。中銀は声明で、フォワードガイダンス(時間軸政策)の採用に向かいつつあることを示唆した。
10年債 利回りは前日比2bp低下の2.38%。一時は3bp上昇した。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.14上げ94.86。2年債利回り は3pp下げ0.38%となった。金利先物2014年9月限のインプライド金利は11bp低下し0.73%。
金融政策委員会(MPC)は政策金利については過去最低の0.5%に据え置いた。
原題:Spanish Bonds Gain With Italy’s onDraghi’s Interest-Rate Pledge (抜粋)Pound Slumps Most Since 2011 as BOE SignalsRates to Stay Low(抜粋)
更新日時: 2013/07/05 05:52 JST